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インフィニティ・ギア  作者: 雨乃時雨
プロローグ~第一部
17/122

第15話 和解、そして動き出す

僕の振り下ろしたナイフを素手で捕まれた。春斗の手から血が出ている。


「春…斗?」

「ふん!」


春斗が思いっ切り起き上がり、今度は逆に僕が春斗に押さえつけられる。

両手を彼に抑えられて抵抗できないし、身動きも取れない。


「…何故俺を?」


あの時と同じように春斗は僕に問う。

理由を話したいのに…声が出ない、話したい、謝りたい!


「黙りか…友達だと思っていたのに」

「!」


止めて…そんな目で見ないで。彼の表情はあの優しい笑顔でもなく…僕を軽蔑した冷たい真顔だった。


「俺はまだ死ぬわけには行かないんだ」


春斗は僕から奪ったナイフを構える。

ーーあぁ、僕は殺されるんだ。

助けを求める声は出ず、でも自然と後悔は無く、ただお母さんに対して謝罪を繰り返す。

ーーお母さん、ごめんなさい。今まで迷惑をかけてごめんなさい。生まれてきてごめんなさい。

ナイフが振りあがる。

ーー春斗…殺そうとして本当にごめんね

歪む視界の中、春斗はナイフを振り下ろした…。


「…?」


目を瞑ったが痛みは無い、本当に死んだのだろうか。

目を開き彼を見ると…ナイフは僕に刺さっておらず、何処かから取り出した紙の束にひたすらにナイフを突き刺していた。


「はぁはぁ…ごめんな、レベッカ」


そう謝りながらナイフを捨ててポケットから何かを取り出した。


(紙切れ?)


何故かポケットの中から紙切れが出てきてそれを開いて僕に見せた。


『ごめん、ほんの少しだけ喋らずにいてくれ。助ける』


そう書かれていた。一瞬意味が分からなかったけど…助けになるという文字を見て言う通りにしようと思い僕は黙った。

僕の口を押さえていた手をどけて、クローゼットを開くと…何故か中にはアナスタシアさんが居た。


「…」

「…」


お互いで何かのハンドサインをし合い、アナスタシアさんはビジョンシステムを立ち上げて春斗は僕の耳元に近づき…。


「何だこれ?通信端末か…念には念をだ破壊しておこう」


そうして忌々しかった僕の耳についた通信端末を取り外し、アナスタシアさんに投げると何か解析し始めてすぐさま春斗に通信機を返した。

そして春斗は通信機を床に叩きつけて


「ふん!」


思い切り踏みつけた、それはもう念入りに。


『盗聴機能破壊』


ビジョンシステムにその文字が表示された瞬間、春斗が「はぁぁ…」と息を吐きながら座り込み。


「オッケー…レベッカ、もう喋っていいぞ」


そう言われた。

最初は理解できなかったが少しずつ頭が理解をしていき、意味を理解するが口から言葉が出なかった。


「作戦は成功だな」

「あぁ、だが念には念をだ。氷水にこの装置をぶち込んで煮込んでやる!」


春斗は冷蔵庫から鍋を取り出してその中に通信端末を入れて蓋をした。


「よし…てか、レベッカ。話していいんだぞ?もうこの会話は聞かれない」

「ほ、本当に?」

「あぁ。だよな?アナスタシア」

「既に盗聴機能は破壊済みだ、機器としては生きているかもしれないが春斗の作戦通り通信端末の破壊は完了している」

「よかったぁ…マジで失敗は許されなかったから緊張した…んでレベッカ。俺たちはレベッカを解放する為にこの作戦を遂行したんだ、もうこの会話は聞かれることもない。完全な解放に一歩進んだわけだ、もう本心で話しても行動してもレベッカを誰も咎めない」


涙が出る。悲しみの涙じゃない。嬉し涙が零れる…。


「うぉっ!?」

「ありがとう…ありがとう…!」


そして感情のまま春斗に思いっきり抱きつく。

本当に彼は優しい…お母さんと同じくらい優しい、そんな少年と僕は出会った。

出会った動機は最悪だけどそれの全てを春斗は塗り替えてくれた。

僕の心臓は高鳴るし、ある感情が埋め尽くされる。

あぁ、もう


ーーこんなの…好きになっちゃうよ。


彼の胸に顔を埋め尽くしながら精一杯の感謝と一緒にこの心地よい気持ちに身を預けた。


ーーー


「落ち着いたか?」

「うん…お陰様でね」


椅子に座ったレベッカは落ち着いたようだ。流石に急に抱きつかれるのは予想外すぎてびっくりしたけど…まぁ成功したし良しとしよう。


「それは良かった…あ、IHのスイッチ入れなきゃ。勿論湯沸しモードで」


通信端末が入った鍋のスイッチを入れて湯を沸かしにかかる。

これで沸騰したらとりだしてもう一度踏みつけてやるぜ…!


