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【】べ い く ど【】

『雲一つない快晴ですが、とても風が強いですっ』


『事務所が吹き飛ばされました!!』


「爆発と炎上には耐性がある事務所だが、強風には弱かったか……」


【今回のアレ、最大瞬間風速は?】


「ニュースでは、時速445kmって言ってたな」


「って、まさかずーはー」


「かなたその肺活量でも、押し留めておくのが精一杯だったんだぞ!?」


【ロフマオがやられて、俺だけ寝てましたなんて、恰好つかねぇだろ?】


「馬鹿野郎……」


「それでお前が死んじまったら、元も子もないってのに」


「まったく」


「ほんと、ここには馬鹿しかいないみたいだね」


「かなたそ」


「僕のロングトーンが、あれで限界だって思ってるの?」


「ま、まさかお前まで」


「なんや、俺氏ィ」


「この程度の相手にビビっとったら、天国の常闇にどやされてまうで?」


「だるさん」


「私も久々に、本気出しちゃうわよぉ〜ん?」


「セラピ〜!!」


「チャイカさん……!!」


【作戦はこうだ】


【あの強風そのものが古参使徒だと仮定した場合、必ずどこかに致命傷となるコアを隠し持っている筈だ】


「まずは、それを探し当てないとだね……」


「せやけど、外に出た瞬間、一歩も動けない程の強風やで?」


【その点は考えがある】


「うわ、クワガタ飛んできた!!」


「クワガタさんが、助っ人なの……?」


「いや、待て」


「こいつ、よく見たら」


「カイロスじゃねーか!!」


『任せロス』


『甲虫王者 カイロス』


【歴戦の王であるカイロスさんに、先陣を切って貰う】


「確かに、この中では一番、歴戦の猛者ではあるが……」


「本当に、いけるのかしらぁ〜ん?」


「一歩も前に進めないレベルの強風だよ?」


『任せロス』


「こいつはイイ目をしとる……」


「問題あらへんで、俺氏ィ」


「でも、カイロスだけじゃあ止めまでは無理だ」


【その点も、ちゃんと考えてある】


『ずにゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!(時空が歪む音)』


「私の出番みたいね」


「お、お前は」


「ハリーとロンは、デキてる」


『魔界学校の優等生 山田ハーマイオニー』


「す、すげぇ、本物だ」


【カイロスが突破口を切り開き、そこへ山田ハーマイオニーの魔術を叩き込む】


「こんな人脈、一体どこから……」


「事務所が吹き飛ばされる程の大ピンチ」


「そんな時こそ絆の力、でしょ?」


「へっ……。泣かせる話やで」


「貴女、イイ女じゃなぁ〜い」


「私の次に、だけど」


【加えて、もう一人】


「まだいるのか!?」


『バリィィィィィィィィン!!(窓を突破してくる音)』


「あの時、お湯を注いで頂いた、カレーメシです」


『即席食品の頂点を目指す若者 カレーメシ君』


「カ、カレーメシ君」


「まだ、食べて貰ってなかったんだな」


「はよ食え」


「ともあれ、これで作戦に必要な人材は集まった」


【カイロス、山田ハーマイオニー、カレーメシ君……】


【そして、俺だ】


「ずーはー」


【心配要らねぇよ、俺氏。お前はそこで見とけ】


「ったく……。心配なんてしてねぇっての」


「報酬はナイススティック三ヶ月分、それでいいな?」


『コッッッ(拳と拳がぶつかる音)』


「腕が鳴るわね」


「あの日の恩義を、片時たりとも忘れたことはありません」


『任せロス』


「私たちも、後方から援護しちゃうわよぉ〜ん?」


「賑やかしなら任しとけ!!」


「ふん……」


「僕もつくづく、馬鹿どもに絆されちゃったみたいだね」


「向かい風をも厭わずに進む、勇敢な戦士たちよ」


「健闘を祈る」


【あいる、びぃ、ばぁっく……】


『同刻 世界樹』


「いやあ」


「まさかたったこれだけの任務で千両も報酬をくれるなんて、ギルドは太っ腹だなぁ」


『風真隊士 村田』


「ま、待ってください、村田さん」


「外は強風……。それに、未確認生命体たちが大乱闘していると聞きます」


「んん〜?」


「なにを言っているんだね、君たち」


「たかが、強風如きのなにを恐れるんだい?」


「僕たちは風真隊士。風の名を背負う我々には、丁度いいお天気模様じゃあないか」


「はっはっは!!」


「あぱッ」


『バッシャァ……(一般隊士がサイコロステーキになる音)』


「な、なんだ」


「外出た瞬間、終わったわ……」


「総員、地下に潜れー!!」


「柱は、柱はまだか」


「このままでは、隊士たちが全滅するッ」


【うぃぃ〜っす……】


「あ、貴方は」


「柱だ、柱が来てくれたぞ」


「これで勝つる」


『屑柱 ずーはー』


「こんこんきーつね」


「ん……?」


「あ、あいつはまさか」


「茶柱か!?茶柱なのか!?」


「ふぃ〜」


「ここらで一服」


「茶葉茶葉」


『茶柱 白上フブキ』


「がおー」


『轟竜 ティガレックス』


「誰だ……」


「私の眠りを妨げる者は」


『Wブレイカー ザガーン』


「す、すげぇ」


「柱が、一堂に会するなんて」


「あ、あれを見てください、村田さん」


「ば、馬鹿な」


「月が……」


「こんなことが、あっていいのか」


『唐突に流れ始める絶望的な雰囲気のパイプオルガン』


「嫌な予感はしていたんだ」


「急な号令」


「駆けつけてみれば、異例の報酬金が出される初級クエスト……」


「そうか」


「その答えが、いま目の前にあるんだ」












































「今年の父の日、エクリプス……!!」

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