25/32
†軌跡その１６
『倖せだけ』
きっともう逢えないね
あんなふうに
でも
淋しいけれど
悲しくないよ
こんなにいっぱい
あなたとの日々を
私は抱きしめることができる
分かち合うだけが愛ではなくて
想い温める愛も確かに愛で
ただ ひたすら
あなたの倖せだけを
あなたの倖せだけを
どうか祈らせてね
せめて私より倖せでいて
でないとこの淋しさが
独りよがりになってしまう
あんなに大切だった
あなたとの時間
いつまでも私の中で
きっと輝くから
もう逢えなくても
声も聞けなくても
淋しいということは
ふたりだったということだから
悲しくないよ
あなたへの祈りを捧げるぶん
倖せだよ
ただひたすら
あなたの倖せだけを
あなたの倖せだけを
『手を』
手をふって
手をふって
遠いあなたに
手の届かないあなたに
見えるかな
見えるかな
見えなくても
見えなくても
手をふるよ
手をふるよ
届けたいのは手じゃないから
届けたいのは心
あなたのくれた手のぬくもりを
忘れないから
忘れないから
いつかあなたを
胸震わせず思い出せるようになっても
手をふって
手をふって
きっともうすべて夕暮れ
手をふるよ
手をふるよ
あなただけにどうか
届けたいのは心
届かないのも心
それでもいいよね
私が大好きだから
その存在だけで
今でも胸が震える
手をふって
手をふって
届かなくても
届かなくても
届けたいのは心
