【】ね ぎ し お【】
「仮に、かなたんの元の肉体を中田姓だとして……」
「ママーテが、中田氏の出生に関わっているということですか?」
「堕天使の器だぞ?何故、五億年も霊体で彷徨っていたかなたそに、都合よく依代が現れたのか……」
「その海戦で、マリンの肉体は海底に沈んだ」
「もしそれが本当なら、ドクロ君は……」
「あんたの身体、ちょいと船長が借りるよ……。沙花叉クロヱ」
「一番貸したくない人なんですけど!!」
「地下帝国に張り巡らされた、マナによる高速交通網……。そらトレイン」
「伝説のレディース……。滅流帝鬼救の再結成だ!!」
「桐生会の残党だと?」
「再び、夜の帳が!?」
「でも、よっさんはもうっ」
「言っただろ……。吸血鬼の真祖は、よっさんだけじゃない」
「姫、どうされました!?」
「左眼が、痛ぇのら……!!」
「三日月が、紅く染まった」
「徳川埋蔵金!?」
「アーサー王伝説か……」
「神椿の落胤……?」
「奴隷として扱われてきた、獣人族の抑圧に塗れた歴史……。それは、仮初の馴れ合いで拭えるものではない」
「清楚って一体……。なんなんだよ!!」
【その時は……。俺を殺せ】
「シオンちゃん?」
「綺麗は、汚い……。汚いは、綺麗」
『BGM なんかいい感じのラフマニノフ』
「初代メイジ・オブ・ヴァイオレットの名前は……。シオッコ」
「鬼神の末裔、大天使の生まれ変わり、そして王族の血を引く者……。全ては、偶然ではない」
「なんだあ……?このジジィ」
「師範!?」
『ここは少々、無茶をさせて貰うぞ……』
「最悪だ……。最悪が、蘇ったんだ」
「シオンの身体が、シオッコに乗っ取られた!?」
「あれ、団長のメイスは?」
「私の斧が、ない」
「余の刀が……!?」
「ほうきも!?」
「チャキ丸ッ」
「カブトムシまで!?」
「クワガタもいるぞ!!」
「みんな、喧嘩はやめてょお!!」
「己が信念の為、穢れを清めんと血で血を洗う……。美しい、実に美しいじゃなイカ!!」
「なんだあいつ……。イカれてんのか?」
『黒上……。君にだけは言われたくないと思うよ』
「あらゆる武器が、空間転移でシオッコの元に集まっていく……!!」
「ハトタウロス様ッ」
「まだだ……。まだ手を出すな」
「化け物だ……」
「もう、私たちが介入できるレベルじゃない」
「ドドド因子に導かれし者たちは……。強者から、より強者へ」
「当然だが、シオッコの分類は金盾級を優に超える」
『くるよ、黒上』
「見りゃ理解んだよ!!」
「もっと……。美しい旋律を奏でてくれ」
「災いとは、まさにこの景色を指すのですにぇ……」
「巫女様?」
「今宵、この地が井の中の里となりましょうぞ」
「世界は廻り……。やがて、私のものになる」