【】ち ゃ ん こ【】
『スターテンド ぺぇぺぇスタジアム』
【こんなんじゃ、愉悦が足りねェ……!!】
「ここで勝った方が、次のマゾ男帝に選ばれる」
「悪いが、殺す気でいかせて貰うぞ」
「ずーはー」
【はっ】
【望むところだってんだよ】
【俺氏】
「まずいわね……」
「二人とも、あれは本気よ」
「止めに入らなくてええんか?」
「いいや、その必要はないよ」
「かなたそ」
「霊長類最低な男に贈られる称号、マゾ男帝」
「クソマゾの代表として相応しい人間か否か、見定めさせて貰おうじゃないか」
【ロフマオの魂を、この一撃に込める!!】
『バリィィィン!!(俺氏のシールドが砕かれる音)』
「トリガーチェック……」
「トリガー、無し」
【運にも見放されたみたいだな、俺氏】
「さて」
「そいつはどうかな」
【まさか】
「頼むぜ、妖精さん」
「任せるっぴ!!」
【ここで、バディを引き当てたか】
「ピッピ・タコッピの効果で、手札にあるクソマゾドラゴンの召喚コストを軽減することができる」
「出でよ、我が切り札」
「アクアマリン・ファーストテイク・クソマゾドラゴン!!」
「召喚時の効果で、お前の場にあるコスト5以下のクソマゾたちを手札に戻す」
【ちっ……】
【だがいいのか?戻したことで、こいつらの召喚時効果をもう一度使えるぞ?】
「アクアマリン・ファーストテイク・クソマゾドラゴンは、地方予選でも頻出の定番切り札」
「その対策に対する対策を、この俺氏がしていないとでも思うか?」
【なんだと】
「手札から、たその十戒を発動!!」
「その効果により、どのプレイヤーもコスト5以下のクソマゾを出すことができなくなった」
【諸刃の剣だぞ】
「その為の、ピッピ・タコッピさ」
「タコッピの効果でアクアマリン・ファーストテイク・クソマゾドラゴンを呼び出し、たその十戒で完封する」
「それが、俺氏の黄金パターン」
「アクアマリン・ファーストテイク・クソマゾドラゴンを除去する手札がなければ、お前の負けだ、ずーはー!!」
【なるほどね……】
【小型獣たちを召喚できなくさせる効果、確かに厄介だ】
【だが】
「なんだ……!?」
「この気配、まさか」
「ずーはーの手札に、切り札級のクソマゾが眠っているというのか?」
【ロフマオの魂は破壊された時、次に召喚するクソマゾのコストを四つ下げる効果がある】
「なんだって」
【千年の封印から目覚め、現れよ】
【道明寺晴翔(三代目)!!】
「さ」
「三代目だと……!?」
【召喚時効果で、墓地にある道明寺晴翔の数までカードを引いてもよい】
【そして、勝利の女神は俺に微笑んだらしい】
「い、一体なにを」
【俺は手札から、天使アマーミャの加護を発動!!】
「ア、アマーミャだって!?」
「どうしたんや、かなたそ」
「貴女、そういえば天使族だったわよね」
「天界からは追放されたけどね……」
「天使アマーミャの階級は、超天使」
「言わずもがな、大天使すらも凌ぐ存在だよ」
「大天使すらも……!?」
「ふぅ〜ん?」
「なかなかやるじゃない」
「ま、天使具合で言ったら、私の次くらいがお似合いなんじゃなぁ〜い?」
「セラピ〜!!」
【アマーミャの加護によって、このデュエル中、コスト8以上のクソマゾから受けるダメージをゼロにする】
「つ、つまり?」
「アクアマリン・ファーストテイク・クソマゾドラゴンが、実質的に封じられたっちゅうこっちゃ」
「これは、泥仕合の気配がしてきたわね」
【まだまだいくぜ】
【俺は、バトルゾーンの道明寺晴翔(三代目)と墓地にあるロフマオの魂を、メルカリで売却】
「なんやて!?」
「まだデュエルの途中だぞ」
【デッキから、山田涼介を召喚する!!】
「ジャ」
「ジャニーズだと!?」
「ジャニーズ相手に、インターネッツ・サバイバーが勝てる筈がない……」
「ふん」
「策を弄したな、ずーはー」
「だが」
「俺氏もチェーンして、アクアマリン・ファーストテイク・クソマゾドラゴンを駿河屋に売却」
「だから、まだデュエルの途中だぞ!?」
「デッキから、田所あずさを召喚!!」
「せ」
「声優だ!!」
「今度は声優が出てきた」
「しかも、田所さんは言わずと知れた水戸市の英雄」
「広い意味で俺氏と同郷という謎のアドがある」
「まずいわね」
「せやな」
「なにがまずいの?」
「クリエイターやインターネッツ・サバイバーなど所詮、声優を前にすれば一般オタクに成り下がるしかない下等生物」
【このままだと、このデュエルそのものが成り立たなくなるかも知れねェ】
「そ、そんなのってないよ」
「ここで次のマゾ男帝を決めないと、クソサドたちによって世界が破壊されちゃうかも知れないんだよ!?」
【はっ】
【なに、他人事みてぇな面してんだよ、たそ】
「え……?」
「BANオーラを譲渡するメン限秘技、キセキ結び」
「もし俺たちが共倒れした場合、かなたそ」
「お前がマゾ男帝になるんだ」
「いや、生物学上は女なんですけど」
【男とか女とか、そういうのにこだわってる時代じゃないだろ】
【即ち、多様性である】
「多様性なら、仕方ないね」
「仕方ないか……?」
「人は問う。何故、人は争いをやめないのか」
【ならば、俺たちはこう答えよう】
「理解り合えないから戦うのではない」
【理解り合う為に、戦うのだ】
【と】
「今年度のマゾ男帝を二人選出する……!?本気ですか、ロペスさん」