第13話 ロックオン
(いてて…)
40周走り切る前に保健室の先生が血相を変えて走ってきて保健室に連行され、応急処置を受けた。
ガーゼに絆創膏に包帯と様々。そりゃそうだ、シールドエネルギーが無い状態で迫撃砲とかナイフで切られたりしたから…。
兎に角、今俺が生きているのは黒鉄のお陰だ。本当にありがとう。
んで40周走り終わり、今は食堂に向かっている。
実のところお腹がすいててかなりヤバイ。今朝はアナスタシアとの対決に40周のランニングと身体を酷使しまくっていた。いやでも腹は減る。
「…ん?」
食堂に向かっている途中なのだが、一年一組のクラスが少し騒がしい。
今日は元々学園は休みの日だしこういう日はゴロゴロするもんじゃないのか?と思い、教室の中を覗く。
「なので本日のアナスタシアさんとレベッカさんの歓迎会のお菓子等はこちらでよろしいですか?」
「いいねー!」
「賛成ー!」
中でザ・女子高生みたいな会話…というより会議が行われていた。
歓迎会ね、いいんじゃないか?何処でやるのかは知らないけど。
「春斗?」
「うぉっ!?」
急に後ろから話しかけられて振り返る。
「ってなんだ葵か…びっくりした」
「なんだとはなんだとは」
「それはごめん」
「…怪我は大丈夫なのか?」
「大丈夫、そこまで大きな怪我じゃなかったらしいし」
「その見た目でよく言えるな」
「何も言えなくなるからそれは言うな…」
こう正論をぶつけられると何も言えなくなるから…というか葵って結構正論でブチかますことあるしな。
「あ!九条君!怪我は大丈夫なの?」
教卓で会議の議長?をしていたクラスメイトの鷹野さん。
「大丈夫だ、それで今は何を?」
「歓迎会をどうしようかっていう話。ほら、アナスタシアさんとレベッカさんの」
「いいねぇ、で何処で?」
「…そこなんだよね」
「?」
聞いたところ歓迎会をすること自体は良いのだが…やる場所が無いとの事。
最初は教室で良いんじゃないか?という話だったが、出来ることも限られるし何より許可が取れるのかとなったらしい。てか教室の許諾取る相手が御影先生っていう事もヤバい。
物によっちゃあ処られるな。
「もういっそのこと先生に聞くのは?出来る所ありますかーって」
「…確かに」
「え!?考えになかったのか!?」
「ごめん…それ以上に中身をどうするかで盛り上がってて」
「それならしょうがない、その気持ちも分かる」
あるよねぇ、そういうの。企画としては良いのに中身が空っぽだったり逆に中身は素晴らしいのに外見が終わってたりするの。
(俺の方から連絡してみるか)
ビジョンシステムで通話アプリを展開し、柊木先生へ電話をかけてみる。
『はい、柊木です』
「お忙しいところすみません、一年一組の九条春斗です」
『あ、九条君ですか。えっと40周は』
「既に走り終えました…それと今朝は本当にすみません」
『大丈夫ですよ、それで今日はどうしましたか?』
「あのですね、アナスタシアさんとレベッカさんの歓迎会をしたいのですが何処か借りれるような場所ってありますか?」
『うーん…そうなりますと場所は結構限られますし当日となると』
やっぱりそうなるか、いきなりすぎるしな。
『それなら食堂の一部を借りたらどうだ?』
「!?」
この声は柊木先生じゃない、御影先生だ。
『流石に教室は許可できないが一部の食堂の席なら大丈夫だと思うぞ』
「えっと借りることが出来るなら借りたいです」
『分かった、後で九条は職員室に来てくれ。詳しい話はそこでする』
「了解です」
『…というわけなので九条君は後で職員室に来てくださいね』
「わかりました、というより今向かいます」
『わかりました、待ってますね』
通話が切れた事を確認したのちビジョンシステムを終了。
「どうだった?」
「食堂の一部の席を借りれるかも」
「「「おぉー!」」」
歓声が上がった。そこまでやりたかったか…てかアナスタシアとレベッカはみんなが座っている席のど真ん中に座ってるし…。
