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インフィニティ・ギア  作者: 雨乃時雨
プロローグ~第一部
14/122

第12話 烙印の払拭

「クソ!」


一心不乱にこちらに向かって拳を振り下ろしてくるレオン。

もうアナスタシアさんの動きとか関係ない、とにかく俺を倒す…いや俺を『殺す』動きだ。

完全にパンチを防ぐことは出来ておらず、シールドエネルギーが削られ続けもう少しで無くなりそうだ。しかも左手には怯えているアナスタシアさんが居る。


(そろそろヤバいぞ…!)


シールドエネルギーがまだ尽きるのは良い、でもその影響でアナスタシアさんに危険が及ぶのはもっとマズイ!

インパクトブーストで撤退するか?いやダメだ、その分の負荷がアナスタシアさんにかかってしまう…。

考え込みながら拳をブレードで受け流す、弾いたり攻撃を仕掛けるのはダメだ。そこの隙を付かれたら終わる!


「ふん!」


レオンの操縦者辺りをあえて狙って蹴り飛ばす。一瞬、姿勢が崩れ一気に後退。


「れ、レオン…?」

「アナスタシアさん大丈夫か!?」

「貴様は…!」


良かった、アナスタシアさんが正気に戻ったみたいで。でもあの問題はまだ解決していない。一度、ここはアナスタシアさんの指示を貰っておきたい。


「敵同士なところで悪いが、協力してくれ。アイツを止めたいが消費したエネルギーの都合上まともに正面からやり合えないし、何か電磁パルスがあるみたいで通信もできない。どうすれば良いか指示を」

「…体育館だ」

「?」

「体育館なら全校生徒そして教員たちが居る、まだ何とかなるだろう。そこまでインパクトブーストで」

「でも距離があるし、何よりインパクトブーストの負荷が」

「大丈夫…私なら大丈夫だ」

「…何か考えがあるんだな」


何か考えがあるみたいだ、それなら…行っても大丈夫だろうか。

いや信じよう、『仲間』だもの。


「なら行くぞ」

「あぁ」


左腕から俺の背中にアナスタシアさんが移動し、インパクトブーストのタイミングを測る。

しかし


「えっ!?」


俺らより先に動いたのはあのレオンだった。アリーナの周りにある遮断シールドを手で引き裂きアリーナから何処かへ飛び去って行った。


「な、何で」

「まさか…!体育館に向かえ!」

「きゅ、急にどうしたんだ?」

「アイツは私を複製している、つまり…記憶も」

「!」


そうか、分かっているのか!

アナスタシアさんの記憶を複製しているなら今日の全校集会の事も知っているし、恐らく場所も!

そうなれば全校生徒に危険が及ぶ!


「アナスタシアさん、飛ばすぞ」

「あぁ…それと」

「?」

「アナスタシアで、いい」

「…了解、行くぞ!アナスタシア!!」


レオンが手で引き裂いた遮断シールドの隙間を通り、アリーナの外へ飛び出す。

レオンは…居た!アナスタシアの言った通り体育館方面へ飛行して行っている。それを追いかけるように俺もレオンの行った方向へインパクトブースト。


『風の音で話せないのでここからは通信で話す』

「負荷は大丈夫なのか?」

『ヘッドギアだけは無事だった、これなら多少の負荷くらい耐えれる』


背中に捕まっているアナスタシアさん…いやアナスタシアを見るとヘッドギアが変形してヘルメットのような形に変わっている。そんな機能があったのか、知らなかった。

てか俺の機体、ヘッドギア無いんだよな。鎧に兜は無し、そんな感じ。


「無理はするなよ…それでここからどうする?」

『出来る限りレオンに近づいてくれ、本体にヘッドギアからの通信で強制解除させる』

「いけるのか?」

『分からない、でも』

「やってみせる、か?」

『あぁ』

「分かった、インパクトブーストのまま出来る限りアイツの後ろにつくように動く。それでいいか?」

『頼む』


速度を上げてレオンの真後ろにつくように追いかける。

良い意味でも悪い意味でもこの学園は広い、まだ体育館まで距離があるはず。それにレオンのインパクトブーストは最高速度では無いようだ、まだ追いつける!


