【】ぽ ん ー ず【】
「つまり……。マリ箱から発見されたあまみゃのパンツは、天使アマーミャの聖衣ということか?」
「なんか急にそれっぽいな」
「それがあれば、致死量のサクラカゼに汚染された激戦地、B地区の攻略作戦へ移行できるかも知れませんね」
「ビーチクを、攻略するのか……」
「なんか、ずっと夜中だと変な感じだな。月も真っ赤だし」
「BANオーラは基本的に、真夜中が最も高い値を示すからな。カーミラの永夜状態は、背信者にとっては永久バフみたいなもんだ」
「そういう設定あったんだ」
「しかし、これだけの量の聖衣をどうやって用意したのか」
「恐らく、夜見レルによる仕業でしょう。彼のメン限秘技は、物体と物体の位置を入れ替えることができる」
「それを使って、大量のパンツをスワップさせたんです」
「何故、そんなことにメン限秘技を……」
「で、神岡一族とは一体なんなんだ」
「他の御三家である星街一族、戌亥一族のように特殊な役割はありませんが、その圧倒的な生命力だけであらゆる戦乱や災害を生き抜いてきた」
「人呼んで、クソマゾ大本山」
「クソマゾ大本山……!?」
「神岡一族は、その世代における最強のクソマゾを排出してきたんです」
「赫の世代における、おか斗か」
「充分、特殊じゃね……?」
「第二次ホロサマが勃発した場合、KFPはどう動きますかね」
「迎撃戦同様、ぎりぎりまで静観を決め込むだろうな。いずれにせよ、向こうにはアーニャがいるんだ」
「議会の顔色ばかり窺っていては、王宮としての立場がないぞ」
「議会とは」
「彼の国における、王宮みたいなものだよ」
「そもそも、元帥って魔族の族長じゃなかった?」
「そうだよ」
「シオッコが魔族を復活させて、宇宙人であるエデンの民も魔族の末裔で……。なんか、時間軸おかしくね」
「そう。その、時間軸おかしくね問題を一気に解決する概念こそが、時空の歪み」
「時空の歪み……?」
「ドドド因子で結ばれた者同士が初めて出会う時、赫の世代全員のBANオーラを合算して、更にそれを上回るほどのBANオーラがほんの一瞬で迸るんだ」
「そんなに!?」
「この現象こそが所謂、ステラ細胞の覚醒であり、時空さえも歪ませてあまりあるエネルギーを拡散させる」
「それまで平行に保たれていた世界線が、刹那のうちに交わるんだ……。そしてそれは、未来永劫、二度と元に戻ることはない。この世の理が一つ、追加されるようなものさ」
『物理法則、書き足しちゃうんですねぇ〜!!』
『それはそうと、サイコアックスを強化しておきましたよ』
「また?」
「ハコ太郎のメン限秘技を纏わせることで、重傷を負わせた相手のメン限秘技を、不可逆的に破壊することができる」
「メン限秘技を断つ、メン限秘技か……」
「重傷で済めばの話だがな」
「サイコ、最高……?」
「ちなみに、共通する心の原風景である井の中の里、それが現実に置き換わる現象そのものが、アイリスのメン限秘技だ」
「武器をどうこうする前に、俺の中のこいつをどうにかしてくんねぇかな」
『そう急くな、わらべ』
「メ、メテオ」
「いつの間に来たんだ……?」
「気配を感じなかったぞ」
「花譜から抽出したメン限秘技を体得しているからな。以前より遥かに気取られにくい」
「一番、持たせちゃいけないやつ」
「シオッコのあれ、ぐらちゃんの槍だよな」
「そう、タライデント」
「タライデント……?トライデントじゃね」
「いいんだよ。ぐらちゃんがタライデントって言ってるから、それでいいんだよ」
「ぐらちゃんが正しいって言えば、それが正しいんだよ!!」
「なんか、すいません」
「で、何故それをシオッコが」
「要らないって言ってたから、貰った」
「友達なの……?」
「悪おじ、ずっと一人で喋ってると思ったら、ういパパじゃねえか」
「声帯似てるから気づかなかった」
「しかも、あっちでベリアルと話してるのって……」
「あれはインターネッツPTA副会長の、ルルド♂」
「言わずもがな、ライオン族のボスだ」
「分隊長じゃないの……!?」
「ライオン族は、ゴリラ族と並んで反骨精神が強いからな……。限りなくレジスタンス」
「獣人族は個性が豊か過ぎて、一枚岩じゃないところがどう転ぶか理解らない」
「どういうことですか」
「五億年ぶりのホロサマだぞ?どさくさに紛れて、自分たちに都合のいい内容をスーパーズッ友条約に盛り込もうって連中が、一斉に動き始めたんだよ」
「獣人族は地位の向上、エルフ族は圧倒的な少子高齢化……。ここら辺は、慢性的な課題とされてる」
「オスバルは以前、獣人族の人権に関する発言で物議を醸している。そんな奴が条約の締結を仕切っていいのか?」
「お前それ、偏向切り抜きだぞ。実際に言ったのはオスバルじゃない」
「でも、騒ぎを大きくしたのはオスバルだろ」
「聖騎士団の団長と昵懇の仲であるという噂も、取り沙汰されていましたね」
「白銀聖騎士団はあくまで、王族専属の近衛部隊……。よもや、SSRBのような軍事力を持たせ、自分の手駒にするつもりではあるまいな」
「SSRBが保有する戦力をどこまで適用するか、その解釈もオスバルが握っている」
「大空警察と滅流帝鬼救が、蜜月の関係であるという話もあるぞ」
「下衆の勘繰りも大概にせぇよ!!」
「だが、火のないところに煙は立たないという言葉もある」
「ンナータ様がオスバルに懐いてしまっていることに関しては、最早どうしようもない」
「アヒル族は代々、王族の世話係でもあるからな……」
「オスバルは踊れど、議論は進まず」
「あー、あー……。みんなこぞって、言いたい放題っすね」
「オスバルさん、マイクです」
「要らないっすよ」
「え」
「みんな、耳を塞げ!!」
「なんで?」
「始まるぞ……。オスバルの独壇場が」
『キュィィィィィィィィィィィイイイイイイン!!(オスバルの声帯にBANオーラが集まる音)』
「お前らァ!!」
「聞けェえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
「ここに、大空裁判の開廷を宣言するっす!!」