アナスタシアは何が起きてるか分からない顔してるし、レベッカも何処か焦っているような気がする。
「じゃあ俺は職員室で手続きしてくるから、中身はみんなに任せ…いや完全に託す。俺じゃ力にならないしね」
そうして俺は空腹だったことを完全に忘れて職員室に向かった。
ーーー
「ん”んー!!終わった~」
すぐさま職員室に向かい、書類というか申請書?を書き、提出して背中をグーッと伸ばした。
書いた内容はなぜ借りるのかの理由に責任者の名前を書いて、いつ借りるのか…と意外にも普通の事を書いて終わった、ちなみに借りる時間は時間は不明。
…正直、なんかものすっごいこと書くのかなって心構えしてたけどその必要は無かったらしい。
「さ、飯行くか」
俺の腹が鳴っている…飯を寄こせとな。
「…春斗」
「お?アナスタシアか」
意外にも話しかけてきたのはアナスタシア。
初めて会ったあの時とは違い冷徹な感じはもう無く少し柔らかい。
「どうした?」
「一緒にご飯を食べないか?」
「いいぜ、なら早くいこう!」
まさか今朝、戦ってたやつと一緒にご飯とはな。昨日の敵は今日の友ならぬ、今朝の敵は今の友って感じか。
「てか歓迎会の話し合いは?」
「私にはあの話にはついていけない、所々何を言っているのかさっぱりだ」
「あはは…アナスタシアも今は学生なんだからその辺は追々覚えていこう」
「うむ」
そうだよな、アナスタシアは元々は軍人だ。あんな現役の女子高生の会話の内容にもついていけないものがあるだろう。だがきっと分かるときが来る、あそこまで打ち解けたんだ。後ろから見守っておくのも友としての務めだろう。
「それと個人的に話しておきたいことがある」
「?」
「まずはありがとう、私の烙印を払拭してくれて」
「なんだそんなことか、クラスメイトとして友人として当たり前のことをしただけだ」
「だとしてもだ」
アナスタシアに感謝されるなんてな、見てるか昨日の俺。こんなに打ち明けて俺はご満悦だ。
「それと…これはかなり個人的かつ重要な話だ」
「!」
さっきまでの柔らかい雰囲気とはまるで違う、一気に冷たい雰囲気に変わった。
「それはどういう感じのだ?」
「…単徳直入で言えば、今春斗は狙われている」
「狙われている?」
「細かくは分からないが狙われていることは確かだ」
「何を言ってるかさっぱりだぞ」
「詳しくは食堂で話させてくれ、ここの廊下じゃ流石に怪しまれてしまう」
「…了解」
とは言いつつも食堂はもう目の前にあったので、飯を頼んで近くの二人席に座った。
ちなみに今日はざるうどんだ。少しずつだけど夏へ近づいていっているから暑い日が増えてきた。こういう時の冷たい物もまた格別で良い。
「うん、美味い」
「それは何だ?」
「ざるうどん、冷うどんをめんつゆとかにつけて食べるヤツ」
「美味そうだな」
「アナスタシアは?」
「ハンバーグだ、軍の中ではこういった肉はかなり貴重だったからな。食べてみたいと思ったんだ」
「ははっ、いいねそういうの」
ずるずると麺をすすりながら軽く雑談を交わしていく。
「…それで本題に戻るが、何故俺が狙われていると?」
「聞いてしまったのだ」
「聞いてしまった?」
「レベッカ・ブルーノの会話を」
「…何故会話を聞いて狙われているってなったんだ?」
「…」
するとアナスタシアは無言のままビジョンシステムを展開し、プライベートチャンネルで俺に何か送ってきた。
これは…音声付きのメッセージ?
「聞いてみろ」
言われるがまま耳元の通信モードで聞いてみる、ちなみにイヤホンのように外部にはこの音は聞かれないから大丈夫だ。この時代になるとイヤホンを耳につけることも少なくなってきている。俺は付けているけどね。
さて、俺のイヤホン事情なんてどうでもいいし脱線しすぎた。メッセージを聞いてみると。
『はい…』
「?」
確かにレベッカの声だ。だが一体だれと喋っているんだ?
