第十三話「許嫁」
次の街は砂漠であった。
ここには結界も何もなく普通に他のドラゴンたちも街の中へと入っていた。
「カリマちゃん、痩せたほうがいいんじゃない?」
「急に何を言うのだ」
「だって、その体じゃ大きすぎて街の中だって窮屈でしょ」
「これでいいのだ、ありのままの姿なんだから」
「本人がそれでいいというのならそれでいいけど。あっ!あそこにアイスクリーム屋があるよ、一緒に食べよう」
「子供だな」
呑気にカリマは噴水のところのベンチで待った。
少し離れたところで小味はアイスを買ってる。
「もしかしてカリマ?」
「ん?そういうお前はアイ」
カリマとアイという少女は楽しそうに会話をしている。
それを見た小味は。
「あれは誰だろう?カリマちゃんの友達かな?」
「久しぶりね、こんな所で会うなんて」
「ああ。てっきりドラゴンの姿のままかと思ったよ。知らぬ間に人間になってるなんて」
「驚いたでしょ?ドラゴンの姿も悪くなかったけど人間の姿になってあなたと近づいてみるのもありかなと思ったの」
「だが、お前とはもう終わったこと」
「ふふーん、それが」
「ん?」
小味は買い物を済ませカリマともう一人女性がいる所へ向かった。
「まだ関係は続いてるの」
「はぁ?」
「私とカリマの許嫁」
その言葉を聞いて小味は驚いた。
「えー!?」
「落ち着くんだ、小味」
「だって、許嫁って、あれだよね。えー!?」
「ちゃんと説明するから落ち着け。アイは元はドラゴンだったのだ、そのドラゴン同士の許嫁だったってことだ。だが、今はもうその約束も破棄されて」
「まだ許嫁は続いてるんだなー実は」
「どうやって続いてる?私はあの手紙を炎で燃やしたぞ」
「それを私の父が魔法で復活させたのよ」
「なんだと!?」
カリマは驚いた。
「でも、今はあれ?アイさんでしたっけ。アイさんはドラゴンじゃないからどうやって結婚するんですか?」
「片方が人間でも結婚はできるのよ」
「そうなんですかっ」
「私は許さないぞ」
カリマは反対した。
「どうして?あ。もしかして他に好きな子ができたとか」
そうアイに言われるとカリマは赤くなった。
「うっさい」
「やっぱりそうなんだ、カリマは分かりやすいな」
アイは納得していた。
だが、小味は理解できてなかった。




