【怪奇!!】DK事件【心臓の弱い方は読まないでください】
【チラズ】でバイトを始めたアステカちゃんは、先輩からいくつかの助言をもらっていた。
まず、各種コーヒーの作り方。
それから、【常闇トワ】と【天音かなた】と【星街すいせい】はほとんど男だから、これからも、いくらいじっても問題はないということ。
店内には、【しゃろう】さんのチルいBGMが流れている。
これで、前回のような殺伐とした展開が発生するはずはない。
「DK【渾】……。現世では、最も強い分類のDKだったな」
【馳河】のPV数を再生回数に変換することで、辛うじて難を逃れたアステカちゃん。
「ひとまず、今日は安心してバイトができる」
客がきた。
「いつものを」
「北野正念龍さん」
「アステカちゃん、頑張ってるみたいだね。でも、大丈夫かな?」
「なにがですか」
「店の周りで、アステカちゃんを監視してるみたいなDKを見かけたんだよ。あれ、なんだったのかなあ」
「はあ」
スニッカーズとドクターペッパー、それからファミチキを購入し、北野正念龍は帰っていった。
「まさか……。まさかね」
ゴミを片付けて、閉店の準備をするアステカちゃん。
ずにゅうううううううううううううん!!(空間が歪む音)
「!?」
瞬間、アステカちゃんは暗転した世界に放り込まれる。
「まずいっ」
身動きがとれない。
このままでは……。
「先に帰らないで、よかったよ」
「北野正念龍さん!!」
刹那、北野正念龍によって創り出された生得領域により、アステカちゃんは一命を取り留めた。
「犬の動画でも見て、取り敢えず落ち着こう」
「北野正念龍さん、これは一体」
「DK【渾】だよ。【チラズ】が奴の攻撃を受けてる」
「そんな馬鹿なっ。奴のPV数は確かに、俺が吸収したはずです」
「アステカちゃん、君に理解できないはずはないだろう……。君が【馳河】のPV数を吸い取った瞬間、【バーバパパ】の再生数もまた、【馳河】のPV数として吸い取られてしまったんだ」
「なんてこったい!!」
なんて……。
なんてこったい!!
「DK【渾】は、俺の生得領域くらい、簡単に突破してくるだろう。その前に、こちらの態勢を整えなくてはならない」
「そんなこと言ったって、どうすればっ」
(落ち着きなさい)
そ、
「その声は、法王猊下!!」
(朕の命により、【チラズ】に奴を向かわせておいた)
「奴、とは」
(言わずと知れたこと)
それは、
対DK用最終決戦兵器、【666】。