冬への備え
今日も僕たちは、巣を堀り、餌を運んでいる。
数匹の若いアリが、集まって言う。
同じ事を繰り返しても、意味が無いと。
老人アリが言う。
出来る事を、一生懸命にするべきだと。
老人アリを突き飛ばし、若いアリは言う。
俺は、お前達とは違うんだと。
若いアリ達は、去って行った。
冬になり、アリ達は巣に篭った。
ある日、若いアリ達がやって来て言った。
俺達は、仲間だろう。食料を貰う権利があると。
老人アリは言った。
仲間は、傷つけない。権利とは何だと。
若いアリ達は、何も言わない。
誰か扉を開けるのだろうか?