来栖夏芽先生「私が天に立つ」
〜えにから株式会社の休憩所〜
宝鐘「私はナナヲを追います。他のVtuberは任せましたよ」
リゼ「いや……。数がさあ、多いよね」
宝鐘「引き受けてくれた暁には、一級Vtuberへの推薦の件、受けてもいいですよ」
リゼ「よっしゃー!!頑張るぞっ」
〜神椿スタジオ〜
宝鐘「ヰ世界くん、状況は」
ヰ世界「因幡を、助けられなかった……」
宝鐘「そんなことより、自分の心配をしてください」
(ナナヲが形を変えながら、二人に襲いかかる)
ナナヲ(効かないか、これは雑魚専用だな。やめよう)
宝鐘「ヰ世界くん。奴は歌い終わった瞬間に」
ヰ世界「僅かな隙ができる」
宝鐘「よろしい」
(二人の連携が、確実にナナヲを追い込んでいく)
(しかし)
ナナヲ「歌唱、開始」
ナナヲ「チューリングラブ」
宝鐘「糞っ」
(その実力差は、歴然)
(宝鐘の走馬灯)
〜えにから株式会社の休憩所〜
勇気「配信、好きなんですか?」
宝鐘「え」
勇気「いつも、頑張ってるじゃないですか。ご自愛ください」
宝鐘「はあ……」
宝鐘(デビューしてから、ずっと走り続けてきた)
〜カバー株式会社〜
夏色(!?)「配信、してるか〜い?」
宝鐘「いいですか。配信の基本は、誠意です。奇を衒わず、普通のことを普通にやるのが一番ですから」
獅白「はい!!」
夏色「おお〜い、宝鐘、そんな硬いこと言ってると、チェリーガールがびびっちまうだるお?もっと大胆にやっていこうぜ」
宝鐘(デビューしてから、寝ても覚めても配信、配信、配信、配信)
宝鐘(スパチャ、スパチャ、スパチャ、スパチャ……)
〜再び、えにから株式会社の休憩所〜
勇気「疲れ、溜まってないですか?」
宝鐘「え」
勇気「顔色がよくなかったので」
宝鐘(ばれているのか)
宝鐘(もう、充分やったさ)
宝鐘(充分に稼いだ)
宝鐘「一歩、前に出てきてもらってもいいですか」
勇気「え?」
(刹那、勇気ちひろのにじリスを片手で葬り去る宝鐘)
宝鐘「これで、少しは楽になる筈です」
勇気「あ……」
宝鐘「では、私はホロライブに戻りますね」
勇気「待ってくださいっ」
(えにからの外まで宝鐘を追う、勇気)
勇気「ありがとおおおおおおおおおおおおおおお!!」
勇気「聞こえてる!?」
宝鐘(……)
〜神椿スタジオ〜
ナナヲ「聴いてくれて、ありがとう」
宝鐘(感謝)
宝鐘(感謝か……)
宝鐘「それはもう、多くの方から頂きました」
宝鐘「悔いはない」
(谷郷に、引退宣言をしにいこうとする宝鐘)
(次の瞬間)
(ヰ世界の歌唱によって、ナナヲの領域が突破される)
(本来であれば、ナナヲの歌声を聴いた時点で勝負が決してしまう)
(だが)
(ヰ世界の中には、触れてはいけない奴がいる)
桐生「言った筈だぞ、次はないと」
(刹那、ナナヲの身体が木っ端微塵に打ち砕かれる)