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†軌跡その6

『霜柱』


凍てつく寒さに

意味さえ持たない不安が生まれる


あなたが

いつかの日のように

私を

手放そうとしていて


私には

懇願する権利さえ無い


ただ

あなたを苦しめたくない


凍るアスファルトに立つ

足元には霜柱

大地を持ち上げる


・・昔

誰よりも将来を

共に歩くはずだった

あの人が


わざわざ霜を踏んでいくのが

いとしくて

黙って見ていたっけ


そうだよね

この予感が的を射ても


ただ

あなたを愛したことを

抱きしめればいい


遠い遠いあの人を

何度も記憶の中抱きしめたように


そして私という

頼りない大地から

美しい霜柱を立てよう


底冷えを忘れるほどの

土に咲く宝石になれたら


あなたに言えるかもしれない


・・そばにいてほしいと





『ありえない星座』



あれ以来

本当の星空を見ていない


あなたと見上げた

天然のプラネタリウム

冬の初め


あなたは

私のくびの匂いを

吸いながら言った

「ひとりになってもふたりだから」


私はその背中に

両手を回しながら

降り注ぐ星たちを数えた


どうか届いて

私たちを

いつか一緒の舟に


それまで耐えるから

どんなに長い冬でも

・・どんなに凍てつく夜でも


今 こうして

ひとり見上げる夜空

そして

あなたの前には真白の雪


あの星空を

思い出と呼ぶようになっても


どうか届いて

私の心

いつかあなたのもとへ


二度とない奇跡でも

ありえる事ない夢だとしても


ふたりだけの星空

行方のない星座






























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