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インフィニティ・ギア  作者: 雨乃時雨
第三部
114/122

第112話 悪を焼き尽くす日照

ハイエンド対ハイエンド。

エヴォリューション対白夜。

ハイエンド同士の衝突は春斗の蝶が宿っているハイエンドの方が明らかに強い。

動きに統率が取れていて、元のハイエンドよりも機敏に動き回り敵を仕留めている。

対してエヴォリューションと白夜の戦闘はというと。


『がはっ!?』

「遅い!」


エヴォリューションを白い彗星が切り刻んでいた。

白夜の専用武器は焔しかないが、それでも人にとっては有り余る機体性能。

通常のAGの数十倍の力を持つ白夜はあまりにも人が使うにしてはあまりにも恐ろしすぎる。

だが、春斗は違う。

過剰なパワーも、超高速なスピードも、何もかもが春斗に合っていた。

今までここで培ってきた技量、判断…そして『力』。

人ではない力を宿してきた彼にとって人では乗れない機体も、乗れてしまうのだから。


『クソッ!!』

「白夜を盗み、俺の家族を殺したお前たち…ここで終わらせてやる!」

『がはっ!?オイ、mother!何故コイツが白夜を持っている!アレはキャッスルに封印したはず』

『―――』

『な、何故答えない!?』

「当たり前だろう。その答えを消したのは…お前たちだからな!!」


motherからの回答はない。

春斗と関わったであろう記憶も何もかもを消したのは元凶二人。

故に白夜と焔の真実を知る者は春斗のみ。


「己の願いの為に全てを捨てた…お前たちの自業自得だァァァァァッ!!!」

『がっ!?』

「そして…これがお前たちが踏みにじった子供たち、血のつながった娘たちの怒りだァァァ!!」


春斗は焔を納刀し、エヴォリューションの胴体を左腕で掴み持ち上げる。

そのまま橋にエヴォリューションの身体を擦りつけながら進んでいく。


「ふん!」


そして空へと投げ飛ばし、かかと落としで地面に叩きつける。

機体名『白夜』

『型』の概念がそもそもないAG。

今、この世に存在する全てのAGのプロトタイプ。

全ての出力が通常のAGの数十倍もあり、人が操るにしてはあまりにも命取りになる機体性能。

専用アビリティは無し。


(子供たちの方は…大丈夫そうだな、みんな張り切っている)


エヴォリューションを蹴り飛ばした後、春斗が宿らせた方のハイエンドを見る。

それはもう一方的に相手のハイエンドの波を打ちこわしていた。


「…心配ご無用って事か」


焔を抜刀し、炎を刀身に宿らせる。


『九条春斗ォォ!!何故私たちの邪魔をする!!』

「邪魔なんぞしてねぇ」

『何だと!?』

「別にお前たちの計画の邪魔はしてない。俺がやっているのはお前たちの計画の『完全削除』だ。たかが少しの邪魔程度で止まると思ってないしな…お前たちのような『狂人』が」

『狂人…だと?』

「あぁ、人の枠として捉えられる俺の友達たちが可哀そうだ。お前のような人間が存在して」

『貴様…!!』

「ほら、早く来い。お前たちの全てを奪い返してやる」


額や腕に青筋を浮かべて萎羅と枯葉を見下す春斗。

その表情には怒り、殺意、憎悪などの怒りのエネルギーの何もかもを込めた顔をしていた。


『殺してやるぅぅぅ!!』

「…」


キャッスルから巨大なブレードが降ってきてそれをエヴォリューションが拾い、春斗に向けて振り下ろすが。


――ガキィン!


春斗はそれを片手で受け止めた。


『なっ!?』

「呆れるな、こんなので世界を変えようとしていたのか。見習えよ、世界を救おうとAGを作り出した二人を!!」 


血を少し流しながらブレードの刃を拳で打ちこわし、エヴォリューションの腕を無理やり千切り、そのまま千切った腕を武器にし、他の腕にぶつけ破壊する。


『う、腕が!?』


反応しても、もう遅い。

エヴォリューションの足の関節部分を狙った春斗の蹴りが炸裂し、片足が吹き飛びバランスを崩す。

そして焔の柄を握り…抜刀。


――キィィィィン…!


