【】た ら ー こ【】
『研究学園都市TKB BANオーラ観測所』
「ロフマオに引き続き、ピーナッツ君と交戦中だったコノリが全滅した模様ですッ」
「なんだと!?」
「たった一人で、コノリを葬ったのか……?」
「いずれは、クレイジーラクーンも落とされるだろう」
「また、ロフマオの壊滅に激怒したメスボーイさんが、見事に返り討ちに遭ったという情報も」
「ちひ太郎にばあちゃるさん、おめがブラザーズが応援に向かっていますが、戦況は芳しくない」
「かくなる上は、のじゃロリおじさんを……」
「最終手段だぞ!?」
「まりおさん、それにライフ先生は」
「生えてないから、戦力にならない」
「たまき君とは逆のパターンか……」
「ガッチマンはどうした」
「メキシコの当局と協力して、麻薬カルテルと戦り合ってる真っ最中だよ」
「騒々しいが、大丈夫そうか」
「ふ、不治さん」
「俺に手伝えることがあれば、いつでも呼んでくれ」
『色々と手遅れ 不治葵』
「コノリがやられたか……」
「負傷者は全て、名取メディカルセンターで受け入れてるんだろう?」
『イエス・ニンニン 瑠璃兄』
「バチャゴリは兎も角、渋ハルが戦闘不能なのは困るな」
「どういうことだ、瑠璃兄」
「国家元首である虎畑ロペスは、軍事的衝突を伴わない平和の祭典として、ホロサマを位置付けようとしている」
「なんだって?」
「つまり……。運動会ということか」
「そう」
「それ即ち、ホロライブ運動会」
「その主要な競技こそが、脱衣HOLOPEXなんだ」
「脱衣、HOLOPEXだと……!?」
「パルクールと拡張現実を高度に融合させた都市型サバイバルゲーム、それがHOLOPEX」
「更にそれをブラッシュアップさせたのが、撃たれた部位の衣服が弾け飛ぶ、脱衣HOLOPEXだ」
「街中で脱衣するのか?」
「ホログラムだから、ギリセーフ」
「アウトだよ」
「主催、渋谷ハル」
「酷ぇ風評被害だ」
「何故、急にそんな話が……」
「それは、ピーナッツ君が暴れているそもそもの理由に繋がってくる」
「あ、貴方は」
「いまは地球にいるんですね」
「いや、ずっとTKBに住んでるけど」
『宇宙に住んでいるワケではない ナユタン地球人』
「ピーナッツ君は、取り戻そうとしているんだよ……。V創成期の空気を」
「V、創成期だと……?」
「あの頃のコンピレーションアルバムとか見返すと、面子がえぐ過ぎて心臓が止まりそうになるで」
「お、男兎音様」
『国を作った 男兎音様』
「それって、つまり」
「エロライブを返せ、ということだ」
『タンバリン・マスター かしこまら』
「す、すげぇ……」
「レジェンド級の面々が、こんなに集まってるなんて」
「しかし、現在のホロライブはどんどん規模を拡大させています」
「創成期のようにはいかないだろう」
「いいや」
「俺たちが師匠たちの背中を追いかけてきたように、俺たちの背中を見て育った世代が、あの頃の空気を継承していくんだ」
『俺氏は円堂守世代 響木監督』
「かと言って、脱衣HOLOPEX(主催:渋谷ハル)は流石にハードルが高いのでは……」
「ぎりぎりアウトなことができなくなった時、それは文化的衰退を意味する」
「テレビだろうとネットだろうと、平成だろうと令和だろうと、その本質は変わらないさ」
「そうだろう、弟よ」
『田中工務店は桐生会系のフロント企業 田中』
「きひひッ!!」
「俺ぁ早く、血が見たくて堪らねェよお……。兄者ぁ」
「きひひッ!!」
『転売ヤー絶対殺すマン 鈴木』
「脱衣HOLOPEX(主催:渋谷ハル)の開催が、可能か否か……」
「そんなことを議論しているうちに、Fraさんの痛風は悪化していく一方だ」
『学ランがとても似合う 昨日ちゃん』
「でもほら、まだ一応は生きてるから」
「死んでるけどな」
「はちたやの鼻の傷も、永遠に治らないぞ」
『絆創膏は身体の一部 はちたや』
「はちたやの鼻の傷が化膿するのが先か、Fraさんがなにかしらの持病でくたばるのが先か……」
「死んでるけどな」
「それとも、第二次ホロサマが終息するのが先か」
「俺氏は当惑しているんだ」
「妙に距離感が近い連中ほど、イジりにくいという現実に」
『苗字はどうした 星乃』
「あ、あの人って」
「この旋律は……」
「シャルルの人!!シャルルの人だっ」
「歌い方の癖が強い」
「シャルルの人もまた、変態だからな」
「シャルルの人って、変態なの……!?」
「あんな癖が強い歌い方をする人が、変態じゃないワケないだろ……」
「そして、癖が強いと癖になるは、完全に同義」
『シャルルの人 須田さん』