『電磁パルスをトライ・ロワイヤルの開場でもある第3アリーナに設置しました』
『…いいえ、まだレオンのトレースシステムは起動していません』
『…え、明後日までに!?でも…』
「…聞いたか」
「…あぁ」
今朝起きたトレースシステムや第3アリーナの電磁パルスといった事件の全てをレベッカが話している。
設置とか起動とか明らかに怪しい、でも
「トレースシステムは起動したよな」
「そうそこだ…起動したのにしていないといっている」
変なところで食い違っている、どういうことだ。
「どちらにせよ明後日までに何かがあるのと、電磁パルス及びトレースシステムはレベッカが何かしたということになるのか」
「あぁ、だが」
「変に食い違っていて怪しいと」
「そういうことだ、一応言っておくがレベッカとはルームメイトなのだが…悩み事とか無いかと聞いてみたがこれと言って役に立ちそうな情報は無かった」
「…」
まぁそう簡単には言わないよね。てか結局誰と話しているんだ?相手の声は聞こえないし…。
「あ、アナスタシアに春斗?」
「ッゲホッゴホッ!?」
当の本人に後ろから話しかけられて思いっ切りむせる。
「だ、大丈夫?」
「ご、ごめん…急に話しかけられて驚いちゃった」
「それはこっちもごめんね?」
トレーに乗っていた水をぐびぐびと飲む。いてて…麺つゆが変なところに入って鼻が痛い。
「はぁ…落ち着いた。てかレベッカはここにいていいのか?歓迎会の話は」
「実はさっき柊木先生が来て詳しい話をされて一度解散になったの」
「へぇ、それで何時にやるんだ?」
「今日の17時、それと」
「それと?」
「全員部屋着で参加だって」
「…は?」
衝撃的な一言が添えられていた。
部屋着?部屋着だと!?いや別に俺の部屋着は普通だとは思うが…何というか大丈夫なのか?色々食べたりするんだと思うし、他の生徒来たらどう思われるか分からないし…。
(まぁ…大丈夫か)
今考えても変わらないし、もしかしたら女子たちはこういうのが好きなのかもしれん。変に口出しするのはやめておこう。
「りょ、了解」
「あとね」
「うん?」
「助けてくれてありがとう、春斗がみんなを庇わなかったら迫撃砲を受けちゃったかもしれなかったから代表してお礼を」
「いいんだよ」
少し微笑みながらそういった。
あの時、結構感情的に動いてたな。怒りで真っ白になってて無我夢中にトレースシステムをぶん殴ってたし。
…思い出したくねぇな、止めよう変なことを考えるのは。
「それじゃ僕は用事があるから、また17時ね」
「あいよ~」
そうしてレベッカは手を振りながら食堂から出て行った。
「春斗」
「分かってる、警戒はしないといけないことくらい…でもなんかなぁ」
「…その気持ちは確かに分かる、嘘に見えないんだろう?」
「あぁ」
さっきの微笑みも嘘をついているようには見えない、本心だと思ってしまう。でもあの会話の事を思い出すと何とも言えないのもまた事実。何ともいえない気持ちが溢れ出す。
「とりあえずは歓迎会、話はそこからだな」
「…あぁ」
お互い飯を食べ終わり、トレーを戻して別れた。
(レベッカなぁ…)
別に何処へ行こうとかそう目的もなくただただ廊下を歩く。
正直、あの会話を聞くまでは普通のいい子で何か引っ掛かるところがあったが気のせいだろうと思っていた。あの会話を聞いた瞬間気のせいじゃなかったことが確定したけどな。でもなぁ…嘘をついていると思えない。まだ知らないことがあるのだろう。
本人に直接ストレートに聞くのは流石に頭がおかしいと思われそうなのでアナスタシアの情報が頼りだな。
「…ん?あれは」
曲がり角の先に居るのは…レベッカだよな?今、空き教室に入っていったけど…良いのかアレ。無断で空き教室使ってもいいのか?