「それと春斗、指は平気か?」

「あぁあれね、本当はレベッカの腕を押さえようとしてたんだけどミスってナイフを直接押さえたのは失敗だった…血も出てるし軽く止めるか、えーっと医療箱は…あったあった」

「そ、それなら手当ては僕に任せてよ!」


レベッカが椅子から立ち上がり俺が取った医療箱を取って俺の指を手当てする。消毒をかけられた時、流石に痛かったが…何というかね?


(近い…!)


ここまで近づかなくても手当ては出来るぞ?ってくらいに近いし、少し良いにおいがする…。

いやいや何を考えてるんだ俺は!こんなに真剣に俺の手当てをしてくれてるんだぞ!?こんな不埒な考えは今すぐやめよう。


「はい、出来たよ」

「すまんな…」

「いいんだよ、元々は僕のせいだしね」

「!」


今までの微笑み方とは違い、より明るく笑っている。

こっちの笑顔の方が俺は好きだな。


「春斗」

「ん?」

「私もハグをさせろ、ずるいぞ」


いきなりとんでもないことをアナスタシアから言われるが肯定も否定もする前に既に俺の胸の中だった。


「えぇ…」

「私だって頑張ったんだ、それの報酬を寄こせ」

「はいはい…」


少し頭を撫でながらレベッカを見ると…頬を膨らませていた。


「僕、頭撫でられていないし抱きしめ返されなかったんだけど?」

「いや、だって俺の手から血が出てたし汚しちゃうかなって思って」

「じゃあ今ならいいでしょ!」

「急にガンガン来るようになったなぁ…」


アナスタシアを撫でているのとは別の手でレベッカの頭を撫でる。

…二人とも髪がサラサラだ。


「それでアナスタシア、何かわかったのか?」

「あぁ…最悪な事であり最高なことが?」

「というと?」

「通話ログだけではなく、逆探知プログラムを仕込んでおいて色々データを拝見させてもらった結果。レベッカの機体にもトレースシステムが搭載されている」

「マジ?」

「あぁ、だが解除方法は既に学んだ。解除は任せてくれ」

「…天才だなアナスタシアは」

「ならもっとなでろ、手が止まっているぞ」

「はいはい…」


だがこれで分かったのは今日のトレースシステム事件の元凶はレベッカに指示を出していた人か。てか誰なんだ?


「レベッカ?」

「うん?なにかな」

「その誰からの指示なんだ?俺の殺害とか強奪とか」

「知ってたんだね?」

「まぁ…色々とアナスタシアと頑張ったしね」

「それはね…」


そうして聞かせてもらった作戦の全貌、及び誰に指示を出されたのか、何故従ったのかを…。


「…とそんなわけで指示を聞かなきゃいけなかったの」

「そう、だったのか。大変だったな一人で」


とは言っているがその人をどうやって地獄に叩き落とすことしか考えて無い。

俺のクラスメイトを泣かせた恨み…はらさでおくべきか!ぜってぇ只じゃおかない。


「ただまぁ…一応、教員たちに伝えておくべきだと思う」

「私も同じ意見だ」

「僕もだよ」

「なら善は急げってやつで今行くか」

「今か?今は23:00だぞ」

「…やっぱやめよう、あの人たちも人間だし寝てると思うしね。とりあえず今日は二人とも寝たほうがいい、明日また考えよう」

「「…」」

「ん?どうした」


一旦ここで解散という形を取ろうとしたが…二人とも動かない。


「ここで寝てもいいか?」

「はぁ!?」

「あ、ずるい。僕も」

「流石に戻れ…俺が怒られる」

「「…」」

「そんな顔してもだめだ、ほら早く寝て明日に備えろ!」


半ば無理やりだが二人を部屋から追い出した。


「ふぅ…あー、疲れた」


ぐつぐつと沸騰している鍋を見る。

まるで俺の怒りみたいだ…元凶には地獄の業火も生ぬるい、か?もっとないのか、より惨く、より恨みを晴らす方法は。


(…俺が考えることじゃないか)


