【】み ー と ぼ【】
『大空警察の良心 警部』
「本当ですか!?滅流帝鬼救と、大空警察が協力するって……。仮にも、相手は族ですよ?」
「知らんよ……。俺が決めたワケじゃないし。上に文句が言えるくらい、頑張って俺より偉くなってくれ」
「はあ……」
「ドドドタウンと合致する場所は……。京都だね」
「そこに、不知火建設の本社もあるんだ」
「こんばん、ド、ド、ド」
「悪おじか。よく来てくれた」
「早速で悪いが、こいつを試してみてくれ」
「これは一体……。なんだろうねぇ?プロミネンス社長」
「しらけんとこよラボの研究開発チームは、既に未知なるメン限秘技の創造、及び商品化まで漕ぎ着けている」
「それは記念すべき第一号、コンコンビーツさ」
「まあ……。全ての人間に適性があるワケではないがね」
「レッドハート、ライオネスプライド、そしてコンコンビーツ……。全員、悪おじを狩る側なんだよねぇ」
「天牙羊蹄拳は、弱者の為に編み出された拳法……」
「羊毛の如き柔らかさで相手の攻撃をいなし、ジンギスカンの如き灼熱の一撃を喰らわす」
「ヘルエスタから出港するあくあマリン号は、南北の最果て、リューキューからユニーリアまでを繋いでいるんだ」
「そして、世界樹を基点として、東西の要所である王都とギャングタウンを結ぶのが、そらトレイン……」
「なんだけど、その様子がちょっとおかしくてさ」
「またクーデターか!?」
「いや……。今回は、ボイコットです」
「あん肝に募った社畜たちの魂が、みんなの心を揺るがしたんだ……!!」
『ミン ナ デ 休 メバ 怖 ク ナイ』
「エデンの星の元帥が、地球へ降り立つのか……!?」
「向こうは、宇宙空間を行き来する艦隊を所有していますから……。そんな軍団で来られたら、どう見たって地球侵略の構図になってしまう」
「では、どうするんです」
「横濱に泊まっているあくあマリン号を、宇宙戦艦に改造しました」
「ふぃ〜……。この部屋、暑くないですかな?」
「ユキタミさんっ」
『ラミたん命 ユキタミ』
「なんだ、あの巨漢は……」
「あくあマリン号の改造で、主任エンジニアを担当したユキタミさん」
「ラミィのTシャツが、いまにもはち切れそうだぞ……」
「ちなみに、SSSを構成する幹部の一角を担っている」
「あんたが噂の、黒上……」
「滅流帝鬼救は当然、レジスタンス側なんだよなァ……?星街メテオ」
『常闇ファミリーのお通りだァ!!』
「なんか、人数減ってない?」
「結局、三割くらいは夏色ファミリーに流れたから……」
『ホロサマを、返せーッ!!』
『ホロサマを求める人々が、暴徒と化して王宮に集まっていますっ』
「いま、そんなことしてる場合か!?」
「まずいですね……。ただでさえボイコットなのに、更に交通機関が麻痺している」
「だが、元帥が到着するのは王都だろう?」
「いいえ……。ギャングタウンです」
「なにィ!?」
「なんでも、麺屋ぼたんで珠玉の一杯を味わってみたいと……。元帥は、エデンの星きっての食通なので」
「おいおい……。下手すりゃその一杯に、二つの星の命運が懸かってるぞ」
「なんだこりゃ、首に……。天使の輪っか!?」
「外れないっ」
「始まったね……。大天使、アクターンによる浄化が」
「この輪っかは、天使族への反抗的な態度が悪化すると締まっていき、最終的に真っ赤な噴水を演出するんだ」
「そりゃまた随分と、小粋な趣向ですこと……」
「で……。なんで、天使族である僕にもこれがあるのかなぁ?」
「やはり、あの時……。追放ではなく、私が直接葬っておくべきでしたね、穢らわしき堕天使よ」
「予防接種とか、幼児期の検診とか……。そういう段階で、共通の幻覚を視せるなにかしらのアレを、脳味噌に植え付けることは可能ですよね?」
「陰謀論も大概にせぇよ!!」
「そうっすよ……。こんな話、誰も容易には受け入れない」
「簡単に肯定できないってことは、同時に、完璧には否定し切れないということでもある」
「まるで、生ぬるい春の風のようにね……」
「常夜状態……。カーミラか」
「丁度いいじゃなイカ……。星座を描くには、広大な夜空が必要だからね」
「空中に、ドローンで魔法陣を構築しているのか……!?」
「シオッコの奴……。考えたな」
「さあ、再びシャ・ル・イースの旋律を奏でるのです……」
「このギャングタウンに集まった人々、その心に、共通のドドド因子が刻まれることになる」
「たった一夜で、五億年後の世界を創り上げるのです……。いつだって、世界は心躍る方角へ!!」
「ああいうイカれた輩が目立ってると、同じくイカれた連中が黙るから助かるんだよなぁ……」
「王都からギャングタウンまで、大空警察が先導する!?族の暴走をですか!?」
「至上主義アドトラックの運転は、千代男が担当する」
「宜しくオナしャあす!!」
「ルイ兄は?」
「俺はバイクで並走する……。メテオ、お前は俺の後ろに乗れ」
「で、千代男の助手席には……」
「ンナータが乗る席は、常にファブリーズされていなければならない」
「黒江さん?」
「この映像、どこか妙だな」
「エレベーターに乗っていた女が、突如として消える……。心霊系によくある、フェイク映像でしょ」
「だと……。いいんだがな」
「アキガンガーに搭乗するのは、俺が最も相応しい……。異論、ある奴いるか?」
「ム、ムキロゼパイセン……」
「残念ながら……。これは、TVショーではございません」