†水面その2
『結論』
あなたを好きなだけでよかったことを
忘れていました
この気持ちだけは
始まりも終わりもなかったのに
いつか贅沢を望んでました
もう 大丈夫だよ
あなたは自由なんだよ
あなたの中で
縛られている私を
どうか
解放してください
逢えても
逢えなくても
この恋だけは残る
あの遠い春の日に
二人がいたことが
永遠のようにね
淋しくないよ
心配しなくていいよ
今までもそうだったんだもの
二人でいて
孤独を味わうなら
一人の孤独の方が
淋しくないんだよ
だから 大丈夫だよ
あなたは前を見ていいんだよ
あなたの中で
拘り続けている私を
どうか
解放してください
このまま
他人より遠い人になっても
この恋だけは残る
あなたを好きな気持ちだけは
私に残る
『闇からの声』
毎夜
耳障りな声に
怯える私
代わるがわる交代し
又はずっとそこに居座り
私に囁く
もうそろそろ
こっちへ来たらどうだ?と
そこには
私の知らない人
私の知ってる人
聞こえる耳を求めた人たちが
私には何もできない
私に
あなたたちは救えないの
もう少し時間をください
あと少し
あと少しだけ
私の隣にいる
私より大切な人たちが
私のことを
要らなくなるまで
もう少し
行き場のない声を
毎夜
もはや耳もない人たちへ