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†水面その12

『瀕死』



私はいったい何故


こんなに苦しんでいるのだろう



わたしはどうしてこんなに


空気を求めて喘いでいるのだろう



まるで瀕死の金魚のように



あなたと過ごす時間があんなに幸せで

どこまでもどこまでも二人で空を飛んで行けるのに

あなたの私を見る視線はいつも鋭くて

どこまでもどこまでも私の身を射ってゆくのに



・・・だけど


少しのズレで

私があなたを要らなくなっていることに気が付いてしまって


それは私を奈落の底に落としてゆく



あなたを愛することを私は愛していた

あなたを祈ることを私は守っていた




あなたの腕の中で溺死することを私は望んでいた

あなたの記憶の中で埋没することを私は待っていた





『本当に淋しいのは』



きっとね

どうしてこんなに切ないのかは




あなたが一番必要としているのが私ではなくて

私が一番必要としているのがあなたではないから




多分ね

こうしてこの指にあなたの背中を思い出せても



多分ね

どうしてこんなに哀しいのかは



あなたが一番愛しているのは私ではなくて

私が一番愛しているのがあなたではないから



あの頃

あなたの存在だけが私を勇気づけた

あのつないだ手のぬくもりだけでよかったはずだったのに



今の方が本当は淋しいのかもしれない

誰かのあなたしかもうあなたはいないから

誰かの私しかもう私には残ってないから



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