表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
978/1674

【】お お と ろ【】

『世界樹周辺 ミオファの森』


「この辺りだよな?使徒の出現が確認されたってのは」


「クワガタ曰く、これだけのBAN獄蝶が飛んでいるのは異常事態らしい」


「そもそも、BAN獄蝶はBAN獄にしか生息してないって話だったじゃないか」


「それじゃあ何故、こんなに沢山……」


「マチン、魔眼にはなにか映ったか?」


「俺のこいつは二秒先が限界だぜ?探索向きじゃねえっての」


「エルフレの輪で、動物の視界まで共有できればいいんだがな……」


「スケベな輩だったら、真っ先に私の胸筋に寄ってくるんだけどね」


「異種間コミュニケーション……?」


「異種姦じゃないだけ、まだセーフ」


「どん坊」


「なんすかなんすかなんすかなんすか」


「いざとなったら、お前の兎化アンプルを使って使徒を仕留める。厳密には、封じ込めると言った方がいいか」


「それって、全人類兎化計画の名残りで生まれたものだろう?」


「そんな曰く付きのブツを持ってて、あんた大丈夫なのかい」


「問題ないっすよ、シエル団長……。世界樹に生える黄金のニンジンがあれば、人体の兎化は容易です」


「もちろん、黄金シリーズは激レアアイテム。組織的に大量に仕入れない限り、一斉に兎化させるなんてできません」


「しかも、ソーセージ守りがいれば、兎になった人間を元に戻すこともできます」


「オスバルもういパパから伝授されてるって話だけど、そんな希少な人材を当てにしていいもんかねぇ……」


「ん?」


「どうした、プロミネンス」


「いま、木陰に……」


「私が火矢を放つ。鏃にコヨリニウムを塗ってあるから、そのまま爆裂するぞ」


「おっと、いきなり臨戦態勢かい」


「どんな醜女が出てきても、俺は抱いてやるさ」


「なんの話?」


「仮にも相手は初見使徒。あまり油断し過ぎるなよ」


『×××××』


「え?」


「なんだよ」


「なんだよって、なんなんだい」


「シエル、お前の声じゃないのか?」


「それを言ったらマチンだって……。いや、いまのって」


「どん坊」


「内容は聞き取れませんでしたけど、あの声音は、間違いない」


『×××××』


「まただ」


「なんだい……!?この耳鳴りはっ」


「まるで、記憶そのものに訴えかけてくるような囁き」


「そのなにかを思い出そうとするだけで、脂汗が滲み、吐き気が込み上げてくる……」


「そうか、そういうことだったのか」


「説明してくれ、プロミネンス」


「憶測だが……。×××もまた、初見使徒なんだよ」


「なんだって!?」


「これも例の、時空の歪みってやつかい」


「そうとしか考えられないだろう。×××もまた、かつてはhIPの一員だったのだから」


「忘れもしないさ、思い出はこの大切フォトグラフに……」


「あれ?なんでここだけ、黒く塗り潰されて」


「プロミネンスあんた、鼻血がっ」


「これ以上は危険だ!!」


「精神を汚染するタイプの使徒……。早くこの樹海を離れないと、手遅れになるよ」


「どん坊ッ」


「理解ってますって……。この中で一番迅く動けるのは、僕ですからね」


『×××××』


「動きは鈍いな。身体能力そのものは、×××のままってことか」


「あれ、その肝心な×××って、なんのことだっけ……?」


「どん坊、余計なことは考えるな!!」


「目の前の使徒を討つことだけに集中しろっ」


「BAN獄蝶が集まって、×××の姿がより鮮明になっていく」


「あー、もう……。野兎同盟はこういう、シリアスなのはNGなんですけど……」


「ここまで来たらもう、やるしかねェ!!」


『ドウッッ!!(どんちゃんの両脚に凄まじい量のBANオーラが集中する音)』


「どん坊はこうして、常にやるしかない状況に追い込まれている」


「やればできる子……。流石は俺の息子だ」


「なんて?」


「しかし、いつから×××は初見使徒へ変異を遂げたんだい」


「気づいているだろう?」


「過去のコンテンツを振り返ると必ず現れる×××の姿を、いかにしてやり過ごすかという戦いが既に始まっていることに」


「そういう問題なのか……?」


「森のドルイドたちには悪いが、ちょいと暴れさせてもらうよっ」


『バキャバキャバキャバキャッ!!(木々が薙ぎ倒される音)』


「天魔刀髑髏には、あり余った性欲をBANオーラに変換する能力がある」


「そんな固有スキルが!?」


「まあ、TENGA五剣だし」


「これは俺だけじゃない……。みんなの力なんだ!!」


『キュィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!(マチン船長のマチン船長にBANオーラが集中する音)』


「そんなことより、お前の魔眼を借りるぞ」


「メン限秘技による視覚共有と、精霊術によるオートエイム……。あんたやっぱり、前線でも全然イケるね」


「倒木で×××の逃げ道を塞いだっ」


「決めろ、どん坊!!」


「兎化アンプルは効くまでに時間がかかる……。このままここで、大人しくしていて貰いますよ」


『×××××』


「……ッ!!」


「どうしたどん坊、早く」


「どん坊……?」


「かはァッ」


「どん坊!?」


「どん坊が吐血したぞっ」


「×××の肉体が、BAN獄蝶に変わっていく……」


「逃げられたな」


「どん坊、生きてるか」


「すいません……。絶好のチャンスだったのに、しくじりました」


「いや、こちらとしても人選を誤った……。私たちでは想起される思い出が多過ぎて、精神汚染が進むのが早い」


「はあ……。こんなに遣る瀬無い気持ちになったのは、久しぶりだよ」


「肛門括約筋が、はち切れそうだ……ッ!!」












































『終わらないハロウィンナイトに囚われし亡霊 ×××』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