『はっ!?』


エヴォリューションの装甲を斜めに切り裂く。


「ハイエンドの装甲に似ている何かだな、だが…駄作だ。あまりにも弱すぎる」


斜めに切られた装甲をエヴォリューション諸共蹴り飛ばず。


『ぐぅっ!?』

『駄作…駄作だと!?』

「あぁ駄作だ。まだ青葉の方のハイエンドやアジダハーカ、あと…何だ?まぁ諸々を考えても今いるハイエンドやそのエヴォリューションの方が弱い。しいて強いところを上げるなら、そうだな…『ズル』しやすいのと『ズル』しないと勝てないって事くらいか」

『貴様ァァァ!!』

「何故キレる」

『この…新しい世界の神となる私たちに向かって…!』

「ほざくな」

『は…?』


春斗の目がより一層鋭くなる。

本気で殺そうとしている目だ、殺意が宿っている。


「神?笑わせるな、お前たちは神でもなければ神にはなれない。何故か?簡単だ。ハイエンドの中身を見たとき、お前たちのエヴォリューションの装甲を見たとき確信した。ただの駄作、ハイエンドの中身は劣化版インフィニティ・ギアでエヴォリューションの装甲は劣化版ハイエンドの装甲…そんな人の技術を流用し、駄作を作り続ける神が何処にいる」

『黙れ!お前のせいでbutterflyという私たちの最高傑作が』

「アレが?」



春斗の目が鋭い目から純粋な疑問を持つような表情に変わった。

萎羅と枯葉は目の前にいる春斗がbutterflyが最高傑作だと本気で分かっていないと感じ取る。

目撃情報を見ても、目の前にいる青年が赫蝶を操っていたことは確認済み。

となれば…butterflyの素晴らしさを知って何故そんな表情をするのかと疑問に思った。


(な、何だコイツは…!?)


枯葉の思考回路が疑問に覆い尽くされる。

この目の前にいる青年が何を考えているのか全く理解できない。

得体のしれない恐怖を感じる。


「まぁいいか…さっさと潰してやる」


春斗の目がまた鋭くなり、焔を握りしめエヴォリューションに向かって突撃した。


『mother!コアに宿ったお前の意志で動け!自動反撃システム起動!』

『受諾しました』


するとエヴォリューションの様子が少し変わった。

そんなことも気にせず春斗は攻撃を仕掛けるが。


「!!」

『攻撃開始』


いきなり動きが変わり、春斗の斬撃に合わせてエヴォリューションが動き、残った腕の爪で春斗を切り裂く。


「―――」

『ははは!!どうだ!自動で反撃してくれるmotherの力は!ギアに搭載したおかげでmotherの思うがままに動く…』

「なるほど、丁度いいな」

『は?』


絶望したような表情は見せず、春斗は少し笑いながらエヴォリューションを見る。


「エヴォリューション…じゃないな、もう操作をしてないみたいだし」

『―――』

「来い、mother」


春斗は先程と同じようにエヴォリューションに突撃し、焔を振り下ろす。

だがそれも先程と同じようにカウンターを食らい、血を流すが…そんなことも気にせず斬りかかる。

カウンターにカウンターを重ねた影響かその攻撃は当たった。


『な、何…!?』

「motherの自動操縦になったのか何なのか分からないが…とりあえず、攻撃し続ければ壊れるんだろ?」

『!!?』

「ならこのまま攻撃を続行すればいい…!」


血を流そうとも、攻撃を食らおうともひるむことなく焔を振り続ける春斗の姿を見た二人は…。

得体のしれない恐怖と、また『九条』にやられるという焦りに感情が支配されていた。


『ま、mother!早くアイツを殺せ!!』

『承諾』


キャッスルから腕と足の替えが送られてきて、即装着し4本のブレードを握りしめるエヴォリューション。


(何故あいつは笑っている…!!?)


血を流しながら戦う青年の顔を見て二人はある人物を思い出していた。

そう、自分たちの発明の方が優れており劣等物であるインフィニティ・ギアやアーマー・ギアを世界に知らしめたあの愚者たちを殺した際に見た九条克樹と九条夏樹の表情。

頭を撃ち抜き確実に殺した。

しかし、あの二人は笑っていたのだ。即死していたにもかかわらず。

何のために?とはその時思っていた。

今はそれに似た顔の青年があの時の笑顔と同じように血を流しながら刀を振るってきている。

萎羅と枯葉からすれば殺した二人の怨念が刀を握りしめて襲い掛かってきているようにしか見えない。

自業自得なのにも関わらず。

誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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