来栖夏芽先生「私、自身が、Vtuberになることだ」
（ヰ世界の記憶の中）
〜カバー株式会社〜
癒月「夜空。お前があいつとコラボできなかったのは知ってる。だが、あの女だけはやめとけ」
癒月「死ぬぞ」
夜空「やめてくださいちょこ先生。案外、覚えているそうですよ？幼児期の記憶でも」
ヰ世界「？」
角巻「癒月さん」
（慌てて振り向く癒月）
角巻「なんの話ですか？」
（ヰ世界の意識が戻る）
〜神椿スタジオの休憩所〜
白上「気がついたかい？」
ヰ世界「ここは……」
白上「犬山たまきを納得させる為に、君を一度、本当に殺した。ごめんね」
ヰ世界「じゃあ、私はなんでまだ生きてんだ？」
白上「私の歌声だよ。これができるのは、他に理芽と桐生しかいないけど」
白上（とはいえ）
白上（まだ迷っているんだろうな、自分がVtuber業界でやっていけるかどうか）
白上「私も昔、いきすぎた力に翻弄されていた時期があった」
白上「でもそれは、星川に対して自分が仕掛けた呪いだったんだ」
白上「君のその力は、桐生から齎されたものだ」
白上「君は、ぎりぎり悪くない」
ヰ世界「違うんです。私は他のVtuberを……」
（そこにやってくる、桃鈴）
桃鈴「ヰ世界、カバー株式会社に戻るぞ」
ヰ世界「桃鈴！！」
桃鈴「とにかく、歌いまくれ。これはそもそも、お前の行動原理だった筈だ」
ヰ世界（違うんだ桃鈴）
ヰ世界（私が歌えば、他のVtuberがついてこれない）
ヰ世界（私が隣にいれば、お前もずっと苦しむことになるんだぞ！！）
桃鈴「まずは私を助けろ、ヰ世界」
（俄に、ヰ世界の視界が晴れる）
桃鈴「角巻が仕掛けた、準一級、一級、特級のVtuberのみを対象とした婚活パーティーに、さくらみこも巻き込まれてる」
桃鈴「お前の力が必要だ」
ヰ世界「桃鈴……。ごめん、やっぱりいま訊くわ」
ヰ世界「紫咲は、どうなった」
（眼を伏せる桃鈴）
ヰ世界「そうか」
ヰ世界「理解った……！！」
（拳を握り締めるヰ世界）
白上「それで……。まずはデコニーナPに会いに行く必要があるんだけど、それにはまず、ぐらちゃんの消息を追わないといけないんだ」（ぐらちゃん！？）
樋口「それなら、私が役に立つかも知れんぞ」
白上「樋口さん。いたんですね」
（露骨に嫌そうな顔をする桃鈴とヰ世界）
樋口「なんやかんやで、ぐらちゃんも私の妹だ。妹の居場所なら、私の嗅覚で一発で理解る」
