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最凶男の自由な余生  作者: 小淵執悲
1章 学園前編
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65話

…部活として受ける初めての依頼がかなり大袈裟なものになっちまったなぁ


「勇人君、探すっていってもどうするの?」


今は静寂家を訪れた翌日だ

今から捜索を開始しようというタイミングでの上の質問だ


「まぁ拐われて2週間ですからね…見つからない方が可能性高いですよ。まぁやるだけやりますが…おいで、スイ」「およびですか?」


「…今さら驚くのも疲れるけど、水の精霊?」


「まぁそうですね。家や寮の部屋にいって水面さんの魔力の波動は覚えましたので、先ずは学園内を捜索しようと思います」


「…?水の精霊で?それに2週間も前のことを?」


「えぇ…精霊ってのは魔力の探知とかに関して人間の域をはるかに凌駕してますから…それにたとえどれだけ経とうとも魔力の痕跡は意図的に消すなどしない限りなかなか消えることはないんです。そのうえにさらに大きな痕跡が重なって見えなくなっているだけ。そして痕跡を壊すのは精霊くらいしかできないんです。まぁほおっておいても流石に年単位で時間がたてば消えますが」


「へぇ…でもそれだと」


「まぁ確かに精霊が痕跡を壊したってのなら分かりませんが、それはないですよ」


「へ?どうしてですか?」


「精霊はその人間の人となりをみて契約を結ぶかを決めますし、精霊の人を見る目はたしかです。犯罪をおかすようなやつにつく精霊はいません。万が一無理矢理操られていたとしたらむしろそっちの方がありがたい。無理矢理なら精霊が抵抗した痕があるんだが俺はそっちの方が見つけやすいんで」


まぁ例外はいる…最悪はその可能性も見なきゃいけないけどな


「なるほど…」


「スイを選んだのは探すべき水面さんが水属性だから…スイ、はじめてくれ」「了解しました」


スイにはもう水面さんの魔力を教えてある


「ご主人様…」「ん?分かった…なに?」


スイが見つけた水面さんの魔力流れを見たが…


「なんだと?」


「どうしました?」


…魔力の痕跡は流石に全てがその場にとどまるわけではなくほんの少しずつ拡散する。その微妙な違いから動いた方向はほぼ確実に予測できる。その結果


「…学園の外に向かってる」


「!!?外ですか?それは無理矢理連れ出されたとか?」


「いえ、全くといって良いほど乱れがないので戦闘行為があったわけでもないし…こうなると大会代表レベルに気づかれる前に潰せるほどの敵か、知り合いの犯行か…まぁ例の犯罪者ならその程度容易いか…」


「どっちにしても大変そうですね」


「勇人、学園を出た後は?」


「スイ、どうだ?」「…帰ってきてないようですね、まったく感じられません」


「そう…」


「普通に出てくのなら連絡の1つや2つするだろうし…とりあえず追いましょう。スイ、頼むよ」「はい」


「そうですね、動かなきゃ始まりませんし」


一応…!!?やはりこれは…


「どうしたの?」


…まだやめた方がいいか、確実ではないし


「なんでもありません…行きましょう」


「?…はい」


……


「…申し訳ありません」「気にすんな…魔力遮断系の乗り物を使うってのは予想の範囲内さ」「すみません」


「勇人君、どうするの?というよりも捜索じゃあ私達役立たずよね…」


「戦闘なら…!」


見つかるまでは戦闘をしないでいきたいが


「まぁ俺が捜索に専念できるように安全の確認をよろしくお願いします。これから結界外に出ることになるかもしれないので」


「へ…?分かったの?」


「濃度勾配による拡散…流石に2週間も経っていたら分からないですね…一時的に魔力のなくなった場所、普通ならわからないですけど」


「なにか方法が?」


「…まさか監視カメラ?」


「弥生先輩正解です」


「え!!?で、でもそれって警察とかじゃないと見れないんじゃ…」


「まぁ方法はいくらでもあるんですよ…違法ですが」


「いほ、そ、そんなのしてて良いんですか!!?」


「…義母さんにはばれたくないんで内密にお願いします」


「ちょ…」


「美羽先輩、今はそれしか無いんだから」


「そうですけど…」


「とりあえず俺の部屋に戻ります」


……


「ふぅ…これをこうして、ここにはいれば…でました」


「…これが学園前の道路の映像ですか…でも車で魔力遮断の有無を判断できるんですか?」


「魔力遮断を搭載している車が通ると回りの魔力に影響が必ずでます。押し広げる感じに進んでいきますからね。それをスイにみてもらうんです。スイ、準備はいいか?」「はい」「じゃぁ始めようか…再生開始」「……」


「…」


「…」


「……!これです、この車の回りの魔力が不自然な流れをしています」「了解…流石になかは見れないか。どこまでいくか追います」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


side 美羽


…車を水の精霊さんが見つけてからぱっぱぱっぱと画面が変わっていって全然追い付けない


捜索では全然役に立てませんしね…


「…やっぱりか」


「どうしたの?」


「結界の外に出られました…ここからが大変ですね」


たしか結界外には監視カメラが無いんですよね…魔物だらけのなかに監視カメラなんてあったらすぐ壊されますね


「どうするんですか?」


「一応方法はあります…二人にも働いてもらうことになるかと」


やっとで私達の出番ですね


「大丈夫」「わかりました」


「今日のところは明日以降の準備をしましょう…そとで何泊かするのを覚悟しておいてください」


「了解」「わかりました。明日は何時に出ますか?」


「9時には学園をでましょう」


9時ですね…


……

………


「さて、準備はいいですか?」


今は9:30、結界の前まで来ています


「どうするんですか?ここからの説明はまだ受けてないんですけど…」


「そうですね…これから俺は例の車が通ったと思われる所を調べながら動くんですが、その間かなり、というより完璧に無防備になってしまうんです。だからその間二人には護衛をしてもらおうかと。一応スイには出ててもらうのでもしもの時はなんとかしてくれるでしょう…頼んだよ、スイ」「お任せください」「で、説明はめんどいからスイ任せた~」


って、それで良いんですか…


「じゃあ俺は始めますね…」


目を閉じて動かなくなった…?


