愛の巣、つくろ♡
さて。
まずは、【掌打四十八手】。
相手の【霊言師】に与える一撃を、全て、致命エフェクトに変換することができる。
それから、【悪童的共通言語】。
この連載を読んでいることを告白すれば、自分が既に玄人であることを、周囲に証明できる。
ご自由に、お使いください。
「でな、俺の亡くなった祖父母はな、婆ちゃんが三人きょうだいの末っ子で、爺ちゃんが五人きょうだいの長男だったんよ。で、晩年の婆ちゃんは病気で、ほとんど意識が戻らないまま、爺ちゃんより十年くらい早く、亡くなっちゃったんよ。で、幼かった俺の人格形成には、そのことが、どおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおしても、納得がいかない棘として、突き刺さってんだよ。お前が解決すべき課題として、とっといたんだよぼけ孫が、って、あの世から圧をかけられてるようにしか思えんのよ」
「はあ」
夜、
焚き火を囲みながら、帝と鑑。
「子供は鎹、って言うけどさ、要するに、その子供が大人になる頃にゃ、その鎹って、外れちゃうのよね」
「あの、重いです」
「要するにな、右も左も理解らねえお前みたいな糞餓鬼に、甘くして、甘やかして、それから搾取して、蹂躙するような奴は、【運命の心臓】と結ばれて、大団円!めでたしめでたし。みたいな、糞つまんねえ人生すら、歩めないんだろうなって、そういうことなんよ」
焚き火の火で魚を焼きながら、帝は続ける。
空には、満天の星。
「俺はな、キョロ充なんだよ。仲間がいないと、寂しくて死んじゃう訳。だから、俺だけ先に死んでみんなを寂しくさせるなんてことは、死んでもできないんだよ。これぞ、【末子的生存本能】」
「魚って、骨が多いから嫌いなんだよな」
そんで、
「この連載も、中学生と高校生が、青春を乗り越えるまで、つまり、最低でも三年は続けなきゃならん。それが、俺たち【戯言師】に課せられた使命、【宇宙収縮三年時計】、だ。それまでは、些細なミスは【戯言】でぶっちぎればいい」
「大人って、都合がいいんだな」
「お前、姿ちゃんとの関係値はどれくらいだ」
「パンチラが二回、ブラチラが一回」
「色は」
「パンツは王道の白。ブラは意表を衝く……。黒」
「理解ってるな……。姿ちゃん、なかなか理解ってるな」
鑑は、流石に帝が選んだだけはある、
弟子だった。
「だがな、お前は姿ちゃんとの間に横たわる果てしない、マリアナ海溝よりも深い断絶、即ち、【持続可能性国境検問】を突破しなくてはいけない」
「どうすれば」
「決まってるだろ。努力だ」
「努力」
「いいか?いつもふざけ倒してるお前が、不意に見せる真面目な表情に、世の中の女は撃ち落とされる訳だよ。俺も興奮する」
「ゾンビだ!!」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
ここ、【無辺の箱庭】には、
ゾンビだの歩く骸骨だの、
爆発する緑色ちんこだの、様々な怪物が歩き回っている。
だが、
帝は、一切の【本懐】と、【火花】を使わない。
「復帰地点、ちゃんとベッドにしといてよかった……」
ゾンビに喰い殺された帝が、残りの焼き魚を食べに帰ってくる。
「そして、これは意外に思うかも知れないが、女子ってのは男子の視線に、異様に敏感だ。奴らは、こちらの動向を瞬時に察知し、直線的な攻撃はほとんど、いなされてしまう」
「そんな……。一体、どうすれば」
「答えは簡単。懐柔作戦が機能しなくなるまで、何度でも、攻撃すればいい」
「でも、しつこいと嫌がられるんじゃ。下手すりゃ変質者だ」
「全力で玉砕すれば、悔いは残らん。復唱しろ」
これは、俺たちを【運命の心臓】にまで導く、
標語。
「下手な匂わせ、拗らせの原因」
「下手な匂わせ、拗らせの原因」
「不安を孕むな。子供を孕め」
「不安を孕むな。子供を孕め」
「夢は大きく。まんこに優しく」
「夢は大きく……。これってぎりぎり、虐待じゃない!?」
「まだまだ若いな……。【童貞永劫回帰】の軛から解き放たれるのは、まだまだ先なようだ」
そう。
全国の、まんこたちよ。
俺の息子を救えるのは、お前らしかいないんだぜ。
自ら股を開かずして、相手に股を開いてもらえると思うな。
「朝になったら、拠点を……。って、待て」
「なに」
「地震だ!!」
「え!?」
「シェイプアウト訓練だっ」
「いや、それ……。おじさんの体が、揺れてるだけだよ」
「鼓動にさ、つい、乗っちゃうんだよ。ジュークボックス、雰囲気、出るだろ?心、踊らせてけよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「やめろ、離せっ」
「なあ」
「なんだよ」
「【大災害の夜】は、必ず、訪れるらしいぜ」
「え」
不意に、帝は真面目な表情になる。
これで、鑑も、
イチコロ、ってこと。
「お前は、その日を、誰と過ごすんだ?」




