表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/1706

天城越え

「ひゃっは〜!!」 

  

 今回、俺が試す【本懐スタイル】は〜?


 そうです、【臨界トップスピード】です。


 フロントガラスの先には、土に塗れる獣が十匹。


 ん〜。


 即ちあれは、輪姦学校。


 楽しそう。


「俺も混ぜてよ〜」


 仲間外れは、よくないことだ。


 心の法律に反してしまう。


「獲物が十匹……」


 十人。


 十匹。


 十本。


 あ。


「そうだっ」 


 これってちょっと、ボウリングみたいじゃない!?


 楽しい〜。


 これは、俺のボーリングを埋めてくれる遊びになるかも知れない。


 つって。


「は?」


 獣が、素っ頓狂な鳴き声をあげる。


 なるほど、【臨界】のお陰で、瞬間的にあらゆる景色を視界に捉えることができるんだ。


 あほ面が十個。


 やられてるのが、二つ。


 カップルだな。


 リア充、許せね〜。


 で。


 やってるのが、一つ。


 やらされてるのが、四つ。


 やらされるのを待ってるのが、三つ。


 ん〜。


 よかった。


 足し算、ちゃんとできた。


「俺、偉い!」


 高級車のボンネットが歪に歪み、血の轍が辺り一面に散乱する。


 ああ、


 糞っ。


 三本、倒し損ねた。


 それから、華麗なるハンドル捌きで峠を一周、スペアを狙いにいく。


「マジで!?」


 最悪。


 スプリットなんだけど。


 いや、だが……。


 諦めるな。


 諦めたら、そこで試合終了なんだ。


 膝でハンドルを操作しながら、拳銃の安全装置を外す。


 大丈夫、【臨界】のお陰で思考は保たれている。


 スポーツ漫画で、一瞬の描写で今週号が終わっちゃう感じ。


「ばあん!」


 助手席側の窓を開け、一本だけ、離れた厄介なピンを撃ち抜く。


 そのまま、残り二本を薙ぎ倒す。


 あーあ……。


 ストライク、取れなかった。


 でも、


「俺は、諦めない」


 今日が駄目でも、反省して、修正して、明日へ活かす。


 つかさ


 お前には、夢があるんだな。


 俺にも、夢があるんだ。


 みんなが一緒に、いられる世界を作る。


 難事業だけど、それくらいの難易度じゃないと興奮しないんだ。


 脳汁が、出ないんだ。


 そして、そのみんなの中には俺がいる。


 だから、俺は俺を捨てたりしないよ。


 ありがとう、親友。


 俺の本当の心の声に気づかせてくれたのは、お前だ。


「次こそは、一撃で決めてみせる……!」


 さあ、


 次のレーンを、探しにいこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