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イカピーの濫觴

 私、どこにでもいる普通の小学四年生、あかり!!


 イカピーっていう変な宇宙人に騙されて、魔法少女になっちゃった!?


 でも、今日も親友のしずかちゃんと穏やかな日常を送る、なんでもない一日なのです☆


「ねえねえ、昨日のモニタリング観た!?やっぱり阿部寛……。やっぱり、阿部寛なんだよなあ〜」(嘆息)


「え……。阿部寛って、誰?」


「え」


「え」


 しずかちゃんとは放課後や休み時間によくお話しするんだけど、ちょっと世間に疎い?ところがあって、そういうところも可愛くて好きなんだ♡


 そんなぽやぽやしてるしずかちゃんも実はパワフルで、百m走は四秒台だし、いつもお昼寝してる癖に、理科と算数のテストはいつも満点。


 お歌の授業をすればレコード会社のスカウトマンが見にくるくらいだし……。も〜、私にもそのスペック、分けて欲しいよお〜!!


「ねえねえ、しずかちゃんって実は、地球外生命体が人類調査の為に遣わした機械人形って噂、本当なの!?」


「え……。そうなんじゃない?」


「そっかあ〜、やっぱりすごいなあ!!しずかちゃんは。私なんてどこにでもいる普通の魔法少女だし……。しずかちゃんの足元にも及ばないよお〜」


「普通ってなんだろう」(哲学)


 瞬間、教室の壁がぶち破られて黒服の男たちが乱入してきた。


「しずか嬢だな?」


 リーダー格っぽい屈強な黒服が、しずかちゃんに手を伸ばそうとする。


「ちょっと、私の親友になにするつもり!?初潮を迎えてないからといって、乱暴は駄目なんだからね!?」


「なに言ってんだこのマセ餓鬼……。いいか?俺たちは公安。そして、そこのしずか嬢は国家の命運を左右しかねない超重要参考人少女なんだよ。理解わかったらどけっ」


 な、なに言ってるのか、一つも理解んないよお〜!!


 でも、


「イカピーが言ってた。公安って、悪い人たちなんでしょ!?」


「ちょ……。最近の小学生は、なんつー教育受けてんだよ。確かに入り方は乱暴だったかも知れないけど……。俺たちはしずか嬢を保護しにきたんだ。いいからどけっ」


「きゃっ!?」


 黒服のリーダーに突き飛ばされて、私は尻餅をついてしまいます。


 も〜!!女の子には優しくしなきゃって、小学校で習わなかったの!?


 その刹那、


 ずがしゃーん!!(黒服が叩きつけられ、教卓が木っ端微塵に砕け散る音)


「おい、サカモト」


「す、すいません、しずか嬢」


「あかりちゃんにだけは手を出すなっつったよな?」


「申し訳ありません……。そのようなつもりはっ」


 なにが起こったのか、少しの間理解らなかったけど……。


 どうやら、しずかちゃんが片手で黒服を投げ飛ばしたみたい。


 流石、普段は天然だけどいざとなったら頼れるスーパーダーリン、しずかちゃん!!


 ますます好きになっちゃうよお〜!!


『執行モードをオンにしますか?』


「ううん、いまはいいよママン。躾のなってない野良犬を叱ってるだけだから」


『了解しました』


 時々、しずかちゃんはこうやって機械音声さんと会話するよ。そういうところもミステリアスで素敵!!


「し、しかし、しずか嬢……。これは上からの命令で……」


「上?私以上の上って、なに?教えてご覧よ、サカモト」


「いや……。その……」


「ん?」


「……。なんでも、ありません」


 あんなに屈強な男の人が、完全に大人しくなっちゃった。


 まるで……。まるでプリキュアみたい!!(?)


「すごいよしずかちゃん、とってもかっこよかった!!」


「あ……。あかりちゃん。見てたん、だね」


「もちろんだよ!!私なんて、メラかヒャドくらいの属性魔法を使える程度だし、しずかちゃんがいなかったら公安の悪い大人たちに負けちゃってたかも」


「そ……。そうなんじゃない?」


「糞っ……。しずか嬢、今日のところは一旦退きます。ですが、いずれはお父様たちにも向き合ってもらうことになりますからね」


「サカモト……。私はいまあかりちゃんと喋ってるんだよ。理解らないの?」


「……っ!!」(奥歯を噛み締め、しずかちゃんを睨みつけるサカモト)


「ねえ、そこの悪い人。なんでしずかちゃんに付き纏うの?」


「え……。いや、でも」


「あかりちゃんは優しいなあ……。サカモト、後三分間は喋ってもいい猶予をやる。時間が経ったらすぐに失せな」


「か……。畏まりました」


 サカモトさんは脂汗を滲ませ、帰り支度を整えながら色々と教えてくれたよ。案外悪い人じゃないのかな?


「参院選を控え、我々公安も忙しいんです……。ですが、しずか嬢の身柄が不安定な状態にあるとなればコト。ここ、教育機関には護衛を配置することができませんから」


「だから、私から教育を受ける権利を剥奪してでも、パパンの管理下に連れ戻そうってこと?」


「い、いえ……」


「正直に」


「……。その通りです」


「それって、私とあかりちゃんの蜜月に水を差そうって風にも聞こえるんだけど……。違う?」


「……!!」


 サカモトさんは、三分も経たないうちにどこかへ消えてしまった。部下の人たちが慌ててあとを追うよ。


「な、なんだか映画を観てるみたい……。すごいよしずかちゃん!!悪い人たちを追い払ったねっ」


「う、うん……。そうなんじゃない?」


「あ!!そんなことより時間。今日はゆるキャンの映画を観てから、モンハンの追加コンテンツを一緒にやる約束だもんねっ」


「あ……。その前に、ちょっと休憩……」


 そう言って、しずかちゃんは教室の床に寝転んでしまいます。


『休息モード、オン』


「またあ?しずかちゃん、一日に何時間寝てるの?」


「十二時間…….。あかりちゃんは?」


「私?私は二時間」


「……!?」


 なにもかもが凸凹な私たちだけど、一緒にいるととっても楽しいんだ。


 明日は、どんな出来事が待っているのかなあ。


「マック寄って帰ろう?マック」


「うん……。いいんじゃない?」


「阿部寛のクリアファイル、貰えるかなあ〜!?」


「だから、誰……?」


 その頃、まだ少女たちは知らなかった。


 なにげないこの日常の風景が、国家存亡に関わる大事件に繋がっていくことを……!!

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