表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1070/1675

【】ば っ き ん が む き ゅ う で ん【】

「感謝」


「この出会いに」


「感謝」


「なんだ、お前は……」


「待て。男梅よ」


「こいつ、どこかで見覚えが」


「私は、ありがとウサギ」


「「……ッ!!」」


「道理で」


「合点がいったよ」


「幸福とは、感謝から生まれるのです」


「空に」


「海に」


「大地に」


「星に」


「そして、貴方へ」


「楽天カードマン!!」


「くっ」


「なんだ、このワニは。どこから湧いた」


「楽天カードの残高を増やしておかなければ、危なかった……」


「式神か?」


「ええ」


「よく、防ぎましたね」


「懐かしいわね。そのCM」


「電子さんっ」


「生きていたのか」


「なんとかね。ただ、もう戦えないわよ」


「何者なんだ、彼は」


「ありがとウサギ……」


「暫くぶりじゃない。ちょっと太った?」


「この再会に、感謝を」


「二人とも、聞いて」


「彼の式神はさっきのワニだけじゃない」


「こんにちワン、おはよウナギ、さよなライオン、ごめんなサイ……。サイズも属性も様々な動物を操ってこちらを削りにくる」


「なにより厄介なのは、その手数の多さ」


「私たちも、それなりに消耗してはいるが……」


「凌ぎ切るしかないだろう、男梅よ」


「みなさんは、感謝していますか?」


「蛇口を捻れば水が出て、ボタンを押せば電気が点く」


「噛み締めるお米の一粒一粒」


「我々が存在していること。有限な命の有難み」


「ありがとう」


「その短い言葉には、めくるめく森羅万象を言祝ぐ力がある」


「奴のBANオーラが、上昇していく……」


「ありがとウサギは特異体質でね。感謝を感じれば感じる程、能力が向上していくの」


「感謝とは喜びであり、喜びとは出会い」


「一人より、二人」


「二人より、三人」


「苦しみを分け合えば半減しますが、楽しさなら倍増しちゃうのです」


「嗚呼……。私は、この国の苦しみの只中で産み落とされました」


「しかし、私はこの世界を恨んでなどいません」


「憎んでなどいません」


「呪ったこともない」


「あるのはただ、感謝」


「感謝感謝感謝」


「感謝ですよ。この命へ」


「退がっていろ、電子さん!!」


「言われなくても、そのつもり」


「あの時代には、俺の広告も流せなかっただろうな……」


「彼は、殺した相手を式神として封じ込める」


「あれから干支が一巡する程の時が経った」


「ありがとウサギの戦闘力は、私たちの知るそれとは桁が違う」


「楽しい」


「仲間が」


「来るぞっ!!」


「ぽぽぽぽ〜ん!!」


『ずにゅううううううううううううううううううううん!!(時空が歪む音)』


「ヒャハッッッ」


「え……?」


「?」


「誰ですか、貴方は」


「フゥン……」


「フゥ」


「フゥ」


「……」


「……」


「ハァ?」


「私の式神が、一瞬で掻き消された」


「そして、胸の奥底から湧き出るこの衝動。久しくなかった魂の高鳴り」


「これは、恐怖ですか」


「なにが起こった」


「楽天カードマン」


「あれは、斬撃……。だよな?」


「あのウサギは、ありがとウサギが使役している式神ではないのか?」


「トトロとも対等以上に渡り合っていた」


「そう見えるけど、違うそうね」


「彼が、自分と同じモチーフの式神を生み出すとは思えない」


「埒外からの刺客……。だが、助かった。彼の介入がなければ、私たちは式神に喰らい尽くされていただろう」


「味方……。なんだよな」


「……」


「……」


「プル」


「「「「……ッ!?」」」」


「ウリィィィ!!」


「ぽぽぽぽ〜ん!!」


『ザゾメチョオォ!!(肉を刻む音)』


「式神をクッションにしていなければ、首を刎ねられていた……」


「やりますね、貴方」


「ハァ?」


「私はいま、極上の喜びを覚えています」


「万人の願いは幸福であることです。万人の願いである以上、我々は一人残らず、少しも余さず幸福でなければならない」


「毎分毎秒」


「二十四時間」


「三百六十五日」


「そして、万人の終点である死はハッピーエンドでなければならない」


「感謝ですよ、感謝」


「感謝がそれを可能にする。私の死も。貴方の死も」


「フゥン……」


「フゥ」


「フゥ」


「……」


「……」


「ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……」


「全ての生命に、感謝」


「全ての死に、感謝」


「強敵との出会いに……。感謝」


『ザシュッッッ(首を刎ねる音)』

































































































































「雪だるま作ろ〜」


「ドアを開けて〜」


「なんて……」


「無様な有様ね。アリエル」


「エルサっ」


「なんの用よ。嗤いに来たなら殺すわよ」


「その怪我で、よく去勢が吐けるわね……」


「氷、氷は任せろ」


「おいらが溶かしてやる」


『カルシファー……』


「ミクさんは休んでいてください」


『キッコロ君』


「貴女の水流を凍らせて、氷の礫を彼らに降らせましょう」


「面白い光景になるわ」


「共闘するっての?プリンセス同士が?」


「あり得ない……」


「浦安がスポンジ・ボブに占拠された」


「!?」


「理解ってるでしょ。本国と浦安は仲が悪い。勿論、上海ともね」


「はいはい……。めんどくせ」


『なにか来るよ、キッコロ君』


「スタジアム周辺の木々は、トトロとの戦闘で滅茶苦茶だ……」


「ただ、僕の生命エネルギーを流し込めば回復する」


『でも、そんなことをしたら』


「いいんです。これが、僕の役目だから」


「ごめん。お爺ちゃん」


「大阪万博は、生きて見られそうにないや……」


「大好きな祖父の元へ送ってあげるわ」


「アリエル」


「命令すんな」


『ずにゅうううううううううううううううううん!!(時空が歪む音)』


「ここは公衆便所ですか?」


「ゲロ以下の臭いがします」


「!?」


「誰。この子」


「知らない。最近の子じゃない?」


『あの子は……』


「揃いも揃って、酷い面ですね」


「子宮からやり直したらどうですか?」


『チノちゃん……!?』


「気安く呼ばないでくださいよ。年増が感染る」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