IHを止めて箸で通信機器を取り出してキッチンペーパーに包み込んで拳で一二発叩きつけて、床において脚で三四発ぐりぐり踏みつけて。ゴミ袋に入れてベッドに飛び込んだ。


「寝よう…もう、疲れ…た」


ベッドに身体を預けると一瞬のうちに睡魔に意識を刈り取られ…俺は眠り、次の日の日の出に照らされ目を覚ます。

いつもよりちょっと早く目が覚めた俺は一足先に校舎へ足を進めていた。両手の指の根本全部に包帯がぐるぐる巻きなのですっごい違和感があるけど。


「あ、春斗おはよう」

「え、早くね?」


俺の後ろの席には既にレベッカが座っていた。

嘘だ、一番は俺だと思ったのに…。


「何というか癖かな?」

「あぁ、察した」


多分、この時間にも連絡を取り合っていたんだろう。もうとる必要もないしあとは何とかしてレベッカのお母さんを救えたら終わりだ。

最悪…イタリアにカチコミになりそう。


「昨日は本当にありがとね」

「別にいいんだよクラスメイトだし、友達だろ?」

「えへへ、春斗は優しいね」

「優しくないよ…」


バッグを降ろして席に座る。

それで本来話せなかった雑談を交わしていたら徐々に時間は経っていきクラスメイト達が入ってきた。


「あ、九条君とレベッカさんおはよー」

「あぁおはよう」

「おはよう!」

「何かレベッカさん変わった?凄い今まで以上に笑顔が綺麗だね」

「そうかな?ありがとう」


と言いつつも俺を見てウィンクしてくる。

こっちの方が元気でいい感じだけど、ちょくちょく俺にアピール…でいいのか?してくるのは止めてくれ、勘違いしてしまう。


「ん、アナスタシアおはよう」

「あぁおはよう」


教室の後ろからアナスタシアが入ってきた。

何だかんだいってコイツも馴染んだよなぁ…。


「…?どうした?」

「何でもない、今日も普通に授業が始まるんだなって」

「?」


一応授業の準備をしておこうと思い、バックから教科書やノートを出して机の上に出した。

その時。


ピンポンパンポーン


『1年1組九条春斗君、1年1組レベッカ・ブルーノさん。至急職員室に来てください。繰り返します1年…』


「九条君何かしたの?」

「いや…身に覚えもないし何で俺とレベッカが?」

「何かあったっけ…?」

「さぁ?とりあえず行くか」


二人で席を立ち教室から出ようとすると…


「きゃっ!?」

「あ、ぶない!!」


俺が柊木先生と正面衝突し、ギリギリのところで受け止める。


「大丈夫ですか!?」

「あ、はい…あと、九条君近いですよ?」

「…それはすみません」


柊木先生を無事?受け止めて怪我をさせずに済んだ。だがレベッカの機嫌がほんの少し悪くなった。何故だ?

そうして職員室前まで向かい扉をノックする。


「1年1組九条春斗です」

「1年1組レベッカ・ブルーノです」

「入れ」


御影先生の声が聞こえたことを確認し、失礼しますと一言告げて職員室の中に入り二人で御影先生の元へ向かった。


「えっと、何故俺たち二人が?」

「あぁ…実は今日トライ・ロワイヤルのトーナメント表と対戦相手の表示する予定だったのだが…急遽変わってな」

「急遽ですか?」

「あぁ、表示した後変更とも思ったがかなり個人的に二人に要件が合って呼び出した」

「「?」」

「まず変更の内容はアナスタシア、レベッカ、九条で第5回戦に戦ってもらう。本当は九条の対戦相手が違うはずだったんだがな」


ふーん…俺が急遽移動か。実際対戦相手は明かされてなかったし何とも思ってない。


「何故変更なんですか?」


俺の疑問を先にレベッカが放つ。


「…それで私個人の呼び出しが関係してくるんだ」

「といいますと?」

「お前たち、昨夜何かあったか?」

「「!」」

「昨日の深夜。何故だか分からんが…ブルーノ社の社長から連絡があった、二人はどうしているとな。レベッカの事ならまだわかる。だが何故九条まで呼ばれたのかと」

「…さぁ?」

「いや何、特にないならそれでいい」

「その」

「うん?」

「そのことは父に連絡するんですか?」

「いや…元々生徒個人の安否の説明等は血族や家族関係なら良い。だが九条の安否を聞いてきた辺り何かおかしいとこちらも汲み取ってな。ましてや深夜の唐突の連絡の時点で若干教員達はキレてたぞ」