別に魔力が動いてるわけじゃないし…なにを?


「スイ?説明」


弥生ちゃん、早すぎよ


「承りました。あれは勇人様だけが行えることなんですが、現在勇人様はここら一帯の下級精霊以下でどこにでも存在し、普通の人からは空気中の魔力と思われるレベルの存在と感応しているところです」


…はい?


「下級精霊以下?それって意思すらないんじゃ…」


「学園で習うのはそうですが、常識で考えてみてください、下級になる前までは無かったのに下級になった瞬間いきなり自我が目覚めると思いますか?」


…なるほど


「つまり下級になる前でも少しずつ意思を持ち始めてる存在がいる、ということですか?」


「その通りです、龍宮様」


やった♪


「正直なところあれは我々精霊お…我々でも行うことができません。ご主人様がもつ唯一の才能、精霊との過剰な共鳴の才能があって初めて可能なんです。それはもはや病気やアレルギーのレベルですが、ご主人様は完全に使いこなしておられますのでこのようなことが可能なのです」


過剰な共鳴…?


「過剰な共鳴っていうのが病気?共鳴が悪いことになるの?」


「宵闇様の疑問ももっともです。説明しますと、ご主人様のその感応力が高すぎるために精霊、それも契約を行っていない精霊にまでと共鳴してしまい、勝手に魔力をもっていかれ、すぐに魔力欠乏状態になってしまうのです。昔はそれは本当に無意識のうちにどんどんもっていかれていて、常に最小限しか魔力がない状態だったそうです」


…優菜ちゃんと菫ちゃんが言うには勇人君は昔魔力がほぼ皆無でほとんど魔法が使えなかったらしい。その理由がこれなのね…


「含有魔力は使用することで増えますが、その原理は器と自然回復能力にあります。自然回復ではその人の持つ魔力を所有する器の分しか回復しません。魔力を限界近くまで使うと器が反応し、大きくなります。そして、その分を含めて自然回復するので含有魔力は増えるのです。ここまでは知っていますか?」


「はい」コクン


「ご主人様はこれで常にギリギリの状態、つまり常に器が大きくなり続けるような状態でミーヤに出会う7才までを過ごしています。彼女に会ってから制御を学び、他の精霊、私達とも出会いました。その頃にはすでに計り知れないほどの魔力をお持ちでした」


…魔力が増えないのは精霊に勝手にとられてたから自然回復が追い付かなかったのね。魔力欠乏症は下手すると命を落とすようなもの、かなり危険な幼少期をすごしていたんですね…


「それで勇人の魔力が半端ないんだ…私も結構頑張ってたんだけど…生まれたときから命の危険と隣り合わせで増やし続けてる勇人にはかなわないか…」


私もライやネネと契約したりしてかなりの量ですがまったくかないませんでしたしね…あれ?勇人君は3体もの精霊とも契約してましたよね?さらにはねあがってるということですか…


「話を戻します。ご主人様はその危険な能力を現在では完璧に使いこなしております。そのため、我々精霊でも感応できないような下級以下の存在とも意志疎通が可能です。今ご主人様はそのような存在にそこにあることを邪魔されたこと、つまり何か魔力を遮断するものがここを通ったのを覚えてないか、と聞いています。」


なるほど…


「グルルルゥゥァァァァ!!!」


魔物ですか…Dランクの雑魚ですね


「美羽先輩、私が殺る」


あら、残念です


「分かりました、よろしくですね」


コクンと頷いて魔物に一瞬で近づき、一瞬でまっぷたつにした…闇の刃ですね


「ただその時は周りの状況が分からなくなり無防備になってしまうので護衛を頼んだ、ということです」


少し勇人君のことを知れたっていう喜びと、強さの代償としたような苦しい幼少期を知らされてのこの気持ち…


勇人君は7才までそれを知らなかった…それまで魔力の少なさは無才能、それにより魔法が使えないのも無才能、そうやって言われて育ってきたんですね…


!勇人君が少しずつ動き始めましたね…これは…ほんとに時間がかかりそうですね、一歩一歩ゆっくり過ぎます…


「周りの精霊もどきを驚かせないようにゆっくりとしか進めないのです」


そういうことですか…


「あれ?私達が周りで戦闘を行うのは大丈夫なんですか?」


「あぁ、精霊もどきは精霊ではなくほとんどそこら辺に漂っている魔力と同等なのでご主人様のような存在じゃない限り影響は出ません」


そうなんですか。なら気にせず戦えますね


「因に話をするときにご主人様が魔力を与えるので数週間後にはここらで下級精霊が増えてることと思われます」


…それはバランス的に大丈夫なんでしょうかね?


「バランスについては大丈夫ですよ。自然界は良くできているので多少のズレが生じても全体でそれを緩和するように動きますから」


「…そんな分かりやすい疑問の顔してましたかね?」


「いえ、大体ご主人様がこの説明をしますと聞かれていたので先にいっておこうかと思いまして」


そういうことね


side out

これで少し勇人のことも分かってきましたね



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