『残り12メートル…!』


もう少しだけ速度を上げる。正直これ以上速度を上げたらパワーエネルギーがちょっと危なくなるし俺にかかる負荷もあがる、そんな状態でアナスタシアが耐えるとは思えずらい…。


『この距離をキープしてくれ、強制解除を促す』

「分かった!」


速度を一定にし、距離感覚を保つ。一応、ここからの体育館到達時間も確認…。


(残り18秒…!?)


ヤバい、思った以上に体育館に近づいている。アリーナ内でしかインパクトブースト使ったことなかったから分からなかったけど、意外と早いんだなこれ!


『強制解除を…ぐっ』

「?」

『止めろ…私は出来損ないじゃないッ!』


アナスタシアに何か聞こえているのか…?そういえばトレースシステムのアイツもアナスタシアも『出来損ない』って言っていたよな。一体なんの事を…。


『残り…13パーセント』


もう3分の2を越え、ほんの少しだけ安心した次の瞬間。


「!?」


急にレオンが空中で速度を一気に下げて俺らの後ろへついた。振り返るまもなく今度は上に上昇し、ナイフを構えながら俺たちに向かって急降下してきている!


「アナスタシア!」

『わ、私は…』

「…」


考えたくはなかったが、アナスタシアは自分自身の思い出したくない何かを聞かされ続けているのか?

あのトレースシステムは操縦者の記憶も複製するらしく、そのせいで体育館の位置や全校生徒が居ることがわかった上で向かっていっている。だが…動きはアナスタシアのとは思えないほど荒々しく技術なんて無い攻撃しかしてこなかった。つまり…記憶だけを?


「考えてる場合じゃねぇ!!」


このまま急降下を食らったら俺よりも危ないのはアナスタシアの方だ!シールドも装甲もない状態で攻撃を食らったら…!

こうなったら


「!!」

『な、何を!?』


背中に乗っているアナスタシアを剥がし、抱える。何もない状態でアナスタシアがあの攻撃をくらえば死に至る可能性もある、ならまだ俺が受けた方がマシだ!


「がばっ!?」


背中に鋭い痛みと衝撃が走り、姿勢が崩れる。


『警告!シールドエネルギー及びパワーエネルギー無し』


マジか…元々削れてたシールドエネルギーも切れてパワーエネルギーもインパクトブーストで無くなったのか。


(地面が、体育館が近づいてくる)


出来る限りアナスタシアを俺の黒鉄の装甲で包み込む。

人が目の前で傷つくなら。


(俺が守って死んだ方がマシだ)


そしてそのまま俺は着地ギリギリでアナスタシアに衝撃が来ないように、抱え込んだまま体育館の入口に衝突した。


ーーー


私は…『出来損ない』だった。

人工合成の遺伝子から作られ誕生した私、試験体番号W-0346、アナスタシア・アガポフ。戦い、育てられ、鍛えられた、全ては戦争の為に。知り得た知識は人体の何処を攻撃すれば死ぬのか、軍の何処を破壊すれば自壊するのか、わかっていたことは戦略と戦い方のみ。格闘を覚え、銃を扱い、戦闘機や戦車といった全ての軍事兵器を扱う。これら全ての使用に置いて私の右に出るのもは居なかった。


そのはずだったのだ。


アーマーギア、通称AGが現れその訓練も始まったのだ。

最初は適正試験が始まり、その評価は平均以下。AGを用いた訓練も儘ならず、徐々に軍の頂から引きずり下ろされ、頂点に立てなくなって行った。私が覚えた全ての戦闘技術を用いてもAGには叶わない。私の栄光や技術はAGの出現によって削除され、私には何も残らなくなってしまった。しかしそれでも私は諦めなかった。ひたすらに努力し、遅れをとっていたAGも訓練も追いつき、ついには追い越せるようにまでなって行った。このまま行けば前のようになると思っていた、その時までは。

私を隊長としたAGでの殲滅作戦。戦闘中も的確な指示と的確な戦闘スタイルで殲滅は完了したはずだったのだが…このタイミングでAGが乱入し、撤退を余儀なくされ…


隊員を1人失った


『隊員を失わせた無能』『出来損ない』『守ることも出来ない』それらの言葉と共に嘲笑そして軽蔑され…その日から私は出来損ないの烙印を押され何も残らなくなってしまった。

