【】お と な り さ ん【】
「遂に、遂に辿り着いたぞ……。朝も夜も恋焦がれて追い求め続けていた完璧で究極のベアルクティ。その解答は、ずっと俺氏の身近にあったんだ」
「そう。水属性軸……。氷水氷結界のギミックを利用し、ランセア、ギュミル、承影、セプテン、バロネス、ドラガイト、ジーランという7体の特記戦力で盤面を制圧する。無印トリシューラも含めれば演出持ちは8体、あまりにも気持ち良過ぎる……。自分の欲望に正直になることが必要なファクターだったんだ。Gも拮抗もガメシエルも要らない」
「展開に繋がりそうなカードだけを詰め込んだ珠玉の60枚。妨害がなければ上記のエース7体のうち3〜5体が相手の精神を粉々に粉砕する。うららだの墓穴だの、そんなものを積んで勝負になるのはメインデッキ40枚に1枚初動がそこそこあって多彩なサブギミックを採用できる奴だけなんだよ」
「ベアルクティみたいな誰も見向きしてない弱ェテーマで存在意義を示すには、もっとこう、必死さが必要なんだ。雑魚が得意げに戦術を語ったところでなんの意味もないから。環境を握らないなら環境を分析するとかあんまり意味ないから。使うテーマは同じ奴ら同士が◯◯型スネークアイみたいな◯◯の部分を競い合っているに過ぎない……」
「中堅未満のクソザコナメクジがそれでも尊厳を失わずに忖度無用な対戦環境に挑む。それにはもっと殺意が足りない。なんだったんだ、いまのは……。とお相手を呆然とさせられるくらいトップスピードで、ガラパゴスで、独自性と変態性を突き詰めた意味不明な構築で精神的アドバンテージを奪う。喧嘩はビビらせた方が勝ち」
「生き残りたいだろう……。ベアルクティ。最弱と罵られたままでは、45点止まりな人生のままでは終われないよなァ?お前の瞳にはまだ微かに覇気が宿っている……。あの日、ゴミ溜めで寒空を眺めているお前に見出した闘志、俺氏はそれに惹かれてからノイローゼになる寸前まで構築をイジり続けた……」
「ナメられたら終わり……。お前もこの街で生きていくと決めたならば、ロクすっぽ研鑽を積まず環境テーマとして社会に参入できなかったツケを払いたいならば、覚悟を決めろよ熊野郎たち。好きなテーマを使って勝ちたいのは当然の心理で、弱ェテーマを好きになる奴なんていないからだ」
「小手先の計算でベアルクティを勝たせようとする輩はいるだろうが、俺氏はそれはナンセンスだと思うね。個として、生物としての頑強さを軽視しがちな策士タイプの人間は詰めの部分で見誤る。ブラフ、心理戦、情報戦を出し切ったあとは元来の魂の強度、その部分で決着をつけるしかなくなってしまう」
「ベアルクティ……。YAKUZAな商売ってなんのことだと思う?やられたらやり返す、やったらやり返されるのが世の理であり、仁義だ。文脈のない暴力は存在しない……。ベアルクティ。お前のことを散々足蹴にして踏み躙ってきた連中を、今度はお前が地獄の底へと叩き落としてやりたいと思わないか?」
「この構築は、最近追加されたランセアを軸にしているだけに似たような型を見たことがない……。虚仮威しでもいい。うららで詰みません?(笑)という輩の鼻っ柱をへし折る為だけに研ぎ澄ませた通り魔的な一撃。これをシングル戦ありき、魔境故に全てを受け入れるランク戦にてぶつけるのだ」
「俺氏はこの俺氏式水軸60枚ベアルクティを、仁義ベアルクティと命名する」
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