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純愛系ストーリー

春風の中に

作者: ムッチョ

僕はもうすぐ人生を終える。

ベットの上に寝ころんで春の日差しに照らされて、心地のいい春風が僕のしわしわの裸をなでていく。

天井は白く、周りもやけに明るい。


僕は人生を終える。


僕には愛する人がいた。

一生幸せにする。

一生一緒にいる。

約束はしてみたけれど、時間の流れには逆らえない。

愛する人に会ったのは高1の春、みんな初々しくて輝いて見える。

そんななかクラスの中で出会った君。

笑顔がかわいくて、一瞬で一目惚れ。

そのあと色々とチャンスを作ろうと頑張ったが全部失敗に終わった。

そんなこんなで歳月は過ぎ卒業式当日をむかえてしまった。

けれど、卒業式最後に君から学校の裏山にある桜の木の下に呼び出された。

そして

人生で初めて告白された、桜の木下、ピンクの花吹雪のなか、君はほっぺを真っ赤に染めて、僕に想いを伝えてくれた。

僕は嬉しくて、嬉しすぎて、高1の頃からの想いをぶつけてしまった。

君は目に涙を浮かべ、嬉しそうに泣いていた。

制服の袖で何度も何度も拭いている。

それでもポロポロ出てくる涙、拭きすぎて目のまわりも桜色になって。

今までにない最高の笑みを見せてくれた。

最後に僕は誓った。

学校が離れてもずっと一緒。

君は小指を出して僕の小指に絡めた。

君の手が触れて、温かくて、ドキドキしながらの指切り。


あの日以来、いっぱい笑って、いっぱい泣いて、時には怒って、仲直りをして、今度は僕がプロポーズ。

コツコツ貯めたお金で買った婚約指輪。

君があのときみたいに涙と笑顔。

僕は手の上に指輪を置いて、普段言わない、言えないことも不器用ながらに伝えて、君に誓った。

大切な君をこの手でどんなことからも守りたい。

君の前で誓った。

君は僕に抱きついて、体を小さく震わせて、僕も背中に腕をまわして、小さな体をそっと抱き寄せた。


それからの毎日、幸せな日々を送っていった。

子供のことで喧嘩もしちゃったけど、手を取り合って生きてきた。

ある年の春、子供自立して離れていき、僕らだけの時間が流れる。

人が居なくなるのは寂しかった。

数日後、二人で桜がたくさん咲く桜並木に。

木の下で昔を思い出して思いついた。

思い出深い桜の木の下で君にもう一度誓いたい。

学校に向かい告白された桜の木の下に。

指切りを交わして、最後の誓い。

ずっと一緒。

いつまでも。

二人ともいい笑顔だったと思う。


けれど、幸せはずっとは続かない。


ある日、家に帰ると笑顔で迎えてくれる君がいない。

家のなかを探せば君はいた。

台所で苦しそうに倒れてる。

すぐに病院に連れていき医者に診てもらった。

君に寿命が言い渡された瞬間だった。

彼女の人生をのカウントダウンが始まった。

それは同時に君と僕とが離れなければいけないカウントダウンでもあった。

僕は泣いた、君は見えないように、バレないように、ひっそり、こっそり泣いた。

でもダメだった。

君には何でもお見通し。

いつ、どこで、何回泣いたか、全部がお見通しのように僕にそっと抱きついた。

泣いてない、君はちっとも泣かない、泣くどころか頬をこれでもかと言わんばかりにつり上げて、いつものように笑ってる。

僕も笑った。

そっと君の体を抱きしめる。

情けない。

僕の目からはポロポロ水滴が落ちてゆく。

抱きしめて、温もりを感じて、髪の香りを嗅いで、君の全てが今ここにあることを実感して。


それからは一緒にいれる限り一緒にいて、君との思い出をたくさん作った。

海にも山にも川にも、行ける範囲で思い出を残す。

帰ってきたら一緒に撮った写真をアルバムに入れて、次に行く場所の話をする。


とても楽しく、ここまで有意義に過ごせたことは今までになかった。


けれど楽しいことには終わりがある。

とうとうその日がやってきてしまった。

僕の前にはしわくちゃで、弱々しくって、触れたら今にも砕けてしまいそうな君がいる。

ベッドの色と同化してしまいそうな君が。

君は僕を見て小指をそっと出す。

僕は涙を堪えて小指を絡める。

これがほんとに最後の誓い。


『また会おうね』


君の指から力が抜けていき、ベッドの上へと落ちていった。

僕は泣いた。

今までにないくらいに。

満面の笑みで横たわる君の隣で。


それから数年が経ち、とうとう僕にもその日がやって来た。

子供が居て、孫が居て。

僕はとても幸せだ。

死に恐怖は感じていなかった。

外の桜は風のせいで散っていく。

その桜吹雪の中に見覚えのある人が見えた。

そこには君がいて、昔のように満面の笑みで立っていた。

君はこっちに向かってお辞儀をして、

『お疲れさまです』

と確かに言った。幻覚や幻聴かもしれない。

けれど僕は確かに君を感じた。

僕は

『ありがとう』

と一言呟いて、満面の笑みで静かに眠った。

              *Fin*

今回初めて小説を書かせていただきました。

ムッチョです。

試験期間中に書いたので、誤字や文脈構成など残念な所、多々あると思います。

そこのところはご了承を。。。

この作品はまあ今の自分を表現したって感じです。

書いてる途中で涙出ました。

最近涙もろくてダメですね~w

てか、願望で書いてたので自分が感情移入するのは楽勝でした。

そのせいで泣いたんですけどワラワラ


とにかく!!

こんな作品ですが、読んでくださった方々に感謝したいです!!!


ほんとに読んでいただきありがとうございました(^^)


他の作品は今のところ書く予定はないです。

気分で書いているためです。

すいません。。。


では、またいつか別の作品で会いましょう!!!

ではでは~(^o^)/

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