だが残った隊員達や失った隊員の為にも死に物狂いでもう一度訓練を積み、私単体でAGを撃破するくらい造作もない程にまで成長し、本当にトップへ返り咲いた。

だが…過去は常に己に付きまとう。

あの押された烙印のせいで私は守れないことが怖いのだ。強くなっても、守れなかったらと思うと恐怖で身体がおかしくなる。

そんな中の急な異動、それが今いるこのIGD学園に生徒として入学。軍人からすると学園なんぞどうでもいいが…九条春斗に対してはここにいてはいけない人間だと思った。


「…うっ」



一般人の中で唯一戦える力を持ってしまったのが彼だ。勝手だと思うが軍人にとって一般人の死は何よりも心苦しい。だがら死なせてはいけない…私は出来損ないでは無いことを証明するために九条春斗を守りたい。そのためには手段を選ばずこの学園から剥がす事が出来れば…!

しかしそう簡単には行かなかった。個人的に思うがあの怒り、あの行動、そして私の霧を破ったあの戦略。何もかもが一般人とはかけ離れている。

だとしても…私は。


「…あ」


身体を起こし、レオンを見ると…


九条春斗の頭を掴み、持ち上げていた。


「やめろ…」


そして反対側の手には私のエネルギーナイフ。このあとどうなるか、なんて言うまでもない。


「やめてくれ…」


もう嫌なんだ…失うのは…!


『私は出来損ないだ』

「!」


目の前に居る私がそう言う。体育館内にいる全校生徒に聞こえるように口から話す。

あの時の光景がフラッシュバックする。生徒たちが私を蔑んでいる…。


(…嫌だ、もう)


助けたいのに、脚が動かない。


(…私は)


『私は何も守れない』


レオンの片手が動き始め九条春斗にナイフが向けられる。

その言葉は私自身の記憶の言葉だが、私に言い聞かせるように言う。


「結局…私は」


何も守れないのか…。

目を瞑る、そして心の中で謝る。

私のせいで失ってしまった隊員、私が出来損ないで守れなかった九条春斗に対して。


ガシッ!


「え…?」


聞こえるはずのない音が聞こえ目を開ける。

九条春斗が…ナイフをライトアームで受け止めている!?


「…ふん!」


次の瞬間、レオンを殴り飛ばした。

だがレオンは体勢を整え、片方しか使えない迫撃砲を…九条春斗ではない別の誰かに向けた。

あれは私と共に転校してきた…!

ドンッ!と言う銃声音、しかしその生徒には着弾せず、九条春斗が割って入って受け止めた。


(アイツは…一般人のはず、それなのに)


あの精神力、行動力。あれはどこから来ているんだ?

分からない、私と九条春斗の何が違うのか。

迫撃砲が当たらなかったレオンは九条春斗にナイフで遅いかかり斬撃を負わせるがまた受け止めた。


「満足か?」


そう呟く。


「偽物のアナスタシア、いや…()()()()()()()()()()()()()()()()

「え…」

「偽物が色々喋るせいでわかっちまったよ…でさ、なぁ偽物さんよ」


「俺のクラスメイトに何言ってんだ?」


九条春斗は受け止めたナイフを払い…首を掴む。


「なぁ…俺の嫌いなこと知ってるか?俺はな、友人やクラスメイトが傷つくのが心の底から嫌いだ。ましては暴力や戯言等々はもっと嫌いなんだよ…」


ぎちぎちとレオンに乗っているトレースしている私の首から異音が鳴り始める。


「よくも…よくもよくもッ!!」


「俺のクラスメイトに…迫撃砲を撃ち、更には過去を掘り返した侮辱の数々…!」


「お前だけは…絶対に許さないッ!!」


首を掴みながらレオン諸共持ち上げて地面に叩きつける。そして…ブレードを投げ捨て拳を振りかざし続け、吹き飛ばすように蹴り飛ばす。


『私は…出来損な』

「 黙 れ 」


私に対する言葉なのか、トレースした結果それしか話せないせいでこうなっているのか分からない発言の数々。それを黙らせるように首をもう一度掴み、持ち上げる。


「何だ?俺を煽っているのか?なら良かったじゃないか…俺は今頗る機嫌が悪いッ!」


首を離し、左手のボディーブロー。そして顔面を地面に踏みつけ、蹴り飛ばし壁に叩きつける。


「なぁアナスタシア」

「!」


急に私を見て話し続ける。


「質問だ。出来損ないの烙印…それを最後に押すのは誰だと思う?」

「え…?」

「答えてみろ」


最後に押すのは…?


