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【】あ お ー さ【】

「クリエイティブの臨界点はなんだと思う?悪おじ」


「それはまた、いきなり抽象的な質問だねぇ」


「それは、人間を創ることだよ」


「人工知能的な話かい?」


「そうとも言えるし、それだけじゃない。仮にヒトと全く同じメカニズムのなにかしらを組み立てたとしても、それは人間を創造したことにはならないんだ」


「ふむ?」


「定義だよ。ここからここまでが人間で、ここを超えたら人間じゃないという、定義。それが明確にならない限り、人間を創ることはできない」


「その一つが、PON係数なんだねぇ」


「その通り。あれは、チューリングテストなんかにも似たものでね。ロボ子さんはPON係数を基準にした初めてのアンドロイドだった」


「呼んでもないのにSiriが起動したり、ルンバの上に猫が乗ってみたり……。そういう想定外の出来事が、先端のテクノロジーに人間らしさを施してくれる」


「ロボ子さんが基本的にポンコツなのも、そういう理由なのかい?」


「そうだ。いや、あれはまた別物……。いや、多分、部分的に、そうだ」


「だから、不知火建設の社長として私がやるべきことは、基準作りなのさ。技術系のことは提携先のこよラボに任せればいい」


「ちなみに、こよラボってどこにあるんだい?」


「鳥取」


「鳥取砂丘は、サバンナだった……!?」


「それで、だ。世界悪おじ保全機構……。通称、WD」


「その会長を兼任している私にはもう一つ、喫緊の課題があってね。エデンの星の元帥が来日……。来星?しているだろう」


「アヒル族を筆頭とする王宮は、エデンの民を含めたズッ友条約を締結しようとしている。改訂と、言った方が正しいか……。そこに、我々WDの存在が必要になる」


「WDとは」


「それも基準さ。ここからここまでがセーフで、ここからはアウト……。ぎりぎり悪くない理由を模索して、みんなで協議して、倫理的な基準を策定するのがWDの目的」


「ぶっちゃけ、それ……。あんまり悪おじ関係ないよねぇ?」


「現状のズッ友条約は五億年前の大戦後に結ばれたものだから、当然エデンの民も含まれていないし、倫理基準その他諸々も古のままなんだよ」


「故に、それではいけませんよと提言する外部の諮問機関が、WD」


「みんな、ここまではついてきているかな?」


「プロミネンス……。そりゃ、私が脳筋だと知っての発言かい?」


「君はそのままでいいんだよ、シエル。雰囲気だけ察してくれれば充分なんだから。むしろ、細かく詮索される方が困る」


「なんか釈然としないねぇ……」


「基準がどうとか、面倒臭ぇ……。宇宙人だろうがなんだろうが、纏めて抱いちまえばいい話だろ?」


「マチン、君も本当に相変わらずだな……。まあ、人を作るという観点においては、最も一般的な方法ではある」


「宇宙人類とのハーフか……」


『日進月歩な技術革新。目覚ましいその発展に追い越されないよう、生命倫理や法規制もアップデートしなくてはいけないのですねぇ〜』


「ココロがマトモなこと喋ってる……」


「忘年会ぶりだな、プロミネンス」


「座長か」


「元帥に披露した新ネタ……。正直、どうだった」


「今日も普通に……。楽しかったよ」


「そうか……。普通か……」


「いいんだ。お前が楽しんでくれたなら……。それで、俺は」


「ベリベリ、ハッピー!!ベリベリハッピー!!」


「それからもう一つ、不知火グループが取り組んでいる前人未到のプロジェクト……。それが、BANオーラによる永久機関、仮称バカタレーションの開発だ」


「それはまた、バカタレな理想を掲げたもんだねぇ……」


「悪おじ。黒上から抽出したコンコンビーツを君に渡したのも、その一環なんだよ」


「バカタレーションが実現すれば、世界のエネルギー問題は一気に解決する。まあ、相当SFじみた話だがね」


「私にはもう、最初から殆どSFの世界だけどね」


「ここまでくると、最早趣味の領域……。いや、そもそも家業を継いでしらけんの社長をやっているのも、最初から趣味みたいなものなんだよ」


「そうなのか?」


「世の為、人の為……。日夜、不知火グループの為に駆け回っているのも、完全に私利私欲さ。何故なら……」


「みんなの幸せこそが、私の幸せなのだから」


「プロミネンス、お前……。ロクな死に方はしないぞ」


「君も似たようなものだろう?座長」


「社長って割と、ノリと勢いでぶち上げてる節、あるよな」


「というか、それをカバーする為に私たちがついていってるというか……」


「それもまた、社長の器なんだろ。知らんけど」


「先刻ご承知だろうが、不知火グループを統括する不知火建設が倒産した場合、この国のGDPそのものが爆発する」


「爆発する……!?」


「それはやばいねぇ」


「そうならないよう、今日も元気にお仕事お仕事……。おっと!!もうこんな時間じゃないか。しらけんの社長ともなると、毎日がエブリデイさ」


「すごい高そうな時計をこれ見よがしにっ」


「っていうか、通常業務どころの騒ぎじゃなくない……?」


「大阪に襲来した古参使徒が、既にドドドタウンの結界を突破したらしい」


「マジか!?この場所は、初見使徒の被害を全く受けてなかったのに……」


「だってほら、京都って基本的に、初見さんお断りじゃん」


「古参、強ぇ〜……」


 
































『元帥を乗せてきたあくあマリン号が、炎上していますッ!!』

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