良かったー!俺あの時行かなくてー!行ってたらキレられてたのか…ありがとう昨日のアナスタシア。お前のお陰で俺は生きてられる…。


「まぁ何もないならいい、すまないな急に」

「大丈夫ですよ」

「では教室に戻ります」

「あぁ、そろそろSHRも始まるから出来る限り早く戻ってくれ」


そして二人で職員室を後にした。


「ねぇ春斗」

「あぁ、あっちも動き始めたってことだ」

「しかもさ、対戦相手を僕とアナスタシアと春斗にしたのって」

「あー…トレースシステムか?」

「多分ね」


そうだったか、レベッカの報告でレオンはまだトレースシステムが起動してないと思われている。


「てかシトリンのトレースシステムは?」

「昨日戻った後にアナスタシアが何とかしてくれたよ」

「流石特殊部隊だな」


歩きながらあとでアナスタシアに感謝しようと思った。てかやっぱり俺が生きていると思っての行動か。恐らくもうレベッカは生きていないとふんでの行動だろう。


「…あとは時が来るまでに自分自身を鍛えるだけだな」

「そうだね、恩はあるけど負けないよ」

「俺も同じ考えさ、そう簡単には倒せないぜ?」


お互い煽り合う、そこまでバチバチとしていないけどね。


ーーー


俺がこの学園に来て思ったのは学業や訓練をしていると時間は経つのが早いという事。

もう6月の月末。明日の月曜日には三者戦闘トライ・ロワイヤルが始まる。学園の雰囲気や教員、関係者たちは明らかに慌ただしく動き、会場である第1、第2、第3アリーナの整理や設備のチェックに不審物、不審者諸々の確認と…とても忙しそうだ。

かくいう俺ももっと自分の力を伸ばしたいのに時間が足りない。今のところ、フレヤ、葵、レベッカ、アナスタシアが訓練に付き合ってくれたが残り一週間を切った時、訓練は一人きり。全員、本気で戦う気満々だ。

それで今日は日曜日のお昼過ぎ。この時期になるとアリーナはほぼ借りられないし、やることがない。現に俺は借りられず、昨日が最後のアリーナでの練習だった。


「ん”んー!」


久々に校舎を散歩している気がする…しばらくは訓練に没頭してたしな。

太陽がさんさんとしている。良い日和だ。こういう時は日向ぼっこをして昼寝するに限る。ちょっと早いかもしれないが一度私室に戻って仮眠を取ったのち、対戦相手であるアナスタシアとレベッカの戦闘データでも確認しよう。

そう思い寮に足を進めようとしたが…


「ん?」


通話がかかってくる、相手は…レベッカ?とりあえず応答。


「もしもし?どうした」

『ごめんいきなりで悪いんだけど…今何処にいるの?』

「今は一階の廊下で、職員室前くらい」

『じゃあ近いね、ちょっと迎えに行くから待っててもらっていい?』

「お、おう…?」


とりあえず迎えに来るみたいだ。何が起きたんだ?と考えていると曲がり角からレベッカが息を切らしながら現れた。


「ごめん…いきなり」

「いやいきなりなのはいいけど…何があった?」

「ここじゃ言えないからついてきて」

「わ、わかった」


そうしてやや駆け足気味に駆けていくレベッカを追いかける。

校舎を飛び出し、向かう先は…第3アリーナ?


「第3アリーナに何かあるのか?」

「そこに…アナスタシアが居るから話を聞いてほしいの」

「分かった」


無我夢中で走っているうちにアリーナの入口の前にアナスタシアが居た。


「お待たせ連れてきたよ」

「連れてこられたが…どうした?」

「あぁ…少しついてきてくれ、出来る限り音をたてないように」

「???」


言われるがままアリーナの横に生えている木々に隠れながらアナスタシアについていく。

本当に何をしているんだ?


「…この辺でいいだろう」

「なぁどうしたんだよ」

「説明はするが先にアレを見てほしい」

「…?」


かがみながら言われるがまま、指を刺された方向を見ると…黒色のトラック?装甲車?が三台。そんな重要人物が来るのか?


