【】ふ らいど ち きん【】
「人のポケモンを盗ったら、犯罪!!」
【なんかそういう法律でもあるんですか?】
「いや……。ないけど」
【こ、こいつ】
【色違いのアルセウスが五十匹!?改造だ!!】
「なんかそういう根拠でもあるんですか?」
【改造キッズがよお……!!】
「金コイが進化すると赤いなあに戻っちゃうの、なあぜなあぜ」
「ここに、ナナカマド博士から預かっている三体のポケモンがいる」
「だが、研究に明け暮れたせいでナナカマド博士は人格を失い、彼自身がモンスターと変わらなくなってしまった……」
【雑なエバーテイルやめて】
「個人的にはエバーテイルの広告も嫌いじゃないんですよね。宣伝するからにはブチ上げた方がいいじゃないすか」
【見ろよ、二年B組のハリテヤマ子。ああ見えて夜な夜な男子を食いまくってるらしいぜ】
「ええ!?アレで?」
【ふふ……。男子たちが知らない、私の隠された一面】
【俳優のY氏も愛用しているこの除毛クリームを使うようになってから、金運上昇、司法試験にも合格したし、ちなみに彼氏はキリトに似てる】
【異性からモテる為の秘訣は清潔感だって聞いていたけど、それ本当。私がこの除毛クリームを使うようになってから、祖父の病気は完治するし、地球温暖化は改善され日経平均株価は類を見ない好景気に突入したわ】
【知っているか知らないかで、人生と収入は本当に大きく変わります】
「但し!!この広告はあと一分で終了して、二度とあなたの前には表示されなくなります」
「本気で人生を変えたいと思っているそこのあなた。動画下のボタンから登録ページに進んで、仮登録だけでも済ませておいてください」
「転売のような他人に迷惑のかかるやり方ではありません。いまでは、全国で実に279人もの人々が実践するメジャーな副業です。一日数分スマホをポチポチするだけで、経済産業省が推奨するカンタンで効率の良い副収入を手に入れてみませんか?」
【よお、俺氏。最近どうだ?】
「あー……。実は最近、金欠でさあ。こんなご時世だし、仕方ないよな」
「って……。お前、なんだよその高級車に高そうな時計!!ただの平社員の筈のお前が、どうやったらそんなブルジョワ気分になれるんだよ」
「まさか、犯罪にでも手を出して……」
【違ぇよ。秘密はこの、スマホでカンタンにできるイマドキ副業】
「スマホでカンタンにできる、イマドキ副業〜?(復唱)」
【俺も職場の先輩に勧められたんだけどさ、一日たったの数分で、Vtuberの配信で草って打ち込むだけのカンタンなお仕事なんだ】
「マジかよ。あのVtuberの配信で草って打ち込んでる暇そうな奴ら、アレ全部副業だったのかよ」
【そうそう。Vtuberの配信は所詮、草って沢山流れてれば盛り上がってる風に見えるって統計データも出てるからな】
【草の他にも、うんうん、なるほどコースも用意されているぞ】
「自分の特性に合ったスタイルで、Vtuberのコメント欄を賑やかすだけでお金が貰えるのか……」
「面白そう!!俺氏もやってみゆ」
【但し!!ご注意ください】
【この副業は大変人気が集中していて、いつ定員に達してしまうかわかりません】
【そうなる前に、画面下の青いボタンをクリック。あなたが楽して稼ぎたい、より豊かな人生を送りたいと思うのなら、絶対にこの機会を逃してはいけません】
【想像してみてください。現在の収入のままなんの変哲もない生活を送り続けるのか、Vtuberのコメントに草と打ち込むだけで臨時収入を得てより充実した休日や友人関係を手に入れるのか】
【些細なきっかけで、人生と収入は本当に大きく(以下略)】
「みなさんは、実はヤバいナナカマド博士の秘密について知っていますか?」
「今回の動画では、意外と知られていないナナカマド博士のヤバ過ぎる生態BEST4を紹介していこうと思います。尚、内容についてはうp主が独断と偏見で編集している為、不愉快に感じられたら誠に申し訳ございません」
「第四位。早漏」
【五条勝はネタポケ扱いされがちだけど、実は種族値も560あるし環境でも雨パで使われることがあるガチポケなんだよな】
「そうそう。夏の劇場版に伴った人気投票で一位になったのも実力だよな」
【劇場版ポケットモンスター&力士娘ドスコイダービーRISINGSOULな】
「マルフォイ役の花澤さんが凄まじい怪演で話題になったよな……。興行収入で言ったらゴジラVSメカYAGOOにも匹敵する勢いだったらしいからな」
【確か劇場では色違いのナナカマド博士が配布されたんだよな。しかも、特性は激レアの早漏】
「そうなんだよ。早漏のポケモンはソーラービームとかのチャージする系の技がすぐに撃てるからな」
【その代わり、PPの消費が二倍になるってデメリットもあるけどな】
「お腹PP天使P」
「かなたそはいずれ、源さんとも激突することになる……。その前に、福留戦を乗り越えられれば、だけどな」
「ここはどこだっぴ?」
「かつて、厄災クラスの力士娘が封じられていたとされる祠なのだ」
「ここに残った残穢を辿り、今回の事件を引き起こした力士娘の居所を探って欲しいのだ」
「っぴ〜」
「流石の僕でも、一騎討ちで勝てる公算はないっぴ」
「和田どんや電子さんはお前を気に入っているようだけど……。僕はまだ認めていないのだ」
「もし本当に僕たちに協力する気があるなら、ここでの活躍を誓って欲しいのだ」
「どうして、みんなは組織として動いているっぴ?」
「足枷も多い。それでも徒党を組むメリットを教えて欲しいっぴ」
「人生に愛は必要だが……。生活に必要なのは、金なのだ」
「そして、金を生むには組織での連携が必要不可ケツ」
「御託はもういいのだ?」
「う〜ん」
「正論は味が薄いから、すぐに食べ飽きちゃうっぴ」
「ちっ」
「ガキが……!!」