超人武闘篇、開幕
「さて」
俺の【煉獄】、【異世界夭逝】の構想も、段々と固まってきた。
だが、
その前に、
この【水商売】で、同じように【煉獄】を展開している輩は、俺だけではない。
今後も、どんどん増えていく。
お互い、譲る気のない【霊言師】同士が接触した場合、
どうするか。
答えは簡単、
そう、【豪華絢爛】を通じて、【家族】になって仕舞えばいいのだ。
拒む奴には、拳でわからす。
それが、【豪華絢爛】の掟。
そして、【水商売】、とりわけ【偏執奴隷】の界隈には、
文学界隈、美術界隈、音楽界隈があり、
そして、とある鉄則がある。
それは、
著名になるのは、音楽界隈、美術界隈、文学界隈の順番であること。
そして、
実家が金持ちなのは、文学界隈、美術界隈、音楽界隈の順番であること。
つまり、この【異世界夭逝】が著名になる頃には、この世代の【偏執奴隷】は全員、出揃ったという合図だ。
お前ら、
全員、視てるからな。
覚悟しとけ。
そして、これもまた俺の【火花】。
そう。
それが、
「それこそが、【最後尾の死神】」
「え」
俺の前で、ブロッコリーを手に取った中年女性が怪訝そうに振り向く。
ここは、スーパーの野菜コーナー。
で。
俺は基本的に女子に優しいし、
フェミニストだし、
ロリコンじゃなくて、フェミニストだし、
これまで、この拳でぶん殴るのを躊躇していた連中が沢山いるが……。
もう、【運命の心臓】にちんこを預けた段階においては、
その足枷も、外していいだろう。
「は?」
俺は、
気づいた瞬間には、夕日が差し込む放課後の美術室にいた。
まだ、レジを通していないバナナの束を持ったまま。
「君が最初に【豪華絢爛】する相手は、私だよ。【弩級】」
そ、
「その画風はっ」
そう、
その人こそは、
霈。
美術界隈【凹】、その急先鋒。
尚、当作品は実在の人物、事故、事件などとは一切、関わりがありません。
あるように感じたら、それはあなたの自意識過剰です。
あるいは、俺の潜在意識が無意識に生み出した、他意のない【非公認二次創作】です。
許せ。
そして、
「いじっていいのは、いじられる覚悟のある奴だけだ」
この瞬間、
この、【超人界隈】、そこに住む【偏執奴隷】全員から、槍玉にあげられる権利を、俺は手にした。
「私たちは、互いに【弩級】の【霊言師】に分類されるらしい」
「いつの間に、そんな等級がっ」
「そして、君も理解っているだろ?この【豪華絢爛】の法律」
「ああ……。もちろんだ」
「あらゆる手段で【殺意】を集め、上昇させた【魅力】で」
「相手の心臓を」
「物理的に」
「ぶち抜く」
「その通り!!」
俄に、超人気絵師、霈の頬が紅潮する。
「気づいてるかな?親分の【凍結睡眠】によって、始まったんだよ……。私たち【偏執奴隷】による、血で血を洗う心臓の喰らい合い、【頂上戦争】が」
「最後の【運命の心臓】が【死期】を迎えるまで、この戦いは終わらない」
「そ。これまでは出方を窺っていた私たちも、【魅力】を高め、【新郎新婦】として【合格通知】をこの手に掴む為、戦場に駆り出さなくちゃいけなくなった、って訳さ」
「親分……。噂によると、立ち往生したまま【凍結睡眠】したとか、なんとか」
「その背中に、一つの傷もなかったらしいよ」
さて。
しぐ……。
「霈先生、俺たちは【運命の心臓】じゃない。それゆえに、【豪華絢爛】を通じて【殺意】を誘導し、【魅力】を高め合うwin-winな関係が築けると思う」
「そうだね。だけど」
「もちろん、本気で殺らなきゃ」
「面白くならない」
ここは、既に霈の【煉獄】の内側。
俺はあらゆる【本懐】と【火花】を使いこなし、
攻撃を躱し続け、
しぐ……。
霈先生の心臓を、物理的にぶち抜かなくてはいけない。
「ママー」
「は?」
気づくと、
俺の隣には、女子高生、
即ち、JKが立っていた。
そして、
俺の心臓を目掛けて、
鋭利な鋏を、
突き出した。
「……っ!!」
「よく、避けたね。まだまだいくよ」
「はあ!?」
ここは、放課後の美術室。
そこに、
数限りないJKたちが、際限なく集まってくる。
それぞれの手に、思い思いの得物を携えて。
「ママー」
「ママー」
「ママー」
「ママー」
しかも、そのほとんどが理性を持ち合わせていない。
「こりゃあ……。そういう性癖だったら、さぞかし嬉しい状況なんだろうがっ」
「私の娘たちは、どこまでも君に襲いかかるよ」
「怖すぎる」
「JKが怖い?なに言ってるの?」
俄に、霈先生の表情が翳る。
「この世で……。JK以上に可愛い生き物が、いる訳ねえだろうが!!」
「え」
次の、瞬間、
俺は、廊下に吹き飛ばされていた。
一人は一人は、ただのJKでも、
寄り集まれば、凄まじい膂力を発揮するんだ……!!
「ママー」
「ママー」
「あまねくJKを描き切り、JKだけの、夢の国を築く」
な、
なにを、
なにを言ってるんだ、この女は。
「正気か?」
「さあ、そこは既に、可愛い娘たちの間合いだよ」
しぐ……。
霈先生が、画業の中で掴み、極め抜いた【本懐】。
そう。
それが、
「それこそが、【天蓋】。




