【】か ん た ん れ し ぴ【】
「見た瞬間に人生が終了する理不尽系の怪異ってあるじゃないですか。ドラマや映画の演出としては怖くていい感じなんでしょうが、それはその怪異の一面しか描けていないんじゃないかと俺氏は思うんですね」
「妖怪や物の怪の類における生存条件って、現世の人々に覚えられていることが大前提。その上で、観測する者を問答無用で呪い殺すような個体は観測者が増えず、別個体を苗床として遺伝子を繁殖させるという自己保存の原則に反してしまう。つまり、丁重な儀式でもてなしたり生け贄を用意したり、自らとwin-winな関係を保とうとする連中には褒美として生存を約束したり、五穀豊穣や子孫繁栄、家内安全や無病息災といった恵みを齎しているんじゃないかと」
「逆に、私欲の為に掟を破ったり興味本位で近づいたりする輩には陰惨な死を与え、それはそれで見せしめとしての役割を果たしているんじゃないだろうか。それが冒頭で語った理不尽系の怪異として観測され、一部の界隈からは極めて危険な存在だと認知されているが、自らに害を為す気に喰わない奴はぶち殺してやりたいと思うのは人も人ならざる者も同じであり、打算的で合理的な人間は怪異とのwin-winな関係を模索するのが板。最も丸い選択まである」
「前例がない事態に人々は過度に恐怖するが、基本に忠実に行動すれば対処し切れない程ではない……。未来を知る為の唯一の術は歴史を学ぶこと。己もまた繰り返される因果、止め処なく廻り続ける大河の一滴に過ぎないことを自覚するのだ」
「……。みたいなことを新弾が追加される度に考えてます」
「」