【】ば ん ぺ い【】
「妙だな」
「どうしました?みこちの配信に、なにか」
「あれは、マイクラを遊んでるんじゃない……。マイクラに遊ばれてるんだ……!!」
『明日の天気は、アジフライが降るでしょう〜』
「狛犬が、こまいんだもぉ〜ん!!」
『両者見合って……。対局開始っ!!』
「馬鹿な……。一手目で龍を動かしただと!?」
「どうした?この程度で怯まれては困るな……。こちらは、敢えて玉を取らずに残しておいたのだから」
「お前……。なに勘違いしてんだ?」
「なにィ?」
「あの両者、どこか様子がおかしい」
「ていうか、対局中に喋り過ぎだろ……」
「見てみろよ……。お前の胸元」
「ばッ、馬鹿な!!」
「私の玉が、何故こんなところに……」
「知ってんだろ?勝負ってのは、礼を交わした瞬間に終わってんのさ」
「あ、あり得ん……」
「先手、場外!!」
「ほほう……。場外での決まり手とは、私も久々に見ましたよ」
「きひひっ……。楽しくなってきたなァ、兄者!!」
「弟よ……。そのバールのようなものは、くれぐれも対局以外で使ってくれるなよ?」
『これはまだ、血で血を洗う弔い合戦の、ほんの序章に過ぎないのだった……』
『新しくできた焼き肉屋に来ていますが、既に吹き飛ばされています!!』
『新人作家の登竜門 俺氏賞』
「え〜、まずね、インターネッツでしこしこと活動を続けていること。最低でも、五年かそこらかな……」
「創作活動ってのは、性癖が尖ってる方が面白いから。羞恥心との闘いだよね。その葛藤に、みんな魅了されるって訳」
「それから〜……」
「きひひッ、御託はいいから、早く選考を始めようぜェ!?」
「拙者、無駄な人斬りはしない所存故……」
「がははァ!!どいつもこいつも、みみっちぃ奴らばっかだなぁ!!」
『刹那、俺氏は悟る。今夜の鍋焼きうどんパーティーには、出席できないかも知れないと』
「俺氏、遅いね……」
【あいつのことだ……。心配ねぇよ、たそ】
「うん、きっとそうだよね」
『ずにゅぅううううううううううん!!(空間が歪む音)』
【何者だ!!】
「あ……。佐川です」
「それ、僕が頼んだ冷凍ズワイガニの詰め合わせだ」
【お前……。最高かよ!!】
『その日は、呑めや騒げやの大騒ぎだったという』
「俺氏は……。もう誰も、注文した寿司が来ないことで悲しむことがない、そんな世界を作りたいんだ」
【俺氏……!!】
「スタテンの絆を……。バットで、どーん!!」
「こちら、ミラノ風安倍川もちでございます」