【】こ ぶ だ い【】
「言いたいことは理解ってる……。出国の手続きだろ?」
「できるのか?」
「偽造パスポート、それからうまい棒……。亡命にはこれが欠かせない」
「チーズ味か……。王道だな」
「これじゃなきゃ駄目なんだ。仮に他の味だった場合……」
「どうした?」
「入管です。パスポートと、うまい棒の提示を」
「これは……。当局では、めんたい味の方は対応致しかねます」
『こちら二番ゲート。ああ……。すぐに増援を頼む』
「鳩の奴らがやらかしたか……。仕方ない、強行突破するぞ」
「おいおい、マジかよ!?」
「ついてこい、ちゃまっ」
「どうなってんのよ、かなたーん!!」
『これは、まだ物語の序章に過ぎなかった……』
「すいせい、あの能面の連中は?」
「あれが、星詠み……。星街一族の直系である私を、是が非でも取り返そうって魂胆ね」
「魂胆って……。お前が呼んだんじゃないのかよ」
「彼らは、いついかなる時も、一族を守護する為に動く。自我を殺しながら……。条件反射みたいなもんよ」
『ご覧ください!!原宿に集まった女子高生たちが、みな一様に土下座していますっ』
「あくたんを、崇拝してるんだ……。大天使ともなると、その恩寵は計り知れないからな」
「お前ら、今日は俺の奢りだ!!」
「ヨーソロー!!」
「一味の奴ら、いつも景気が良いな……。でも、ジョッキをぶつけ合うのだけは勘弁して欲しいな……」
『それ逆じゃない?』
『ちゃんと地図見て』
『結構前から、有識者ニキが言ってたよ?』
「35P、いつも大変そうだな……」
『群衆の反応というものは、実に興味深いじゃなイカ……』
「シオッコ……」
「我々はこの配信を追う。B班はそっちの配信を切り抜いてくれっ」
「了解っ」
「同じ時間帯に、配信が三つ!?どうなってるんだ、博士の身体は……」
「点呼ォ!!」
「はいっ!!」
「いい返事だな……。今日からお前は、着火済みだ」
「あ、ありがとうございますっ」
「でさぁ、そん時ラミィがさぁ」
「観てた観てた、あれウケたよな」
「あ……。やべっ」
「な、なんでもないです、ころさん」
「ころねすきーも、大変そうだな……。ころさんは、一切BANオーラを乱さず移動できるからな……」
『納 税 シ タク ナイ』
「ろぼさー……?」
『同刻 ミオファの森』
「ミオしゃー」
「ミオしゃー」
「はいはい、ちゃんと順番に並んでょおー」
「ハトタウロス?」
「なにか……。妙な気配を感じる」
「β版に紛れ込んだ、最悪のプレイヤーキラー……。それが、AZ」