表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/37

第5話


 後輩達が立ち去って残されたのは俺とうつむいた小柄な眼鏡の少女だけだ。

 この少女も俺のことを知っているのだろう、先程の台詞を聞いて真っ青な顔でうつむいて震えている。

 だからなるべく優しい声で話しかけてやる。


 「大丈夫か?いじめられてるんじゃないかって声を掛けたんだが……余計なことをしたか?」


 その声を聞いて少女はこちらに顔を向けた、それでもまだ緊張して声は出せないのか顔をぶるぶる横に振った。


 「そうか、余計なことじゃなかったなら良かった。なぁいつもこんな事があるのか?」


 少女は泣きそうになりながら軽く頷く。


 「そうか……友達とか……誰か助けてくれる人もいないのか?」


 少女は口を尖らしてまた軽く頷いた。今は少し涙が流れていた。


 そう……だから以前もこんな話を持ちかけたんだ。


 「じゃ、俺とつるんでることにしな、そうすればああいう奴等は手出ししなくなるから」


 そう言ったら少女は驚いた顔をして少し考えて


 「……………………はい」


 と小さな声で返事をしたのだった。これが以前の記憶では可哀想な短い人生を送った鳴海蛍(なるみほたる)との出会いの場面だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