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第四話 試験

 拳大の【火種】がルーイさんを捉えた。


 直後、



 ーーードォーーーーーンーーー



 またもや舞い上がる土埃。だけど今までとは違う手応えだ。当たる瞬間、淡い光が見えたがそれは弓や剣での攻撃の時より薄かったように感じた。



 次第に土埃が晴れてそこに見えるルーイさんの表情は先程までの涼しげな表情ではなく、その顔にうつるのは間違いなく驚愕。


「おい!ばーさん!どーなってんだこりゃ!」


「わかっておる!わかっておるが……しかし……」


 ルーイさんはこちらを向き、暫くして声を掛けてきた。


「お前、すげーな……青カードなんだろ?」


 ルーイさんが話しかけてくれているのに大変申し訳ないけど、今の俺には返事を返す余裕が全くない。事実、片膝を地面に付けている状態だ。


【火種】を大きくする時に体の中の力を使うが、さっきの一発でほぼ使い切ってしまった。二発目を使おうとすると気を失ってしまう。前に試したから間違いない。


「俺に普通の打撃と斬撃はきかねぇ。……俺のジョブは【守護者】だ」


「ルーイ!」


「黙っとけばーさん!……【守護者】ってジョブはな、防御系のスキルを覚えやすい。俺は、あらゆる攻撃に耐性を持ってる。ただ、そん中でもなぁ、スキルと魔法の耐性が低いんだ」


 何故かルーイさんが自分のスキルについて喋り出した。でもなるほど。だからさっきの【火種】が当たった時は光りかたがいつもと違う感じだったのか。


 砂時計を見ると、もう半分以上落ちている。少しずつ体の中の力が回復してきたけど砂が落ち切るまでに、もう一発打てるほどは回復しないだろう。


 スキルの耐性も低いって言っていた。俺もスキルを持っているが【鑑定】にどの様な効果があるのか分からない。


 だけど【火種】が打てない以上試してみるしかない。

 俺はルーイさんを見なが心の中で唱えた。



 ーーー【鑑定!】ーーー



 ーーーーーーーーーーー

 名前  ルーイ ジョグ

 年齢  三十歳

 種族  人族

 ジョブ 守護者

 スキル 光鱗(発動中)

 ーーーーーーーーーーー



 これが【鑑定】の力?相手のステータスが見えるのか?スキルの所に【光鱗】とある。これが恐らくルーイさんの周りに見えた淡い光の事だろう。他にも、うっすらと文字の様なものが見えるが薄すぎて読む事ができない。とりあえず【光鱗】の文字を見ていると、



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 光鱗 防御系複合スキル

 効果 斬撃吸収 衝撃吸収 スキル耐性(小) 

 魔法耐性(中)

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 突然表示が変化した。スキルの詳細?について色々書いてある。

 斬撃吸収。このスキルの効果で全然斬った手応えを感じなかったのか。先の潰れた矢の方は多分衝撃扱いだったんだろう。でも【火種】は魔法耐性が(中)だから少しはダメージが通ったんだ。ただ問題はもう【火種】が使えないって事だ。

(発動中)とあるがこれ程の能力がずっと維持できるとも思えない。恐らく時間制限等、何かあると思うけど、それでも砂が落ち切る前に効果が切れる事はないだろう。


 残る希望はスキルだけだ。


 職業降ろしの際、ステータスを開いた時にあった【鑑定】を見ていても表示に変化は無かった。だけど今、【鑑定】を使って見えたステータスの方だと見え方が変わった。自分に掛けられるかは分からないし、見えるかも分からない。それでも俺は一縷の望みをかけて【鑑定】を唱えた。



 ーーー【鑑定!】ーーー



 ーーーーーーーーーーー

 名前  マイル クロウリー

 年齢  十五歳

 種族  人族(◼️◼️◼️)

 ジョブ 鑑定士

 スキル 鑑定 「瞬千突(しゅんせんとつ)」「富嶽絶景」「輪廻豪炎」

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 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 ーーーーーーーーーーー



「うわぁっ!!!」



 突如視界が文字で埋め尽くされた。文字が多いのはスキル欄の所だ。【鑑定】の様にはっきりした文字ではなくやや薄い。それでも読める。他にもぼんやりと読めるのもあるし、辛うじて読めるもの、この一覧に無ければ文字として認識出来るか怪しいもの、一部欠けているものなど様々だ。


 その中でも一番濃く見える「瞬千突(しゅんせんとつ)」を見た。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 99999999999999999997

 /100000000000000000000

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 俺はこの数字の意味を唐突に理解した。



 ルーイさんの元へ駆け、拳を突き出す。



 ーーーイイィーーーンーーー



 もちろん【光鱗】に阻まれる。ルーイさんは黙って見ているだけだ。


 俺はもう一度自分に【鑑定】を掛けて、「瞬千突(しゅんせんとつ)」を見る。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 99999999999999999998

 /100000000000000000000

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 やっぱり!この数字は俺が今まで拳を放った数だ!


 もう一度拳を突き出す。



 ーーーイイィーーーンーーー



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 99999999999999999999

 /100000000000000000000

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



『じいちゃんすっげーーー!!!俺にも出来るかな!』


『凄いじゃろ!もちろん、マイルにも出来る!その為にはのぉ……』




 ルーイさんの正面。左足を前に右足を後ろに引き、腰を右足に乗せる様に落とす。狙いをつける様に左の拳を向け右手を……引き絞る!爺ちゃんに教わった型だ。構えと同時に全身から赤い光が迸る。



「ルーイさん、ありがとうございました。そして気を付けて下さい。この拳は……山をも穿ちます!!」




 ーーー【瞬千突(しゅんせんとつ)!!!】ーーー









































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