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不安定

作者: 甘楽




見たく無いものは見えない眼球

耳触りの悪い音は響かない鼓膜

嫌いなものは受け付けない口腔

不釣り合いな程に我が儘な顔面

都合が良いものだけで形成した

薄汚い木偶の坊な貴方の為の躰


余りにも不安定なこの感情が

何時しか恋とか云うものになって

心の風穴を埋めるかのように

今日も今日とて禍々しく廻るのよ

存在しない恋慕を重ねてく度

黒い霧がみたいな気持ちが溢れた

広い世界で唯一つの貴方には

涙なんか似合わないのでしょうね


希望の明日などある筈がないのに

幾年たっても信じてしまう私達は

救い様の無いくらいに子供なのよ

貴方の弱さを私のせいにしないで

気付いた時には痛みが侵食してて

依存するみたいに今日も堕落して

逃れたいのに逃れられない私には

救世主様なんている筈もなけどさ

期待するのは悪い癖かも知れない


喉に何かがつっかえて息苦しいし

吐き出した弱音は無視されるから

結局は溜める亊になる利己的感傷

虐げられる正義なんてただの偽物

子供染みた考え方の理屈を並べて

鎖で綴じ込めた部屋にまた逃げる

無責任に放つ言葉が昨日も今日も

背中に付きまとって離れないのだ


建前だけの愛と作り物の薄い笑み

歪に逸れた君の面影が簿やけてく

何処にも逝けないからそこにいて

嘲るかのように私を見て呟くんだ

"本当は全部気が付いている癖に"

掌から落ちていった憐れな友の事

モノトリアムに縛られた恋人の事

金とか強欲に支配された両親の事

黒く汚れ過ぎた私自身の精神の事

全て解って居たのに見えないふり

辛くない訳では無いけれど私には

それがたった一つの冴えたやり方


青春の墓場には愛と希望と未来を埋めて

現を抜かした日々にさよならを告げるの

救えない私達に平和という名の押し付け

幾度となく繰り返した強固な日々の硲で

枯れた声で色褪せた哀しみの詩を詠った

悲観的な檻の中に今日だって閉じ篭もる

形容しがたい喉の渇きが私に生を教える

一体誰でしょうなんて無空間に問う中で

木霊のように返って来た声は誰の物なの

酷く理不尽な世の中で今日も息をするし

辛く不条理な輪の中で明日も過ごしてく

変わらない事を罪とするなら私の日常は

余りにも愚かな聖者の様なものでしょう


届かない叫びが身を焦がすときに所謂

世界の優しさに気づくときが来るのか

終止符なんて討てないと気づいたから

大人になれない心情の中で荒れ狂うの

いつかきっとなんて言葉に溺れ死んで

過去も未来も今だって壊そうとしてる

戻らない日々の破片がまるで鋭利な刃

逃げれないから生きているの私達の嘘

さようならの五文字がこんなにも痛い

募り募った愛に終わりなんてないのに

歌のように唄い続ける今日の日々をね

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