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最凶男の自由な余生  作者: 小淵執悲
1章 学園前編
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7話

2016/1/11 修正

第2闘技場を出た後、俺達は一通りの部活を見終えた


まあ残りの部活は普通のスポーツに魔法を混ぜただけのもので、興味の引かれるものは無かったのだが


「なぁ、部活って絶対参加なのか?」


「いえ、別に強制はされてなかったと思いますが…入りたい部活は無かったのですか?」


「あぁ。強制でないなら入る意味は無いかな」


「えぇ?そんなんつまんねぇだろ!入りたいとこねぇんなら一緒に魔法格闘部入ろーぜ?」


「いや、あそこはいいや」


「な、なんでだよ!?」


「つまらなそうだったからだ」


「そ、そんなはっきりと言わなくても…」


俺の言い分に納得いかないという様子で詰めてくる。正直鬱陶しいだけなんだが


「はぐらかしてどうする。こういうのははっきり言った方がいいんだよ」


「おい勇人!つまらなそうだってなんだよ、人が入ろうとしてる部活に対して!」


「お、落ち着け、仁。一応聞いておきたいんだが、お前の目標はなんだ?」


「は?なんでそんなこと今聞くんだよ?」


「いいから、答えてみろ。一応の確認みたいなもんだ」


「あ、あぁ。お、俺の目標だが…」


「どうした?歯切れが悪いぞ」


「わ、笑わねぇか?」


「別に笑わねぇよ」


「そ、そうか…よ、よし!俺の目標はだな、ナ、番号持ち(ナンバーズ)になることだ!」


やっぱりか…


「……それは本気で言ってるのか?」


「あ、あぁ、本気の本気で言ってるよ。ど、どうした?そんな真面目な顔して…」


「だったらあの部活には入らねぇ方がいい」


「な、なんでだ?」


「あの部活が「負け犬」の集まりだからだ」


「っ………ど、どういうことだよ?」


へぇ、意外と落ち着いてんな。もっと怒って胸ぐら掴むくらいはしてくると思ったんだが…


「もし、あそこがこの学園の顔となるくらいの実力のある奴等だったとして、どうしてそこに十和家も現番号持ち(ナンバーズ)もいないと思う?」


「そ、それは……」


「そして、これは俺の見た感じだが、あの部活に所属しているやつらは本気で上を目指してるように見えたか?貪欲に強さを求める姿勢があるやつがいたか?俺には見えなかった。皆どこか、現状に納得してるようだったぞ?」


「……」


「何も言い返さないとこを見ると、お前も少しは感じてたってことだな?」


「……あぁ」


「気付いていながらどうして入ろうとした?」


「それほど強く気付いていたわけじゃない。少し違和感みたいのを感じていた程度だったんだよ。それが勇人の言葉で確信みたいなのに変わっちまった…」


そういうことね…


「じゃあ、それに気付いたお前はどうするんだ?仁」


「……」


「はぁ、お前の目標には生徒会か風紀委員会に入るのが手っ取り早いだろう。この学園はなんだかんだ言っても抗争は多い。それを止めるために動く組織に入っていれば嫌でも戦える。それにまわりは十和家や番号持ちとまではいかないものの、かなりの実力者揃いだろ?学べることも多いんじゃねぇか?てか、そんくらい分かってんだろ」


「だ、だけどよ、生徒会や風紀委員会に入るには相応の実力を示さなきゃいけないんだぜ?俺なんかじゃ…」


「……はぁ」


「な、なんだよ?人が真剣に悩んでんのに」


「悩む、ね。もう一度聞くが、お前の目標はなんだ?その目標は生徒会やら風紀委員会やらに入ることを躊躇するようなやつになれるものなのか?」


「それはっ………」


「入るのが難しい組織?だからどうした?難しいってのは諦める理由にはならねぇだろう?くだらねぇことで悩んでる暇があったら魔法の1つでも覚えやがれ、その方が余程有益だぞ」


こんな事言うようなキャラじゃねえが、まあ良い。これで動かねぇならもうダメだが…


「…は、はは。確かにそうだよな。何を躊躇ってたんだよ俺は。そうだよ、もっと上の目標があんのにこんなとこでなにやって…」


おいおい恐ぇな、いきなりブツブツ言い出したぞ?壊れちまったか?


「ありがとな、勇人!おかげで踏ん切りがついた!俺は風紀委員会に入るぜ!やってやる、やってやるぜぇぇぇぇ!」


まったく、世話のやける


「おう、頑張れよ」


「おうっ!ところで二人はどうすんだ?」


「楓は生徒会から声掛かるんじゃねぇか?十和家だしな。俺は予定通り無所属で過ごすよ。入りたいとこが見つかったら適当に入るさ」


「はい。私は優菜さんから生徒会に誘われていますね。もちろん受けるつもりです」


優菜…闇条家か


「よしっ、そうと決まれば早速…」


「仁、忘れたのか?部活も委員会も4月の間は体験までしかできないぞ?正式に加入するのは5月からだ。風紀委員会のテストも4月末に行われるんだぞ?」


「っ!そうだった!!!だったらトレーニングだ!確か第6~8闘技場はトレーニング用に使えるんだったよな?行こうぜ!!」


「闘技場でトレーニングするには当日の昼までに予約しないと使えませんよ?陸谷さんは予約をされているんですか?」


「あぁぁぁぁ!!?そうだった…くそっ、せっかく俺がやる気になったってのに、何もできないなんて…」


ちなみに、学園敷地内は闘技場、グラウンド以外は魔法の使用が原則禁止されてる。使うには生徒会役員か風紀委員になるか、教師の許可を得るかしかない。それに、生徒会や風紀委員も治安維持以外の目的での使用は教師の許可が必要だ


「今日のところはおとなしく寮に戻ろうぜ。な?仁」


「あ、あぁそうだな、そうするか」


ま、全てはこれからだ……焦ることは無い

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