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第十九話「誘導」
「おい、いつまで歩かせるつもりだ? もう日が暮れて夜になるぞ」
カリマは自分の前方を歩いてる女性に言った。
「もう少しです、あともうちょっと」
自分の勘でおかしいとカリマは思ってきていた。
ピロも自分と小味の後ろを歩いている。
「でも、こんなに長く歩いてるからきっと良い人たちがいるんだろうね。ねっ、カリマちゃん」
「いや、それは……」
小味は嬉しそうにしていたがカリマはあることに気づいていた。
それはピロのテンションである
さっきまでは表情も明るかったが薄暗くなってきた今では元気がない。
何かあるのかとカリマは考えたが全然その答えは出てこなかった。
すると、前を歩いてた女性は止まりこちらを振り返った。
「ここでさよならね」
女性はそういうと地面を足で叩いた。
「え? うわああああ」
カリマと小味は訳が分からず地面の下が開くと同時にそのまま落ちていった。
地上では女性が不気味に勘高く笑っていた。