「部下や他の隊員」

「違う」

「…教官や上官の」

「違う」


私が思う最後に押す人は…どれも違うらしい。


「じゃあ…誰が」

「お前だ」

「何?」


私の事を指さしながらそういう。


「詳しく言うと自分自身だ、お前はお前自身に烙印を押した」

「そ、そんなわけが」

「ある、特にアナスタシアの場合は」

「どういうことだ…」

「元々最強あるいは一番の存在に輝いていた人物、それの汚点を見つけた他の奴ら。恐らく嫉妬していて、一番であるアナスタシアを引きずり降ろせると思い出来損ないの烙印をお前自身に申請した。そして失ったことにより心は弱くなり、ましては支える人たちも居ないとなれば…押してしまう、烙印を」

「!」

「だから…俺がその烙印を払拭してやる」


その言葉は…とても温かかった。

今まで言われた言葉の中でも一番、温かさを感じる。


「俺のことを守ろうとしていたんだろう?その時の行動には色々文句を言いたいが…まずはありがとう。だが守られるだけじゃ…何というかダメだろ?男としてもこの学園の生徒としても」


「その恩に行動で返す、だからこそ俺は烙印を押したアナスタシアを倒す!」


ブレードを右手に展開し、握り直した。


(…そうか)


理解した、アイツの…九条春斗の強さの理由を。


(強さも、行動も…全て私や他のみんなの為にも頑張れるからこその強さ…なんだな)


少し聞こえてくる心地よいとも思える私の心臓の鼓動音、目の前に映る男子の背中が魅力的に見えてしまう。


ーーあぁ、コイツが九条春斗なのか。


ーー私が知る必要も無かった感情を教えてくれた…。


ーーこれが…『恋』なのか。


ーーー


偽物のアナスタシアが俺に対して通信で流し始めたアナスタシア・アガポフの過去の数々。

それは…俺のような一般人には分かりえない深くそして暗く重い過去。

教えるだけだったらまだ良かった、だがそれを本人が聞き嫌だとなっても止めないのであればそれを俺は屈辱と捉える。


(ならば…殺す)


ブレードを握り直し、偽物を睨む。


『私は』

「…」


急に立ち上がり俺に向かってナイフを振り下ろしてくる。それを回避し腹に膝蹴り。そのままブレードを振り下ろし後頭部を掴み地面に叩きつけ引きずりながら投げる。


(一応、全校生徒居るから危害が加わらないように気を付けながら戦おう)


