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【】よ う め いしゅ【】

「闇雲に努力し続けても、トップアイドルにはなれません」


「強さってのは相対的に定義されるものでね……。本気で頂点を目指すなら、敵対するアイドルたちを一人ずつ間引いていくしかない」


「手始めに、お前だ」


「かなたそ」


「こんな形で、俺氏と戦り合いたくなかったよ……」


「俺氏が死ねば、俺氏の作風に同調する半グレたちがどう動くか知れたものじゃない」


「そうなれば、お前の愛するへい民たちもタダでは済まないだろうな」


「……ッ!!」


「アイドルってのは不自由だよなあ……。ファンがいないとなにもできない」


「まずはかなたそ。お前を潰し、ホロライブ全体の求心力を低下させる。メンバーを失い動揺した他のホロメンたちを順繰りに始末し、いずれはカバーそのものの経営を立ち行かなくさせる」


「そうすれば、俺氏がトップアイドルになることも容易い」


「お前は、なにがしたいんだ……」


「そんなの、アイドルがやることじゃない!!」


「勝手に決めつけるなよ。多様性の時代だろう?」


「いつだって、覇権を取るようなアイドルたちは新機軸を生み出してきた」


「お前たちが受け入れられているのは、新しいからだよ」


「新時代を予感させるバーチャルという存在。旧態依然としたオタク業界はそれに飛びついた」


「俺氏のやり方は反感を買うだろう……。だが、令和のインターネットで我が物顔で振る舞うホロライブに対して一矢報いた存在として、ダークサイドの英雄として崇める連中も必ず出てくる」


「俺氏は、きっとそういう役目なんだ……。お前たちが光り輝く為に必要な、陰」


「俺氏……」


「まさか、僕に握り潰されることを前提にこんなことを」


「さて?」


「どうかな」


「夢を見ていたんだ……。脱衣ブロック崩しが存在する世界。あの頃のままのインターネット」


「だが、気づけば俺氏が老害だった……。俺氏はお前にこれからの未来を託し、ここで散る」


「そういうシナリオはどうだ?」


「……」


【却下、だな】


「ずーはー!?」


【これを見ろ】


「これって……」


【×××(ピー)の○○○(バキューン)だ】


「なんて?」


「こんなもの、一体どこから」


【知りたいか?】


【だったら、ヴィランごっこはもうやめろ】


【お前の拳は、誰かを傷つけるのは向いてねえよ】


「ちっ……」


「お前ら、俺氏が簡単に絆される男だと思いやがって」


「違うの?」


【もう、見透かされてるぞ】


「そうか」


「なら、いい……」


『ずにゅううううううううううううううううううん!!(時空が歪む音)』


『ラキッ?』


「あ。ラッキー」


【そういや、この前もいたな】


「……ッ!?」


【どうした?】


【なに、そんなにビビってんだよ】


「落とし物とか持ってないかな」


「い、いや……」


「俺氏の、考え過ぎだといいんだがな」






































































































「ミライトワとソメイティがそうだっただろう」


「大会運営で一悶着あったとしても、子供たちの夢と希望を背負って笑っていなければならない」


「マスコットとは、そういう存在なのだ」


「男梅さん……」


「でも、サワーズのCMに出てくる異様に怖い亀との戦闘で致命傷を負った筈じゃ」


「その通りでございます」


「男梅様がトゥルーフォームで戦えるのは一日五分程。日に日にその間隔は短くなっています」


「そんなっ」


「だがな、ずんだもん」


「私たちには、理解っていてもやらねばならぬ時がある」


「平和の象徴としてのマスコット。その背中だけは、護り通さねばならんのだ」


「マックライオンのミサンガ……。借りるぞ」


「男梅さんッ!!」


『楽天カードマーン!!』


「「「「!?」」」」


「なんだ、いまのは」


「一瞬……。いや、五秒間」


「時間が飛んだ?」


「スキップ不可能な五秒間を、対象に強制する能力」


「彼が、来ているのか」


「ハハッ⤴︎」


「え?」


「面白そうなことをしているね」


「何故、貴方がここに」


「キティちゃん」


「奴は、必勝の領域である夢の国を出る筈がない……」


「そう思っていた」


「いいえ」


「思わされていたのね」


「浦安に展開されている夢の国は消えていません」


「それじゃあ……。兄さん」


「マジかよ」


「丸腰で、本丸に突っ込んできやがった……ッ!!」

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