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最凶男の自由な余生  作者: 小淵執悲
1章 学園前編
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49話

『勝者ジャッポネ代表、六郎坂勇人!Cブロックを勝ち上がりました!』


…雑魚しかいねぇ


『なお、本日は三回戦までですのでここまでです。お疲れさまでした…』


…ふむ、予定よりも早く終わったな。楓たちでも見に行くか


……


「これは…」


「あ、勇ちゃん!」


「姉さん…これは」


「みての通りだね…正直ここまで苦戦するとは思わなかったわ」


…相手は炎属性か。1年で火の上位属性とはな


「兄さん、どうだった?」


菫か


「勝ったよ…菫も勝ったみたいだな」


「うん…あとは楓ちゃんだけど」


三人で闘技場に目を向ける


《はぁはぁはぁはぁ》


《ぜぇぜぇぜぇ…「フレイラグナ」!!!》


っ!炎属性上級魔法か!しかも詠唱破棄!!?


《…くっ、……「凍てつける冥王の吹雪(ハデスブリザード)」!!》


こっちも詠唱破棄氷属性上級魔法…


炎の波と吹雪、二人の魔法がお互いを相殺しあい落ち着く


「…相手のやつ、かなりの魔力支配力だな…」


「そうなのよ…それに上級魔法の詠唱破棄まで…正直1年で詠唱破棄出来るのあなたたち三人くらいだと思ってたわ…他は出来ても下級程度だと」


「だが実際立ちはだかるか…だけどそろそろ終わるよ」


「え!?」


恐らく楓はあれをつかう


《…敵を穿つ矢よ、凍てつく氷の矢よ》


やはり、あの詠唱は


「ここでオリジナル魔法!!?あの魔法…!!?勇ちゃんのじゃなかった!!?」


「兄さん、あれ教えたんだ」


「あぁ、なんか対個人一撃必殺レベルのやつを教えてくれと言われてね…あいつは魔力支配力が半端ないせいで広範囲魔法ばっか得意だったから習得はかなり大変だったよ。ほんとは決勝トーナメントでお披露目の予定だったと思うんだがな」


話してるうちに楓の手に氷の弓と矢が具現化する


「たしかあれ、魔力支配を局地的に行うやつよね…ただでさえ魔力支配力が強い楓ちゃんが使えたら…」


「あぁ、威力はほぼ俺と同じだった」


まぁ二人に見せたことがあるやつのなかで、だけどな


「「なっ!!?」」


《…「氷神呀突弓」!!!》


《!、「フレイムクリフ」!!!》


炎の絶壁…上級魔法ね。だけどそれじゃあ防げない


楓の放った矢が炎の絶壁を貫く


《なっ!!?ガッ…あ、あぁ…》


《はぁはぁ…私の、勝ちです》


会場が大歓声に包まれる


「やっぱりすごいわね…氷神呀突弓だっけ?高密度の魔力を込めて相手の魔法を一転突破する魔法…魔力支配力と魔法干渉力が強くないとできない技よね」


「楓は干渉力をも支配力で補ってるがな…あぁいう広範囲防御を貫くにはもってこいだよ。てかさ、なんで楓や相手の声が聞こえんの?」


「え?」


「兄さんみるのはじめて?」


「おう…なんだ?常識か?なら教えといてくれ」


「わ、分かったわ…えーと、この闘技場そのものに魔法がかかっていて、戦闘中での詠唱の有無を調べるために中の声が外に拡大されて聞こえるようになってるの…話し声が聞こえるのはそのおまけね」


な、なんだと…中での会話が全部聞かれてるのか。こりゃ迂闊なこと話せないな


「まぁ戦闘には関係ないから気にしなくて大丈夫よ」


「あ、ありがとう、助かった」


「いいえ…それより楓ちゃんの所に行きましょう」


「あぁ」


……


お、いたいた


「おっす楓、お疲れさん」


「あ、勇人さん!見てたんですか?」


「あぁ。もう自分のもんに出来てたな」


「ほんとですか!」


「これで三人とも決勝トーナメント進出ね…これは快挙よ?1つの学園から決勝トーナメントに三人も出るなんて」


たしかにな、8個の学園から1人ずつ出てちょうどいいかんじだけど3人も出るんだよな


「僕を忘れてもらっちゃ困りますね、優菜姉様」


…こいつ


「…裕也、あなた決勝トーナメント出るの…?」


「当たり前でしょう!」


あたりまえ…?


