【】し ん し ゅ ん し ゃ ん そ ん し ょ ー【】
「らん」
「らん」
「るー」
『〜唐突に流れ始める最終鬼畜妹(以下略)〜』
「ドナルド!?」
「ウォーリーが殺られたからには、都内の賃貸情報を網羅すべくSUUMOが動き始めるだろう」
「僕も、命の使いどころが来たってことさ」
「そうだろう?」
「傲慢のティガー……」
「あー、悪いな」
「俺、マックよりモス派なんだわ」
「そうかい」
「心置きなく戦えるよ」
『ずにゅうううううううううううううううううううん!!(時空が歪む音)』
「これは……」
「僕を忘れていませんかぁ〜?」
「タラちゃんっ」
「この音楽」
「なにをしたですか?」
「乱々流は本来、瀬戸際に追い込まれた武士が背水の陣で発動する奥義……」
「最終鬼畜妹(以下略)が流れている間が、僕の余生ってことさ」
「委細、承知したで〜す」
「いいのかい?タラちゃん」
「ティガーは恐らく、重力操作以外の隠し球を秘めているよ」
「ニコカラはもう、過去の遺物ですね……」
「……ッ!!」
「僕にも、もう一つギアを引き上げるモードがあるです」
「まさか」
「人呼んで、deathタラちゃん」
「対象を葬ると同時に、自らの命をも擲つ危険な技deathよ〜」
「ははっ」
「冥土への旅路を共にするには、この上ない相棒だね」
「あー……。盛り上がってるところ悪いが、お二人さん」
「俺は、イーヨーの退屈な人生哲学をしこたま聞かされてうんざりしてるんだ」
「サンドバッグの役割くらいは果たしてくれよ?」
『ガキュザキャアッッッ!!(金属音)』
「なんだ」
「俺様の爪が通らない……」
「君は」
「ぼーお兄ちゃんdeath〜?」
「ま、だだ」
「まだ、戦える」
「ふらふらじゃねえか」
「お前、さっきアリエルの攻撃で溺れてたろ。無理すんな」
「しんちゃん、たちが、教えてくれた」
「どんな時も、忘れちゃいけない……。大切なこと」
「それは」
「決して折れない、不屈の、意志」
「へえ……」
「僕、は、春日部防衛団の一員として」
「その、矜持を、証明する」
「こいつ」
「自らの肉体を石化することで、強度を上げているのか」
「よそ見は禁物だよ」
「ティガー!!」
「死ぬdeath〜!!」
「正直」
「消化試合だな」
「楽天カードマンとか言ったか?俺も、あっちと戦りたかったぜ……」
「ナメられてますねぇ〜」
「タラちゃん。ぼーちゃん」
「な、に」
「僕がハッピーセットの景品として持ち歩いている物の中には、ティガーにも通じるかも知れない現代兵器が混じってる」
「なるほど〜?」
「スタジアム内で爆発物の使用は控えたい……」
「このまま彼を誘導しよう」
「理解、った」
「内緒話なら」
「俺様も混ぜてくれよ!!」
「「「「!?」」」」
「重力の球!?」
「なにかよく理解らないけど、なにか途轍もないエネルギーを感じます〜……」
「や、ばい」
「お前ら、得物に頼ろうとしてるだろ」
「通常兵器のような代物は、自らのBANオーラで生み出したものじゃないから制御しにくい……」
「そんなん、自分が雑魚だって告白してるようなもんだぜ?」
「まずいッ」
「問題ねえよ。観客は巻き込まない」
「消えるのはお前らだけだ」
「ドナルドお兄ちゃん!!」
「ぼーちゃん、僕たちの肉体を石化できるかいっ」
「やって、みる」
「おいおい……。冗談だろう?」
「その程度でこいつが凌げるって?」
「グラビティ・ボールは、欠片すら残さない」
「掻き消すには、時空さえ爆ぜさせる程の熱量が必要だ」
「残念だが、お仲間でそれができるキティちゃんはプーの領域の中だ!!」
「僕たち、死ぬdeathですかぁ〜……?」
「くっ」
「嫌、だ」
「まだ、死にたくない……!!」
「あ」
「これ、進研ゼミでやったとこだ」
『ばぜゅううううううううううううううううううん!!(時空が爆ぜる音)』
「!?」
「うんうん。いいね」
「予習の成果が出たよ」
「お前は……」
「しまじろうか?」
「しまじろうお兄ちゃん!!」
「しまじろう!!」
「だ、れ」
「僕のメン限秘技は、数手先まで相手の攻撃を予習できるんだ」
「そして、成績を上げる為に重要なのは予習だけじゃないよね?」
「そうだね。復習だ」
「しまじろうお兄ちゃんが、重力の球を!?」
「なるほど……」
「これが、復習」
「未来予知と、コピーか」
「勿論、初見の技には予習と復習が不十分でね。僕もさっきのグラビティ・ボールを完璧には防げなかったし、このコピーも不出来なものだろう?」
「ただ、間違えた難問に繰り返し挑むことでテストの点数は上がる」
「攻撃の予習、復習を繰り返すことで戦闘の練度は上がっていくんだ」
「加えて、時空を爆ぜさせるだけの馬鹿力か……」
「ん?ああ」
「あれは、事前にゴロリ君の殴打を予習させて貰っていただけだよ。予習してストックした技は、一度復習で使ってしまうと忘れちゃうんだ」
「ここから先は、ティガー」
「君の潜在能力と、僕の学習能力」
「どちらが上回るかの、シンプルな勝負だね」
「おいおい」
「世界一ダンディな虎は俺様だが……」
「二位は、譲ってやってもいいかもな」
「しまじろう!!」
「お?」
「んだこれ」
「プリチケ……!?」
「それを拾ってはいけません、元太君ッ」
「プリチケ、パキろー?」
「彼女……。真中らぁらは危険な能力を持っています」
「その土俵で戦うのは限りなく不利ですよ」
「パキろうよ」
「プリチケ」
「おお。いいぜ」
「元太君!?」
「かしこま☆」
『ずにゅううううううううううううううううううん!!(時空が歪む音)』
「心配すんな、光彦」
「勝ちゃあいいんだろ?」
「彼を信じなさい。光彦君」
「灰原さん……」
「それに」
「私たちの相手は、向こう」
「らぁらは、車椅子無しでは移動できない」
「私をただの付き添いだと思って油断しない辺り……。子供の割に、勘が働くね」
「そういうマセガキは、嫌いなんだよなあ」
「……。プリ」