魔王ってさ……
リーズブルは水の都である。
人が生活するにはある程度綺麗な水が必要不可欠であり、人が集まってる場所が都であるから、あらゆる都は水の都であるとも言える。
県市立高等学校2年B組、リーズブル攻略班の証、縁、潮は情報を集めていた。
このゲームをクリアするには、サンドバンド、リーズブル、魔女の森、ゴヨウ村。それぞれのボスを攻略して鍵を集める必要がある。
クラスには十人十色、長所も個性もバラバラな人間が集まっているのだから、手分けして攻略するのが賢いやり方だ。
「納得、いかないんだけど」
リーズブル攻略班の紅一点、それでいて男勝りの縁が不満げに唇を尖らす。
「なんでボスをやっつけるのが司たちじゃなきゃいけないんだよ。私たちが倒しちゃっても良くない?」
縁の不満には、何人の中で最も頭脳明晰な証が答える。
「仕方ないだろう。ゲームマスターがそう言ってるんだ」
「でも、いくらなんでも勝手にルール作られすぎでしょ。なに?私たちはこの世界ではゲームの脇役で、プレイヤーは司たちに譲らなくちゃいけないってこと?」
「そうらしいな……。別に俺も納得がいってるわけじゃないが、事実は事実として受け入れるしかない」
成績優秀な証がそう言えば、縁はひとまず理解するしかない。納得はできなくても、理解はできる。
分別のあるヤンキー、潮は話の流れを纏める。
「なにはともあれ、俺たちはこのリーズブルの魔王って奴を倒す手伝いをしなきゃいけない訳だ。こんな状況に俺たちを引き込んだ奴がルールを作ってる。ってことは、楽観はできねえ。言いなりってのは癪だけどな。うっかり死ぬよりはマシだろ」
三人は、既にリーズブルの惨状を見ている。いつなんどき、唐突なワイバーンに頭から上を食いちぎられるか分からない。
生き残り、あの平凡な日々に戻るにはとにかく、このゲームを攻略するしかないのだ。
司たちの到着はまだ遠い。




