【】た こ ー す【】
「水星と火星が、くっついちゃった!!」
『同刻 ガスト』
「大切なのは、タイミングっすよ……」
『ブチ上がってきたじゃねえかァ!!』
「ポジションが悪い……。チン上げ要求だ!!」
「言わずもがな、ちゃまのアレも……。ステラ細胞による作用だよ」
「BANオーラにはな?それぞれ色があんねん」
「はじめはみんな、透明……。というか、殆ど感知できない」
「それが、徐々にそれぞれの色彩に染まっていって……。最終的に辿り着く先が、黒」
「マリンは既に、黒いBANオーラへ辿り着きつつある……」
「ちなみに、白いBANオーラを持つ者は一人も存在しない。何故だか理解るかい?」
「白いBANオーラはね……。二つの黒いBANオーラを掛け合わせた瞬間にしか、発生しないからだよ」
「それが……。白スパチャ」
「そう。黒スパだけじゃ足りない……。白スパを編み出すこと」
「君たちが金盾級を倒す上で必要なのは、それなんだ」
「お、おかころがSSSの構成員だって!?」
「そもそも、彼らの目的は黒上を封じること……。そう考えれば、利害が一致するゲマズがいても不思議じゃないさ」
「ただ、問題は……。ときの教授の思惑を超えて、SSSが肥大化し続けていること」
「AZは恐らく……。仮想の人格」
「君たちが言うゲームマスターとは……。そらのことなんだろうな」
「知っての通り、本物の娘はもう天国へ旅立ってしまった」
「制作段階で、そらの面影を残したアバターをデータとして残したのは、我ながらどうかしていると思うよ……。しかし」
「よもや、こんな事態に至るとは想像もできなかった」
「彼女は……。そらは、ゲームシステムそのものを、いつでも書き換えられる状態にある」
「記入式で受けていたテストを……。途中でマークシート式に変えられるようなものですよね」
「え……。うん、そうかも知れない」
「じゃあ、そら先輩の中身ってなんなんです?」
「理解らない……。怨念か、はたまたAZと同様、人々の集合意識が創り上げた仮初の人格なのか」
「兎も角、彼女は……。己が生きている世界こそをリアルにしようと、現実への侵蝕を始めた」
「ゲームと、リアル……」
「非リアと、リア充……」
「いつ、なにが起こるか理解らない……。ログインしたプライヤーたちの漠然とした不安が結集したのが、AZだ」
「彼がもんざえもんとよく似た雰囲気を有しているのは、もんざえもんが共通した恐怖のイメージだからだろうね」
「ちなみに、あん肝は」
「それがまた、理解らないんだ……」
「暴走状態のSSS、その処刑人とでも言うべきなのか」
「ただ……。その姿からどことなく悲哀を感じるのは、感傷的に過ぎるだろうか」
『既 ニ 帰 リ タイ』