【】おぉう すと れぃりあ ぁ【】
「は、灰原さん」
「デーモンコア君は、博士のところにいるんですよね?」
「ええ」
「焦る必要はないわ。春日部防衛隊は半壊したけど、まだ野原家が残っている」
「野原ひろし……。生物兵器として調整された自律型アンドロイドですよね」
「彼の靴下を一度嗅げば、嗅覚のみならず味覚、視覚、場合によっては聴覚にまで致命的な損傷を負うと言われているわ」
「元太君の容体は」
「元気なものよ。そうなるように調整してあるから」
「よかった……」
「デデデ大王が裏で手を回しているわね。混乱に乗じて、おじゃる丸が征夷大将軍に任命される運びになってる」
「えぇえ!?」
「民放ではなく、NHKこそ正当な血族だとする一派は一定数存在する。おじゃる丸はその筆頭」
「ここ数日、各地で保守派の人間が次々と消されているわ」
「まさか」
「動いているのね。忍たまが」
「それって……」
「稗田八方斎率いる、特殊暗殺部隊ですよね」
「そう。黒尽くめの連中とも仲が良い」
「まずいですよ」
「本来なら、阿笠博士の護衛にも人員を割きたいのに……。そんな余裕はまるでない」
「こんな時、コナン君がいてくれれば」
「ロンドンの件が早々に片付けば、いいのだけれどね」
「……」
「磯野カツオ」
「え?」
「彼もまた、黒尽くめの連中に例の薬を飲まされた一人よ」
「……ッ!?」
「あ、いや」
「そうですよね……?ずっと疑問だったんです。彼は、長女のサザエとは二つ違いの筈」
「それで小学生というのはおかしい」
「こちらの事情を知っている人間と、できるだけ多くパイプを繋いでおきたい」
「花沢さんに連絡してみます」
「それから」
「まだ、心当たりのある誰かが?」
「ええ……」
「まるちゃん」
「それから、たまちゃん」
「あの二人は、できれば巻き込みたくなかったけれど……」
「彼女の性格じゃ、どうせそれも無理でしょうね」
「私、人間の身体を手に入れたらやってみたいことがあったの」
「そこら中を走り回って……。なんて言うんだっけ?」
「そう」
「道〜」
「脚か、声帯」
「アリエルのメン限秘技は、対象からそのどちらかを奪う」
「……ッ!!」
「咄嗟に後者を選んだね。そりゃあ、戦闘に必要な部位は残すか」
「がががぼぼぼぼがががが」
「ぼーちゃん!!」
「まずったね……。アリエル君の発生させた濁流、それに彼が取り残された」
「どうするのだっ」
「私が行く」
「男梅さん!?」
「伊達に、滝に打たれてはいないさ」
「次のエレクトリカルパレードが放たれる前に、決着をつけないと……。濡れた状態じゃ、威力が上がってしまう」
『ずにゅううううううううううううううううううん!!(時空が歪む音)』
「え」
「なんだ、これ」
「プリチケ……!?」
「真中らぁらの能力は、こちらがプリチケをパキる行為に同意しなければ無力だと思っていた」
「まさか、水圧を利用して無理矢理パキらせるなんて……」
「真中らぁら本体はどこにッ」
「アリエル君、一時休戦だ!!」
「ん?」
「ぼががが、ががががががががが」
「ぼー様の息も持ちません」
「ウォーリー!!」
「理解ってるよ……。隠れるのが得意な僕なら、探すのも得意」
「いた。スタジアムの二番出口」
「そう」
「れっ!!」
「2tトラック!?」
「当然、ハッピーセットの景品化させた対象を、元に戻すこともできるんだよね」
「道化師の僕なら、体術の強化を怠っていると思ったかい?」
「140kmは出ているぞ」
「私の能力で、林檎三兆個分の重さを加えたわ」
「本来の荷台なら、到底収まり切らない量ね」
「間に合うか……」
「その女に、プリチケをパキらせるな!!」