運が良かっただけだろう


「ふっ、君がどんな手で決勝トーナメントに残ったかは知らないが僕が現実を見せてあげよう…本物の才能というものを」


…はぁ


「皆、俺もう部屋に帰るわ」


「え?あ…うん」


回りに他の十和家や違う学園のやつらが楓に会いにきやがった…やってられん


……


コンコン


ん?…面倒だな…


「ミーヤ」


「はーい?」


「追い返してきて。大きさ普通サイズで」


「は~い。魔力貰うね~」



「はーい、どなた?」


「え!!?女の人!!?」


「なんか用?」


「ま、間違えました~!!!」



「あれでよかったの?」


「あぁ。十分だ」


……


コンコン


あん?またか…


「アイ」


「了解しました。魔力いただきますね」



「どちら様でしょうか?」


「あれ?え?ま、また?」


「はい?」


「す、すみませんでした~!!!」



「ありがと、アイ」


「お気になさらず」


……


コンコン


あー!うっとおしい



ガチャッ

「なんの用だ」


「や、やっとだ…えーと、六郎坂さんですね?」


「人違いだ」

バタン


「な、ちょっと待ちなさいよ!…」


あーうっとおしい…まだドアの外で騒いでる


ガチャッ

「なんなんだよお前…」


「あ、開いた…私はチュネ代表1年のレティス・ウィンターソンです。六郎坂勇人さんで間違いありませんね?」


「だから違うと言っているだろう」


「な!!?たしかにフロントでこの部屋だと…!」


「それにしては間違ったとこに行ってはいなかったか?男だからって勝手に決めつけるな…俺の名前は優炉坂玄人(ゆうろざかくろうと)だ」


「そ、そんなこと言われたって!たくさん部屋があってよくわから…あれ?なんでその事知ってるの…?」


「…」


「って、よく考えたら優炉坂玄人って六郎坂勇人のアナグラムじゃない!やっぱりあなたね!」


…頭の回転は遅くない


「無言は肯定ととります」


………はぁ


「何が目的だ」


「いえ、ただあなたがトーナメントで精霊を使っていたようなので…どこで手に入れたのかや、良ければ譲ってもらおうかと。貴方みたいな失敗作にはもったいないですから」


……こいつ


「断る。そんなん教えたところでお前じゃ無理だ、犬死にするだけ。ゆずる?もっての他だ…精霊ってのは自分の認めたやつにしか力を貸さねぇよ。お前が認められることはない」


「なっ…あなた…ウィンターソンの名前を聞いたことがありませんの?世界トップの氷属性の名家、ウィンターソンを」


んなもん自分で言い出す時点でアウトだろ


「精霊は貴方みたいな失敗作ではなく、私のような才能ある名家のものが持つべきです…これはお願いではなく命令です。さっさと出しなさい」


段々口調が上から目線に…いや、はなっから失敗作呼ばわりだったか


「誰が聞くか、んな命令…それにつかう精霊を人間が選ぶんじゃない、力を貸す人間を精霊が選ぶんだ。それを理解してない時点でお前はアウトなんだよ」


「…あまり図に乗らないでくださいますか?なんならここでっガッ!!?」


ウィンターソンの顔面をアイアンクローしながら通路反対の壁に叩きつけて押さえる


「理解してねぇのはお前の方だよレティス・ウィンターソン…図に乗ってるのもな。自分が実力で俺に勝ってるとでも思ってるのかよ…精霊の力だけで勝ち上がってるとでも…?はっ、どこぞの貴族様じゃぁあるまいし、そんなことするかよ」


「あっ、ぐっ、は、離しなさっ!!?あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


じたばた暴れるウィンターソンにこめる力を上げる


「それにお前は初っぱなから間違えてんだよ…精霊をまるで物のように扱いやがって。精霊にも意思はあるし感情もある。むしろ人間なんかじゃかなわないようなそんざいなんだよ…いちいちかんにさわるやろうだ」


この女と俺の回りに簡易結界をはってあるからいくら叫ばれても誰も来ない


「それに精霊ならお前の家にも大精霊がいるだろうが…お前がもってたら強制的に奪ってたがな。さっさと失せろくそ女」


ウィンターソンを解放して部屋に戻る


「お、覚えてなさい!トーナメントであたったら貴方を倒して精霊も奪ってやるわ!」


できるものならな


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


~おまけ~


side レティス


あの男…


「六郎坂様ですね…こちらのお部屋になります」


「ありがとうございます」


はぁ…このホテルは侵入者や窃盗防止?かなんだか知らないけど部屋番号がなくて部屋の識別が魔力でしか行えないなんて…知らない人のとこじゃぁ行けないじゃない。まぁフロントに聞けば一発だから意味がない気がしますが…ここね


コンコン


「はーい、どなた?」


「え!!?女の人!!?」


な、なんで!!?たしか六郎坂勇人は男のはず!


「なんか用?」


「ま、間違えました~!!!」


フロントに行って確認しなきゃ!



「部屋に黒髪の女の子ですか?…それなら隣の部屋と間違えたのでは?隣にはジャッポネの闇条姉妹がお泊まりになってますので。一応場所を確認しますか?」


「いえ、大丈夫です」


さっきのとなりね、となり



「どちら様でしょうか?」


「あれ?え?ま、また?」


「はい?」


「す、すみませんでした~!!!」


な、なんで?



「髪が薄青のおしとやかな女性…?たしか…やはり先程と逆隣にジャッポネの郡山様がお泊まりになってますね。そちらとお間違いになられたのでしょう」


ま、またですか…


「今一度ご確認ください」


……ここね、うんもう大丈夫


「ありがと」



「なんだ?」


やっとだ…


side out

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