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ドラゴンと女の子  作者: ほし
11/33

第十一話「人質」

「くっ、こちらに来るというのか。おい、人間」


「えっ」


「今からお前をさらうのみ!」


ベロカは小味をさらった。

大きなひづめで小味をわしつかみし、宙へと羽ばたく。


「ベロカ!!」


「残念だったな、今からこの人間は我が輩のもの。もらってゆくぞ」


そういうとベロカは飛び去ってしまう。


「待てっ、ベロカー!!」


カリマは慌てて追いかける。


「おじさん達はどうすればいいの?」


ゼロは仲間と共に困り置いていかれた。

宙へ飛び続けるベロカとカリマ。


「キャー、助けてカリマちゃーん!!」


小味はひたすら叫んだ。


「くっ!!先に飛び立った速さでスピードがおいつかない。一体どうしたら」


「やっぱり我が輩のスピードでは追いつけまい。なにせレースで優勝してる我が輩だからな」


何か勝つ策はないかと考えた。

スピードで勝てないというのなら他に何か弱点はあるはずだ。

今日の出来事を考えると、カリマは走るのをやめ止まった。

そして。


「ん?」


「ベロカ、お前は今まで何をしていた?」


ベロカも振り返り止まる。


「一体何のことだ」


「もう忘れてしまったのか、お前の役目を!」


「まさか」


「そのまさかだよ。お前が飛び立ってくれて門番がいなくなった!!」


カリマは後ろを向き元いた場所へと飛び立った。


「待て!!」


「カリマちゃん!!」


小味が最後に叫ぶと何をするのか理解できた。


「うわっ、戻ってきたな、カリマ」


「今はおじさん達の相手をしてる暇じゃない!!」


「一体何を」


ゼロが見守ってる最中、カリマは宮殿を手で破壊した。

人々は破壊の衝撃で逃げまとう。


「魔石は一体どこに」


「カリマ!!絶対魔石は渡さないぞ」


「もう追いついたか。でも、私の勝ち」


カリマはある人物をとらえていた。


「うわあああ、助けてくれー」


それはこの宮殿の王であった。


「父上!!」


何故かベロカは叫ぶ。


「えっ、もしかしてあの王様は」


「我が輩の父上だ。許さんぞ、カリマ」


「人質同士、これでお相子だな、ベロカ」


カリマはベロカの父を握り潰す。


「うわああああ」


「やめてくれ」


「じゃあ、小味を離せ」


「離してやるものか」


「なんだと。じゃあ、お前の父もこれまでだ」


「うわああああ」


「くっ。わ、分かった。離してやる。ただし条件がある」


「条件とはなんだ」


「あの魔石に一切近づくな」


「なにっ」


「あの魔石は我が輩のもの。父上が我が輩のために魔力を入れて育てているのだ」


「そんなの知ったことか。あれは私も必要なのだ」


「じゃあ、この人間を離してやることはできない」


「小味」


「カリマちゃん」


小味とカリマは見つめ合う。


「カリマちゃん、私のことはいいからあの魔石を手に入れて」


「だが」


カリマは今までの小味の思い出を振り返る。


「くそおおおお」


楽しい思い出が頭によみがえり、カリマを困らせる。


「小味、魔石、小味、魔石、小味、魔石」


カリマは迷っていた。

そして。


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