(…一応確認)
さっきの話もあるしな。それにクラス委員長として悪事を止めるのも俺の役目だぜと自分に言い聞かせ、空き教室の前まで忍び足で近づき扉の前に座り込み、扉に耳を当てて聞き耳を立てる。
『流石に…明後日までは早すぎます!』
「!」
声を荒げるレベッカ。だがあのメッセージ同様、相手の声は聞こえない。
『分かっています…しかし!』
更に声を荒げて怒りをあらわにするレベッカ、まだ出会って間もないがここまで怒りを露わにするのは…少しびっくりする。んで…ずっと相手の声が聞こえないのが気になる、何かあるのか?ジャミング的なチャット的な。
(ん?待てよ?)
ふと思いついた。もし仮に、仮にだ。
レベッカが今、外部との通信で指示をもらっているとしよう。そうなると…。
アナスタシアから聞かされた録音の会話にも相手の声が入っていなかった。今では扉を一枚挟んでの会話ですら相手の声が全然聞こえないのもおかしい。
いや…これはかなりあり得るぞ!相手の声が聞こえないのも納得だ。外部との通信で確定したわけじゃないが誰かと通話していることは確定した。
『わ…かりました…!』
「?」
声が一気にこわばる。何か我慢しているっぽい感じだ。
…ダメだここまでにしておこう、これ以上聞き入るとバレる気がする。一度ここから離れてアナスタシアに情報と話を。
静かに立ち上がりもう一度食堂辺りまで早歩きで行き、距離を離した。
(寮に向かいながらアナスタシアに連絡を)
食堂から寮に向かいながらプライベートチャンネルのチャットでアナスタシアに連絡。いきなり電話をかけるのはちょっとアレかな?って思ったしね。
『すまん、ちょっと話を盗み聞きした。この後俺の部屋に来れるか?』
『こちらも進展した、春斗の部屋は何番だ?』
『1103』
『了解』
よし、俺も急ぐか!校舎から出て寮まで走っていく。
「…」
それを見ていたとある女子生徒が居るとも知らずに。
ーーー
「はぁはぁ…ごめん待たせたか?」
「別に待っていない、丁度来たところだ」
自分の部屋まで走ると、アナスタシアが俺の部屋の前に立っていた。
そしてバックから俺の学生証を出して部屋のロックを解除し、アナスタシアを中に入れる。
「失礼する」
「適当にかけてくれ、お茶を出すよ」
「ありがとう」
「…てか飲めるのか?」
「あぁ、特に緑茶が良い…アレは趣?があるのだろう?」
「まぁ言ってることは間違いじゃないけど…てか難しい言葉知ってるの凄いな」
茶葉と急須を用意してポットに水を入れて沸騰するまで待つ、その間に話しておくか。
「んで俺が仕入れた情報なんだけど」
「待て、先に私の方を言わせてほしい」
「…?」
やたら焦っているようにアナスタシアが言う。そんなやばいもん見つけたのか?
「これを見てくれ」
ビジョンシステムで何かの画像を表示した。
「!!?」
その画像を見た瞬間、驚きのあまり俺の身体は硬直し、言葉が出なくなった。
銀色に輝く刃物…俗にいうナイフだ。
「こ、これは…?」
「…レベッカのバッグを探った際に出てきたタクティカルナイフだ」
「な、何でそんなものが」
「わからない…だが外部から刃物は許可証がない限り持ち込めないはずだ」
ちなみにアナスタシアさんもサバイバルナイフを持っている、軍人の時に失くしてしまった隊員の形見らしい。これは既に許可を取っており事前講習を受け許可証を携帯しているが…
「許可証は?」
「探したがそれらしいものは見つからなかった」
「…てことは無許可かもしれないと」
「あぁ」
ナイフと謎の会話…レベッカって何者なんだ?
最初に話しかけられた時もアナスタシアからの攻撃を守ってくれた時もアレは…嘘だったのか?
(…いやそんなはずはない)
あの時の行動は今でも嘘偽りない行動だった。それに…初めて話しかけられた時のあの曇った顔。多分、俺らじゃ考え付かない何かがあるのだろう。
「次に俺からいいか?」
「あぁ何か収穫があると言っていたが何かあったのか」
「それ何だけど」
言おうと思った瞬間、扉からノック音が聞こえた。
こんな時間に珍しいと思ったのもつかの間。
「春斗、居る?」
「「!?」」
驚きのあまり声を上げそうになるが口を両手で押さえ必死に我慢する。
何とまたしても当の本人が襲来。何でレベッカが急に俺の部屋に!?
