花譜はネコ
〜カバー株式会社〜
花譜(相伝の術式のリスクは、性癖が外部に漏れやすいこと)
花譜(だけど、これは花譜家の中でもごく一部の人間にしか開示されていない)
花譜(性癖)
P丸様。「この時代のVtuberが、ここまでやるとはね……」
P丸様。「だが」
P丸様。「問題なし」
P丸様。(人気と実力と年季は、確実にこちらの方が上手)
P丸様。(だけど……)
P丸様。(なんだ?)
P丸様。(この違和感は)
(静かにP丸様。を見詰める花譜)
P丸様。「殺す」
(P丸様。の歌唱が、花譜の喉元に迫る)
花譜(ごめん、ぐらちゃん)
花譜(私はいま、ぐらちゃんの為に怒ってないよ)(そこは流石にもっと怒れ)
花譜(いまはただ、この世界が心地いい)
花譜「天上天下唯我独尊」
花譜(これは……。私と星街、二つの術式が噛み合うことで初めて顕現する、究極奥義)
花譜「性癖【百合】」
(瞬間、P丸様。は遥か彼方に吹き飛ぶ)
どおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!(カバー株式会社が木っ端微塵に崩れ去る音)
P丸様。(私を否定した、Vtuber業界)
P丸様。(その頂点に君臨する花譜を、否定したいと思っちまった)
P丸様。「ただ働きなんて御免だね」
P丸様。(いつもの私なら、そういってロマンスの不祥事をしばいてた)
輝夜月「【壱百満天原サロメ】をお願いね」
(いつしかの記憶を、静かな眼差しで思い出すP丸様。)
花譜「なにか、言い残すことはあるか」
P丸様。「私の娘が……。ほどよいタイミングでにじさんじに売られる。好きにしろ」
花譜「おけ」
(過去篇、終了)
〜えにから株式会社〜
花譜「いるでしょ、内通者」
鈴木「ありえない!!このVtuber業界に、そんな不届き者がっ」
花譜「でも、半グレの鈴木なら検討がついてるんじゃない?」
鈴木「私の!!方が!!先輩なんだよ!!」(!?)
花譜「怖っ。ヒスはモテないよ?」
鈴木「でも」
鈴木「心当たりは、ある」
鈴木「内通者は……」
〜カバー株式会社〜
ときのそら「アカリちゃん、次のイベントのことなんだけど」
(動きを止め、休眠状態のミライアカリ)
ときのそら(本当に寝てる。アカリちゃん、いつもこうやって休んでるのかしら)