『w、たしh…できsこな』

「減らず口を叩くな、まだ足りないか?」

『ギギギギギ!!』

「もう当たらん!」


遂に人では理解できない声を発しながら突撃してきたが、片手で抑える。


「お前がアナスタシアを騙るにしてはあまりにも弱い、そして…もうお前の動きは理解した」


全体的に攻撃は大雑把かつ雑、もうくらうことも当たることもない。

迫撃砲もナイフも振らなくなったコイツは只のアナスタシアの姿を真似た、ただの水だ。


「…!?」


すると急にレオンが粒子化し、俺の後ろへ粒子が飛んでいく。

後ろに振り向くと…。


「レオン、再展開」

「!」


アナスタシアがレオンを装着していた。


「…すまん。手間をかけたな、春斗」

「ん?ま、いっか…どうせ残ったのは只のスライムだろう?なぁ?」

「あぁそうだな」


俺のことを呼び捨てに?なんて思ったけどこの際どうでもいいや、何せクラスメイトだもの。

地面に垂れているスライムに対して二人で並び、見る。

スライムからしたら俺たちはどう見えているんだろうか、まぁどうでもいいか。


「ふん!」


守るものもなくなったスライムに対して思いっ切りブレードを振り下ろすとガラスが割れたような音がなり、スライムは完全に動かなくなった。

てかスライムじゃねぇわ、トレースシステム。


「さてと…戦いも終わったし」


俺は黒鉄を解除し、体育館のステージの上に立った。

そして


「お騒がせしてすみませんでしたァァ!!」


全力全開の土下座をした。


「え、えっと九条君!?」

「待った」


マイクから他の生徒の声が聞こえるが、御影先生の待ったでしーんと静かになった。


「九条春斗」

「…はい!」


土下座したまま返事をする。


「自分自身が何をやったか自覚しているか?」

「はい。AGの無断展開、無許可でアリーナを使い私闘を行いました。ましてはあのトレースシステムと独断で戦い全校集会には遅刻と様々な事をしでかしました!罰は何なりと受けます!」

「自覚しているだけまだましだ。それで?どちらが私闘を誘ったんだ?」

「俺です!」


そこは俺からってことにしておこう。


「…本当か?」

「はい!」

「一応だが理由を聞かせてくれ」

「言えません!」

「…なに?」

「俺とアナスタシアとの個人的な理由で煽ったので言えません!」

「…そうか」


何とか質問等は良い感じにさばけたが問題は、罰の方だな。


「そうなると全面的にお前が悪いと?」

「はい」

「なら貴様に罰を課す。その怪我を応急処置し、グラウンドの外周を40周してこい!」

「分かりました!!」


言われたと同時に土下座を止めて体育館外まで走り、そのまま外周へ突入し走り始めた。


「うおぉぉぉぉぉ!!」


ーーー


「…」


アナスタシアが体育館の中心でさっきの九条の行動に対する驚きで何も言えずぼーっと突っ立っていた。


「アガポフ」

「は、はい!」

「本来、煽ったのはお前の方だな?」

「…はい」

「まぁ今回はアイツに免じて罰は無し、これで課したらあの怒りが私に飛んできそうだ」

「…」


しかし、アナスタシアはクラスメイト達に何か言われるかもしれないと思っていたが。


「まぁ九条君ならやるよね…」

「春斗さんは紳士ですもの、当然ですわね」


意外にもその反応は柔らかかった。


「…いいのか?」

「はい?」

「私は…」

「気にしないでよ、私たちクラスメイトでしょ?それに九条君がアナスタシアさんの為に怒ってたじゃん」

「!」


そう、あの発言の中にはアナスタシアもクラスメイトだと認めていた発言だったのだ。


「まぁ…色々言いたいことはありますが、歓迎しますわ」


フレアやクラスメイト達が本格的にアナスタシアを受け入れ…アナスタシア自身も九条に言ってしまった侮辱の数々を心の中で懺悔しクラスに溶け込めた。


「しかし…あんな全力で走っていったが春斗は大丈夫なのか?」

「どういうことですの?」

「外周40周って軽くハーフマラソンくらいあるぞ」

「「「え”っ」」」


その発言に全校生徒は戦慄した。ハーフマラソンつまり、約20km!!

あんな全速力では普通に後半息切れどころの騒ぎではない。


「…なら見てみるか?」


その提案をしたのは御影先生。


「何をですか?」

「今走っている九条の映像を」

「…」


全校生徒や他の一部の教員も気になっているようだ。


「見させてください」


それを言い放ったのはアナスタシア。


「倒れたりしたら助けに行きます」

「…分かった」


そうして映像が投影された、のだが


『うおぉぉぉぉぉ!!』

「…」


包帯も絆創膏などといった応急処置の痕跡は無く、体育館を走り去っていった時とスピードは変わっておらずむしろ上がっている状態。そして満面の笑みで走っていた。


『残り34周!!』

「…アイツは馬鹿なのか?」

「ど、どうなんでしょう」


御影先生と柊木先生を含め全校生徒たちは、今の九条の状況を見て若干引いており保健室の先生は全力で外へ走っていき九条の応急処置をしに行った。


ーーー


「…はい、電磁パルスを設置しました」


「…いいえまだレオンの『トレースシステム』は起動していません」


「…え、明後日までに!?でも…」


「…わ、かりました」


「…」


体育館の裏で、とある女子生徒が空き教室で項垂れていた。


「…?」

資料集更新

追加内容:アナスタシア・アガポフ 『レオン』


誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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