セ○コーマート
大きな台風が去った。
数日後。
「お前ら……。補導されんぞ」
俺たちは番がバイトしてるコンビニに屯った。
深夜、零時過ぎ。
「お前もシフト入れてんじゃん」
「それはそれ、これはこれ」
「どれはどれだよ」
「そんなことより帝。明日の宿題、写させてくれよ〜」
「嫌だよ。自分でやれよ」
「バイトで忙しい」
「学生の本分っ」
廃棄される唐揚げを、俺たちはこっそり分けてもらった。
「もう、色々と駄目だろ、これ」
「そう言いつつ、帝少年は爪楊枝を手に取るのであった」
「仕方ねえだろ。唐揚げより旨え食物はねえぞ」
「お前ら、この前の説明会ばっくれただろ。特に司。お前は馬鹿なんだからちゃんと働けよ」
「いいもーん。いざとなったら親のコネに頼るもーん」
「こいつ……。生きてて恥ずかしいと思わねえのか」
それから、いくつかエロ本を飛ばし読む。
「あ。この人、最近人気だよな〜。やっぱいいよね、褐色はね」
「人の名前とか覚えたことねえ」
「うわ。帝、私の体にしか興味がないのっ!?」
「死ね」
「やめとけやめとけ。帝はプロ童貞、目指してんだから。あんま観ないだろ?AVとか」
「まあな……」
「ええ!?そんな人類おるう?」
「つーか、この会話自体がすごいストレス」
「司。帝はモテる。ビデオに頼らないでもいい人生を歩いてきた奴は、こうなる」
「ふああああああああああああ。殺意めらめら」
そんなんじゃ、女の愛し方を忘れちゃうわよ……。
「最近、値上がりしたよなあ。煙草」
「まあなー。あ、いらっしゃいませー」
「高校生の会話じゃねえだろ……」
この感じ。
このテンポ。
なんだか、いい感じ。
楽しいな。
いい、気分だ。
嵐が去って、まだそこここに草木が飛び散っている。
誘蛾灯に、カメムシが混入して音を立てた。
「セイコー……。性交マート」
「お前、マジで一回、怒られろよ」
「馬鹿ども。さっさと帰れ」
んだな。
帰るべ。
そんで、またこよう。
寂しくなったら、またここに。