「…出てくる」
「だが」
「アナスタシアは隠れていてくれ、変に怪しまれたらマズイ」
「…了解」
そうしてアナスタシアは俺のシャワー室に入った。よし、開けよう。
深呼吸し心を落ち着ける…。意を決して扉を開ける。
「す、すまんいきなりすぎて反応が遅れた。どうした?」
「ごめんね、急に来て…それで要件なんだけど、今日よかったら一緒に歓迎会に行かない?」
「へ?」
「何というか…ここから一人で行くのも寂しいから」
また小さく微笑む、でも…一瞬悲しい顔をした。
「それくらいなら大丈夫だ、なら16時30分くらいに集まってから一緒に行くか」
「うん!ありがとう、じゃあまた」
「あっ、ちょ、ちょっと待ってくれ!」
待て、なんで俺は引き止めた!?考えるより先に反射で口から言葉が出てきてしまう。
「うん?どうしたの?」
「レ、レベッカ…その、何か悩みとかないか?」
「悩み?」
「あ、あぁ…転校してからやっと三日経とうとしているけど、何か無いのかなって」
「…」
レベッカは黙り俯く。流石に怪しすぎるか?
「す、すまん!何言ってんだろ俺…じゃあまた16時に」
「ねぇ春斗」
「!」
黙ってうつむいたレベッカが急に顔を上げてこちらを見てくる。
またあの悲しそうな顔だ。
「もしもの話をしてもいい?」
「もしもの話?」
「…もし、僕が君に襲いかかってきたらどう思う?」
「どうって…」
考える、何故急にそんな話を?でも質問には答えなきゃな。
俺に襲いかかってきたらどう思うか…。
「…多分、きっと理由を聞くと思う」
「理由?」
「何故俺に襲いかかってきたのか、その理由を聞きたい。それの理由や事情次第なら俺は俺の命を捧げるかもな」
答えを告げて再度目を合わせる。
「相手がどんな悪人でも?」
「それで変わってくれるなら。俺の命を…変われるチャンスとして使ってほしいって思う」
「…そっか」
俺の答えを聞くと悲しそうな表情は消え、また明るい顔へ戻っていった。
「ごめんね変な事を聞いて」
「あぁ、俺もすまん引き止めて」
「じゃあまた、16時辺りに」
そうしてレベッカは俺の部屋から去っていった。
「…アナスタシア、行ったぞ」
「あぁ…すまん一度私は戻る、これ以上部屋を開けていたら怪しまれそうだ」
「そうしてくれ」
アナスタシアの言った通りこれ以上話しているとレベッカに怪しまれそうだと思い、一度アナスタシアを部屋に帰し、俺は部屋着に着替えベッドに寝転がる。
今日だけでもかなり濃い日だった…今朝は決闘&トレースシステムの破壊。この後歓迎会があるのにこんなに疲れ果てた顔しちゃいけないよな、少し仮眠を取ろう。
アラームを15時にセットし、目を閉じる。一瞬のうちに眠気が回って俺は眠った。
ーーー
ピピッカチャッ
扉から鍵が空いた音が聞こえ、扉が開かれる。
「…」
扉から入ってくる女子生徒、名はレベッカ・ブルーノ。
レベッカは自分の持つナイフを握りしめて寝ている男子生徒こと九条春斗を見下ろす。
「…!」
ナイフを逆手に持ち、男子生徒の上に乗って構えた。
狙うは心臓、一突きで死ぬ。そう心に言い聞かせるが…。
「やっぱり無理だよ…」
刺せず、ナイフを懐にしまう。
「何で対象が君なんだろう…」
「…殺したくないな」
涙目のまま部屋から…レベッカ・ブルーノは出ていく。
そんなことが起きたこともつゆ知らず、九条春斗は幸せそうに眠っていた。
誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします
感想も待っていますので気軽にどうぞ!
超絶不定期更新ですがご了承ください…




