【】し ろ く ま【】
「元帥殿っ」
「吾輩たち、エデンの民は元々……。遥か太古に、お主ら人間たちが齎した生命が起源になっているのだ」
「そんな大昔に、エデンの星へ到達できる程のテクノロジーが……?」
「そもそも、その頃って人類存在してたのかよ」
「いっけー!!ココJr.っ」
「結局また、大怪獣バトルですね……」
「いろは……。俺はあの、時間を遡行してきた軍を退ければ、物言わぬ刀に戻る宿命にある」
「そんな……。チャキ丸殿!!」
「だが、あの時間を遡行してきた軍から令和の世を護るには、俺はこの刀を振るわねばならない」
「どうか、俺のことを……。覚えていてくれ」
「チャキ丸殿ぉ……!!」
『いい加減にしてくれ……』
「黒江さん?」
「妙ですね。この辺り、霊道になっている割に、殆ど気配を感じない」
「ああ……。そうですか、これは納得ですね」
「どういう意味ですか?」
「あの扉、うっすらとですが……。神椿教団の紋章が刻まれています」
「活動に支障を来さぬよう、雑多な霊魂は祓い、清めてあるということですね」
「カーミラ様、お許しを……」
「なんで、人間族如きが貴族階級に蔓延ってるワケぇ?」
「無理もないじゃなイカ……。魔族は、永い間封印されていたのだから」
「そういうあんたは王族だし、天使族も復活してるし……。おまけに、あの夜空メルとかいう吸血鬼」
「真祖としては、彼女の方がメジャーなんじゃなイカ?」
「ふん……。いまに見てなさいよ、最も高潔で、純潔で純血な真祖が誰なのかを」
「天牙老師も、羊族だったんですね」
「我ら羊族は、常に狩られる側の立場……。故に、生き残る為に技を磨いてきたのだ」
「それが、天牙羊蹄拳」
「戦場で生き残るのは、最も臆病であったものだ……。恐怖を知っていることが、なによりも大切なことだからな」
『このデータ……。実に興味深いですねぇ〜!!』
「これは……?」
「自律型のスーパーコンピューター、ココロです。少々、変態ですが……。ときの教授の役に立てると思いますよ」
「少々、変態なのか……」
『なんと!?こことここが、くっついちゃうんですねぇ〜!!』
「俺はただ、紛れるだけだ……。複製として、影として……。もんざえもんの、偽物として」