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第十二話「解放」
「小味っ、私はお前のこと捨てることはできない」
そういいカリマはベロカの父を離した。
「父上」
ベロカも小味のことを離す。
「小味っ」
カリマは駆け寄った。
「大丈夫だよ、ほんとカリマちゃんは心配性なんだから」
なでなでとカリマの頭を小味は撫でた。
「うっさい」
「ふふふ」
「でも、小味が無事で良かった」
「ごめんね」
カリマと小味は涙で感動していた。
「あのー、おじさん達の出番は?」
ゼロは途方に暮れみんなの様子を見守っていた。
「カリマちゃん」
「なんだ、小味」
「これからも旅を一緒にしようね」
「どうなっても知らんぞ」
「大丈夫、カリマちゃんが助けてくれるから」
「お前はドラゴンを信用しすぎだ」
小味は微笑むとカリマと共に新たな街を求め歩き続けた。
次の街であの出会いがあるとも知らずに。