「アレは?」

「それでこれだ」


そしてアナスタシアが画像を出す。何かのロゴマークが刻まれているな、しかもあの三台に。

でもこのロゴマークは初めてみた気がするけど…。


「これは?」

「…ブルーノ社のロゴマークだよ」

「!!」


驚きのあまり声を上げかけるが我慢する…危ない危ない。


「な、何で…?」

「当たり前だ。このような大きい大会では各企業のエージェントや研究員、更には政府関係者も出席する。そうなればブルーノ社社長も現れることだろう」

「ってことはアレが元凶か?」

「あぁ…それと部隊からメッセージで様々な情報を得た」

「情報を?」


今度はロゴマークではなく、一機の機体の3D画像が表示された。

何だこの機体…見たことないやつだ。


「完成してたんだ…」

「レベッカ知ってるのか?」

「うん、警備用無人機『ブレイザー』。ブルーノ社の最新の警備用無人機」

「警備用…の割にはデカくないか?」


全長のサイズも横に書かれているけど…AGの少し小さいくらいだ。

だがAGの少し小さいといっても人からすれば1.5倍くらい大きい。警備用とはとても思えない大きさで、マシンガンやブレードなど色々な武装が詰め込まれている。


「もちろん、表向きはね…本来は人を倒すための兵器。それがブレイザー、一応言っておくけどインフィニティギアは搭載されてないよ」

「ギア無しの無人機か…」

「AGに比べたら確かに弱いかもしれないが、この機体は量産型だ。それに衛星写真から確認した画像によると…ブルーノ社のトラックが各アリーナに三台ずつ置かれているらしい」

「マジか…まさか」

「あぁ全てにブレイザーが乗っていると考えてもいい」


もはや軽いテロじゃねぇか!ほぼ全生徒全関係者が狙われていると言っても過言ではない。

てかしれっと衛星写真って聞こえた気がするが!?


「それなら教員に連絡を…!」

「それが出来れば良かったんだ」

「?」

「これが最後の情報だ」


画像が無くなり音声ログが映る。ちなみに音声は無い、ログのみだ。


「…俺には読めんぞ」

「…すまん、忘れていた」

「いいさ、んでどういうことだ?」

「かなり大雑把に要約すると…このブルーノ社の何処かのトラックの中に『ラウラ・ブルーノ』が居る」


ラウラ・ブルーノ…?ってブルーノ!?

まさか…!?


「僕のお母さんの名前だよ」


予想通りだった。レベッカのお母さんがどれかのトラックにいるらしい。


「目途は?」

「そこまではわからなかった、ただどれかのトラックの中に捕まっていることは確かだ」

「…何で連れてきたんだろう、てか連れてくる必要あるのか?」

「…もしかしたら僕たちを釣るための餌にするかもしれない」

「ありえるな」


レベッカが生きていると踏んで、もしくは人質として活用するために連れてきたのか?

クソムカつくぜ…!


「それで教員に言えない理由なんだが、今言ってブルーノ社が学園を警戒すればラウラ・ブルーノの乗ったトラックがすぐさま何処かへ連れていかれる可能性も高く、そうなると…」

「つまり、秘密裏にこの状況を知っている俺たちが動かないといけないのか」

「幸いにも私たちは同じ対戦相手で第3アリーナの第5回戦目だ。時間はあるといってもいい」

「その間に僕たちが各アリーナに配置されているブレイザーを倒してお母さんがいるか確認し、居たら救出。それで第3アリーナに戻ってくるのが僕たちに課せられたミッション」

「そうだ」


このミッション、失敗は許されないし…何よりお互いが単独行動であることが必須か。

かなり緊張するけどレベッカの為だ。頑張ろう。


「それで誰がどの…」

「待て、ここで決めるのはやめよう…誰か来ている」

「了解」


アナスタシア曰く。遠くから一人こちらに向かって歩いてきているらしい。

まだ距離はあるが危険と判断し、俺たちはかがみながら早々に動き、アリーナから走り去っていった。


「…結構スリリングだな」

「一般人からするとそうか?」

「かもな」


そうして、三人で寮に戻りながら誰が何番アリーナに当たるのかを話し合った。

その結果…第1アナスタシア、第2俺、第3レベッカで決まった。

作戦の概要は無人機『ブレイザー』の全破壊及び『ラウラ・ブルーノ』の救出。

各判断は各々の自己判断で第5回戦までに間に合わせて動くこと、危険だった場合は緊急避難も視野に入れておくこと。以上…か


「…」


ベッドに転がり天井を見上げる。

思った以上に早かったな、レベッカのお母さんを助けるのが。


「お母さん、か」


レベッカはお母さんが大切なのだろう、元々はお母さんを守るために俺を殺そうとしていたんだから。その気持ちは痛いほどわかる。

俺は…家族を失ってしまったからな、あの悲壮感を味わってほしくない。

明日で全てが決まる。


「絶対に…助ける」

誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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