【】ふぉん だん しょ こら【】
【こんな場所に、街なんてあったか……?】
「確かに古びた雰囲気だけどさ、見ろよ」
「このゲーセン、脱衣ブロック崩しが遊べるってよお!!」
「それだけじゃない……。歴代のエロフラたちが、アーケードで再現されてるんだよ」
【待て、俺氏。これだけの施設が稼働してるのに、街がゴーストタウン同然なのはどう考えてもおかしい】
「あ〜……?」
「そんなことより、ずーはーも楽しもうぜ。こんな機会、次にいつ訪れるか知れないんだから」
『もおりぃふぁんたじい〜……』
「ほら。モーリーの歌もちゃんと流れてる」
【こんな死にそうな感じじゃなかっただろ!!もっと明るくポップな感じだっただろうが!!】
「しかもこれ、無料だぜ?ここは天国かよ」
「まともに生活してたって、イイことなんて殆ど起きない……」
「昔の作品について語れると嬉しいけど、同時に月日の流れを痛感して虚しくもなる。インターネッツ老人会を馬鹿にすることは、俺氏にはもうできないよ」
「老害たちの背中を追いかけてきた筈が、いまでは俺氏たちが老害さ……。笑っちまうよな?」
【それは違う……。確かにあの頃の作品を語るのはめちゃくちゃ楽しいことだが、あの頃が楽しかったのは、その先の未来が輝いて見えたからだろ!?】
「……」
【俺たちはその先を生きてる……。これからだって新しいコンテンツは無限に生み出される。それを楽しむ心を失ってしまったら】
「そんなこと、俺氏が一番理解ってんだよ!!」
【俺氏……】
「脱衣ブロック崩しはさ……。俺氏の親代わりなんだ」
「寂しい時に、いつも寄り添ってくれた。それから、何故か触手系の画像がめっちゃ多い」
「青春時代……。一度しか訪れないとされるそれは、強烈な光を放って俺氏たちを縛りつける」
「過去の、美しい思い出へとな」
『パァンッッッ!!(平手)』
「……!!」
【馬鹿野郎……】
【お前にどんな過去があったかは知らねー。それは、お前自身が大切にしなきゃいけないもんだからな】
【俺だって、お前に話してない過去なんて腐る程ある。だが、それは消し去りたいような過去だから話してないワケじゃない】
【俺たちがこうして過ごす一分一秒が、また新しい過去になるんだ……。美しい思い出だって、最高到達点がそこだとは限らないだろ?】
「でも、俺氏は……」
「これ以上、失うのが怖いんだ。エロフラも……。そして、仲間たちも」
『パァンッッッ!!(二発目)』
【消えたエロフラばかり数えるなあ!!】
「……!!」
【時は経つ。恩師と親は先に死ぬ。そんなこと、俺たちが憧れた先人たちはみんな経験してきたことだ】
【そして、俺たちの背中を見て育つ連中がいる。お前はもう、そいつらのことを無視できない筈だぜ】
「ずーはー……」
『パァンッッッ!!』
「……!!」
【これは私怨だ。他意はない】
「エロフラ……。イイ奴だったょ」
「俺氏たちは大人になっちまった。だったら、大人流の愉しみ方をしなくっちゃなあ……?」
【お前、それって】
「駿河屋で買った。かつての作品たちの同人誌だ」
「世代だったポケモンのヒロインとかジムリーダーとか……。そこら辺のキャラのエロ同人って妙に萌えますよね」
【一緒に育ってる感があるからなぁ……】
「そういう意味では提督や指揮官、先生をやるより俺氏は抜ける。あと、やっぱあれらはノンケ向けな気がする」
【性欲全盛期の思春期だと逆に、恥ずかしくて手を出しにくいみたいなとこあるしな】
「男女の性欲曲線をデザインした神はマジで天才なんだろうな。知らんけど」
【パルデアにも、大穴はあるんだよなあ……】
「なんで俺氏、FGOのアニメ観ただけでブチギレられたんだろ」
【FGO自体をやってないからだろ?】
「なのかなあ……。普通に面白かったんだけど」
【あと、単純にお前のことにブチギレてたんだよ】
「あっ」
「不思議なもんだ……。失ったと思ったものでも、案外すぐ近くに落ちていたりする」
【形が変わってたりするから、初見じゃ気づかない】
「高校時代に書いた短篇が、結局は生涯での最高傑作なような気がする……。と思ってるからこそ、好き勝手できてるのかも知れないけど」
【人に歴史アリ……。出会ったのは全くの偶然でも、それからの日々は確かに刻まれていってる】
【俺たちが出会う前の過去がどうであれ、それからの日々が俺は案外、嫌いじゃなかったりするぜ】
「ずーはー……」
「ありがとね。俺氏が寂しい時、なんだかんだ寄り添っていてくれたのは、ずーはーだった」
【俺氏……】
「ばっ……。でも、勘違いしないでよね!?」
「感謝してるって話。別に、それ以外の感情なんてないんだからっ」
【にしても、このゲーセン暑くないか?】
【上着でも脱ぐか……】
『ふあっすあ……(上着が床に落ちる音)』
「も、もお〜!!」
「無自覚だとしたら、鈍感過ぎるんですけど」
【なにがだ?】
「もう知らないっ」
「こんなこと続けてたら、心臓そのものが爆発しちゃうよお〜……!!(小声)」
「さかまたのエッッッなイラストはすごいよく見るんだけど、おシコり申し上げるか否かすごい微妙なラインなんだよなあ……」
【ここに、大切フォトグラフがある】
「お前、それって」
【名前を呼んではいけないあの方のことを、呪術総監部は特級仮想怨霊に指定することに決めた】
【俺たちもいずれは、死後呪いに転じたYAGOOと戦うことになるだろうな】
「はあ〜あ……」
「個人的にはまだサスケのつもりでいても、いつの間にか大蛇丸の方になってたってことは、よくあるよな」
【サスケきゅん……】
「ちいかわってアレ……。百合だよな」
『ずにゅうううううううううううううううううううん!!(時空が歪む音)』
「妖精さん!?」
【一体どうした】
「た、大変だっぴ」
「なんやかんやで、うちらの学校が廃校することになってしまったっぴ〜!!」
【え】
「ええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
【デュエルに一番必要なのは、一緒に遊んでくれる友達なんだよな】
「おい馬鹿、やめろ」
【でもまさか、スクールデュエルアイドル(e-sports部門)が創設されることになるなんて】
「学園長の肝煎りでさ。全国大会に出場すれば、5000億円の大金が手に入るらしい」
【王都決戦でYAGOOが死んでから、YAGOOクソコラ選手権は中止になっちまったもんな……】
「無理もないさ」
「遅かったな、馬鹿ども」
【かなたそ】
「かなり苦労したよ……。カードを握り潰さずに握る練習をさ」